ドットサイト 基本のキ: ドットサイトマウント の選び方、使い方

ドットサイト 基本のキ: ドットサイトマウント の選び方、使い方
ドットサイト 基本のキ: ドットサイトマウント の選び方、使い方
 

正確に照準を合わせるには ドットサイトマウント も重要な要素

前回の記事でドットサイトにおけるレティクル(ドット)についての基礎知識や見方について解説しましたが、今回は実際にドットサイトを使用する時に欠かせない ドットサイトマウント についてお話します。良いドットサイトを手に入れても、機種に合ったものを選択しなければエアガンへの搭載すらままなりません!また、あなたの使い方(射撃フォーム・顔周りの装備など)に合ったものでないと折角のドットサイトが活かしきれません!

ドットサイトマウント の基本について触れつつ、どんなタイプのものがあるのか、エアガンへのセッティングの仕方などについても解説していきたいと思います。

ドットサイトマウント

 

ドットサイトマウント の役割

ドットサイトマウント は読んで字のごとく、ドットサイトを銃に搭載するための架台のことです。ドットサイトをエアガンにしっかりと固定することが主な役目となります。ドットサイト自体の製品クオリティも重要ですが、正確な照準を得るためにはマウントも同じくらい重要なパーツです。

ドットサイトによってマウントの固定方法は様々ですので、マウントはモデルに合ったものを準備する必要があります。小型のマイクロドットであればAimpoint T1 / T2に準拠しているなど、大抵の場合はメジャーなモデルと共通のマウントが装着できるようになっています。また、大抵の場合ドットサイトとマウントがセットで販売されていますが、高さがご自身の持っているエアガンに合っていないこともあるので要確認事項です。その他、ドットサイトの筐体がマウントを兼ねる設計になっていることもあり、直接エアガンに搭載可能なものもあります。

TRS-25とT2レプリカ

これからドットサイトを購入する場合は、マウント付属の有無やマウントの高さを調べ、自分のエアガンに搭載可能か、充分な高さで快適に使用できるかも考慮しましょう。もしマウントが付属していなかったり高さが足りない場合は、そこを補完できるマウントの購入も併せて検討しましょう。

マウントの商品名や商品説明には必ず〇〇用(T1/T2用、Trijicon MRO用など)と記載があるはずです。ですが、お手持ちのドットサイトや購入しようとしているマウントの規格がよくわからない場合は、商品名や型番を記載の上お問い合わせください。適合するかどうか回答させて頂きます!また、ドットサイトのネジ穴の位置関係をフットプリントと呼びますが、ネジ穴同士の距離(中心同士の距離)やネジの規格(ネジ山直径[呼び]、ネジ長さ、頭部[皿]直径)をお問い合わせ頂いても結構です。(正確な数値の伝達や、調査にお時間を頂く場合もありますので、メールでお問い合わせ頂けますと助かります!)

フットプリント

なお実物光学機器の話にはなりますが、海外では各種ドットサイトのフットプリントのデータが掲載されているサイトもあります。エアガン用のレプリカであっても基本的には実物に準拠しているので、参考にしていただくのも良いでしょう!

OPTICS TRADE
※トップメニューの「Mounts」から該当のドットサイトモデル名をクリックするとフットプリント図が閲覧できます。

 
エアガンへの搭載方法についてもよく調べておく必要があります。現代のアサルトライフルのほとんどはトップレールにピカティニーレールを備えているので、それらを模したエアガンであれば大抵の場合は迷うことも少ないですが、AKやMP5の様にトップレールがないエアガンの場合、専用アダプターを使用したりピカティニーレールを設置するマウントベースが別途必要になります。

マウントやマウントベースの商品一覧はコチラ!
↑画面表示後、左上の検索欄に「AK」や「MP5」などの機種を記入し検索すれば対応するマウントベースが表示されます。

なお、ピカティニーレールが「何ぞや?」とご存じない場合は、解説の動画もありますのでご覧ください。

 

ドットサイトマウント は照準の高さを決めるパーツでもある

ドットサイトマウント は他にも、ドットサイトを見やすい高さまで上げるという役割もあります。たとえエアガンにドットサイトを固定出来ても、エアガンを構えた時にドットが見える位置になければ意味がありません。マウントの高さには規格があり、これまではAbsolute Co-Witness(アイアンサイトと同じ高さにドットがある)とLower 1/3 Co-Witness(レンズの下から1/3の位置にアイアンサイトが見える)が主流でしたが、シチュエーションや交戦距離、射手の体格や射撃フォーム、装備品によっても最適な高さが異なることから、近年ではもっと背の高い1.93インチ2.26インチ、場合によってはもっと高いハイマウントも登場しています。

ドットサイトマウントの高さ

サバゲーでは顔全体をカバーするマスクが推奨されますが、ストックに頬付けしにくいためCo-Witness規格ではドットが低くて使いづらく、高さのあるハイマウントを好むプレイヤーさんが多くいらっしゃいます。実銃におけるマウント高の変遷が、奇しくもサバゲーで重宝されるようになった良い一例ですね!わざわざマウントを入れ替えなくても、トップレールとマウントの間にスペーサーとして設置するタイプのマウントベース(ピカティニーレールの上にピカティニーレールを置くイメージ)もありますので、環境に合わせて必要なパーツを選びましょう。

マウントベース

ただし、ドットの高さが弾道が離れれば離れるほどメカニカルオフセットが大きくなります。着弾距離によって照準を合わせる位置を考えて撃つ必要が出てくるので、使用するマスクやフィールドの規模、好みに合わせて自身の扱いやすい高さに設定しましょう。詳しくは下記のページをご覧ください。

照準と着弾のズレ:メカニカルオフセットを考慮したサイティング

オルガエアソフトでは、各商品ページにドットがどの程度の高さとなるかも記載しておりますので参考にしてください!

メカニカルオフセット

またマウントの高さについては、レールからの値だけでなくストックからの高さも考慮する必要があります。ライフルによってストックとトップレールの高低差は異なります。同じAR15系であっても、HK416HK417はトップレールがAR15/M4A1よりも高く設定されているという例があります。 ドットサイトマウント の製品名に高さに関する記載がある場合、多くはトップレールからの高さやAR15/M4A1を基準とした数値であるため注意しましょう。

AR15とHK416のトップレール高の差

 

近年ではハイマウントや多機能マウントなど種類も豊富に

先述の通り、 ドットサイトマウントは近年ハイマウント化している傾向にあります。メカニカルオフセットを少なくすることに重きを置く場合は、マウントを最低限の高さに抑え頭の角度も含め前傾の射撃フォームを取りますが、プロの現場では視界をより広くすることを重視する考え方も普及してきているようです。例えば、閉所で作戦を実行する場合はCQB(近接戦闘)に特化させるためドットを至近距離での着弾点に調整。ドットサイトをハイウマウント化し、頭や上半身を垂直に近い角度まで上げ視界を広げる、といった具合です。また、頭を上げることでナイトビジョンなどのヘッドセットの銃器への干渉を防ぐ役割もあります。CQBでは戦闘距離が大きく変わることが少ないうえ生死に係わる場面も多いので、メカニカルオフセットよりも危険察知や使い勝手を優先しています。

UNITY FASTマウントシリーズ

また、これまでのドットサイト及びマウントは、バックアップサイト(メインのドットサイトの損傷・故障時に使うサブの照準)使用時には邪魔になるものが普通でしたが、ハイマウント化することでマウントの中空部をアイアンサイトの照準点とできるものもあります。中にはアイアンサイトを備えたマウントすらあります。

UNITY TACTICAL FASTタイプ マイクロマウント

FAST バックアップアイアンサイト

変わり種でいえば、ドットサイトとレーザーデバイスの視差を少なくするためデバイス用のライザーも用意されたHYDRAマウントもあります。前述のバックアップサイトのスルー機能も有していて、多機能さにおいては随一と言えるでしょう。他にも、マグニファイア(ドットサイトと併用することでスコープ化できる補助照準器)を適正な位置で固定できるマウントベースもあります。

hydraマウント

HYDRAタイプマウントはこちら

Wilcox

Wilcoxタイプマウントはこちら

 

マウントの固定方法

ドットサイトマウント はドットサイト側にもエアガン側にも強固に取り付けられる様工夫されており、正しくセッティングできていればガタつくこともなく常にエアガンとドットサイトの位置関係をキープします。逆に言えば、ドットサイトとマウント、あるいはマウントとエアガンとの間に少しでもガタがある場合は正確な照準が付けられませんので、その原因を探りガタを解消することをオススメします。

ドットサイトとマウントの固定

最もメジャーなT1/T2タイプをはじめ、マイクロドットサイト系は複数本のネジでマウントに固定するものが主流です。マウントを交換する際にデフォルトのネジをそのまま使用できればベストですが、マウントの厚みが異なる場合やスペーサーを使用する場合は長さの適したマウント付属のネジを使用します。もしマウント付属のネジがドットサイト本体に合わない場合は、ドットサイトのデフォルトのネジ直径とマウントに付属するネジの長さを測り、ホームセンターや工具販売店などで規格の合うネジを購入しましょう。ネジの規格はM3×10の様な表記になります。(Mがミリ規格、数字が直径mm、×の後ろがネジ長mmを表す)

ネジ規格

レプリカドットサイトはミリ規格である場合が多いですが、実物ドットサイトはインチ規格である場合もあるので注意が必要です。インチ規格の場合は3/8-16UNCの様な表記です。(分数が直径で#番号の場合もあり、-の後ろが山数、UNCは規格を表す)どれが適しているか分からない場合は、ネジやドットサイトを直接店員さんに見てもらうのがオススメです。

規格の合わないネジを無理に使用するといくら締め込んでもガタが発生する可能性があるほか、最悪の場合ドットサイトのネジ山を潰してしまうこともあります。必ず規格の合ったネジで固定するようにしましょう。

ドットサイトとマウントの固定

ドットサイトにはじめからマウントがセットされた製品のマウントを交換する場合、デフォルトのマウント固定ネジがネジ止め剤により中々外れないこともあります。ネジが固くて回らないからと無理に力を込めるとネジ穴をなめてしまい二度と外せなくなります。最悪の事態を避けるためにも、慎重に作業してください。

ネジ止め剤が固まっていて回らない場合は温めることでネジ止め剤がゆるみ外しやすくなりますが、ヒートガンなどでドットサイト全体を温めてしまうのはやめましょう。ドットサイトの内部は曇り防止のため窒素ガスが充填されていることが多いのと、レンズの固定及び防水のために接着剤が使用されているためです。内部の基板にも悪影響を与えます。

お薦めの方法は、ハンダゴテでネジを1本ずつ温めて外すやり方です。ピンポイントで熱を与えられるので、ドットサイトへの影響が最小限で済みます。ただし、塗布されているネジ止め剤の強度によっては40Wクラスのハンダゴテは敵わない場合もあります。ネジ穴にすっぽりはまるように加工したコテ先や60W以上のコテを用意するなどの必要も出てきますので、お手持ちのハンダゴテでは外れない、ハンダゴテを持っていないという場合はマウントの交換作業をショップにご依頼ください。オルガエアソフトでもご依頼は可能です。

※状態により作業痕の発生、ネジの破壊等ご承諾頂く場合がございます。

ドットサイトマウントの固定ネジ

マウントとドットサイトを固定する際は、ネジを締める前に接合部がピッタリ合っているかをよく確認しましょう。レプリカ製品の場合、事例は少ないですがメーカーが異なると噛み合わせが甘い場合もあります。水平が出るようであれば多少の隙間は問題ありませんが、逆にズレ防止の溝が嵌らないなどの場合は削り等の調整が必要となります。

ドットサイトとマウントの接合部

水平面に影響が出る部分を削って調整するのは精度の低下を招くのでオススメできませんが、前後ズレ防止の突起部や凹部側面の調整程度であれば問題ないでしょう。とはいえ、ドットサイトとマウントがあまりにも合わず加工量が多くなることが予想されるならショップに依頼するのが良いと思います。

ドットサイトマウントの調整

また先述の通り、ドットサイトによっては本体が直接ピカティニーレールに固定できたり、エアガンの規格に合わせて作られている専用品もあります。後者の場合は恐らくエアガンへのポン付けが可能ですが、前者の場合はAR15などトップレールが低い機種ではレンズを覗けない場合がほとんどです。その場合はライザーと呼ばれる背の高いマウントベースを使用しましょう。

ライザーマウント一覧はコチラ

ライザー

エアガン本体への固定

ドットサイトにマウントを固定したら、いよいよエアガンへの取付です。AR15の様にトップレールが長い場合はお好みの位置への取付が可能ですが、ドットサイトは通常の場合マガジンハウジングの直上(ブルパップ式を除く)などライフル全長の丁度真ん中辺りが使いやすいでしょう。

ドットサイトの搭載位置

ピカティニーレールに固定する際はまずマウントの固定具を最大までゆるめます。固定方法はネジ式とレバー式が一般的です。レバー式の場合はボタン状のレバーロックが付いていることが多いので、ボタンでロックを解除しながらレバーを操作します。

マウントをピカティニーレールに載せたら、マウント底部をレールトップにピッタリ押し付けながら固定具を締めます。ネジ式の場合はそのまま締め込んで完了ですが、レバー式の場合は逆サイドに調整ネジがあるのでガタの無い丁度良い締め具合になるよう適宜調節してください。レバーが閉められないくらい固い場合は調整ネジを緩めます。逆にレバーを閉めてもマウントとレール間にガタがあったり、レバーが抵抗なく閉められる場合は、レバーを閉めたまま調整ネジを丁度良い固さまで締め込みます。レバー開閉が程よい固さで行える状態がベストです。

レバータイプのマウントのモデルによっては、調整ネジが六角形状などで固定されており、レバーを解放しシャフトを押し込まないと回せないものもあります。構造を良く見て適宜調整を行ってください。

レールに固定完了したらバレルに対して水平や平行が出ているか確認してください。

ピカティニーレールへの固定

レバー式マウント

これでエアガンへのドットサイトの取付は完了ですが、エアガンは当然(実銃の)レプリカであるし、マウントもレプリカである場合はやはり相性の問題があります。最後の最後でうまくレールに嵌らなかったり、例え固定できていたとしても水平平行が出ない、レールとマウントの間に隙間ができる、ガタがあるという場合もあります。その場合はマウントのレール接合部を少しずつ削るなどして調整しましょう。隙間やガタがある場合はアルミテープやゴムシートなど水平を出しやすい部材を挟むなどします。

マウントもエアガンも含め、レプリカ製品やエアガンのピカティニーレールは実規格通りのサイズではないこともあります。現在ではそこまで酷い成型の製品は少ないですが、ノーブランドのマウントと安価なエアガンの組み合わせや、まだデータの少ない新規メーカー製品では、上記のように調整が必要となる場合があります。

マウントのレール接合面

レプリカやエアガン用オリジナルであっても実銃規格に対応したハイクオリティな製品もありますので、外観上のモデルこだわりがなければノーベルアームズやDMAG、NOVUSなど実績のあるメーカーからチョイスするのがオススメです。DMAGは実物モデルが存在するレプリカ製品になります。

ノーベルアームズ製マウントはこちら

DMAG製マウントはこちら

NOVUS製マウントはこちら

ドットサイトマウント について解説してきましたが、調整については例えば実物マウントなど高価なパーツの場合、マウントではなくレール側を調整したいということもあるかと思います。当記事で解説したのはあくまで1例ではありますので、基本的にはバレルに対してドットサイトの水平平行が出るよう状況に合わせて適宜必要な調整を行っていただければと思います。

エアガンにドットサイトをバッチリ取付け出来たら、次はいよいよ照準点と弾道を合わせるゼロインとなりますが、それはまた次の記事で解説したいと思います。

 
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