トランプ前大統領 暗殺未遂事件で シークレットサービス を支えたライフル

トランプ前大統領 暗殺未遂事件で シークレットサービス を支えたライフル
トランプ前大統領 暗殺未遂事件で シークレットサービス を支えたライフル
 

カウンタースナイパーの装備 要点まとめ

カウンタースナイパーは、シークレットサービスで遠距離から警護を支える狙撃手のチームである。また、本稿では報じられた装備に絞って整理する。なお、事件そのものへの見解は述べない。

  • カウンタースナイパーの銃は、Remington M700をAXシャーシに載せたJARである。
  • スコープは、Nightforce ATACR 7-35×56が確認された。
  • CATは、KAC SR-16 CQB MOD2.1にQDC系サプレッサーを付けていた。
  • マガジンは、MAGPULのPMAG GEN M3 Windowである。
  • 詳細は非公開のため、画像からの考察を含む。

歴史的な暗殺未遂事件となった現場で シークレットサービス の活躍を支えたスナイパーライフルとは?

2024年7月13日(日本時間14日午前)、ペンシルバニア州バトラーの選挙集会で演説をしていたドナルド・トランプ前大統領が銃撃されるという衝撃的な事件が起きたことは、読者の方々もご存じのことだろう。トランプ氏は右耳を負傷するも命に別状はなく、ステージ後方の建物上に配置された シークレットサービス (USSS=United States Secret Service)の狙撃手により犯人は射殺された。

複数の銃器メディアが、使用された装備を分析している。例えばTFBは、カウンタースナイパーとCATの装備を別々に整理した。

カウンタースナイパーとCATの装備

今回の事件では シークレットサービス の警備体制を疑問視する声も上がっているが、セミオートとはいえAR15で武装した犯人に数発程度しか撃たせず、迅速な対応をみせたUSSS隊員。技量の高さと冷静な判断力は流石といったところだ。

また、通常では目にする機会も少ないUSSS隊員の活躍が映し出されたこともあり、使用しているライフルなど装備についても注目を集めている。事件の背景や政治的な動向は報道機関に任せるとして、本稿では シークレットサービス の活躍を支えている銃器などについて取り上げていこう。

装備は、大きく二つに分けられる。カウンタースナイパーはボルトアクションライフルを使う。一方、CATはAR15系カービンが中心である。

シークレットサービス
Gene J. Puskar/AP通信

情報源と注意点

当記事では各銃器メディア、米国ニュースサイトをはじめとした情報を総合的にまとめて制作しています。詳細な情報は非公開となっており、画像・映像などから考察せざるを得ない部分もあるため正確な情報ではない場合があります。予めご了承ください。

参考とした主な記事:
TFB(THE FIREARM BLOG)「Secret Service Guns And Gear at the Trump Assassination Attempt」
CNN「In pictures: Trump injured in shooting at Pennsylvania rally」

カウンタースナイパーが使用するAX AICS Remington M700

今回の事件で犯人を仕留めたのはホワイトハウスや外国要人、大統領候補者の警護を行うUD(Uniformed Division)所属のカウンタースナイパーチームで、使用したスナイパーライフルはRemington M700である。ただし、Accuracy International AXシャーシシステムに換装されており、海兵隊が使用するMk13 Mod7に非常に酷似したビルドとなっている。

Mk13 Mod7は、海兵隊が採用した.300ウィンチェスターマグナム仕様のライフルである。また、AICS 2.0シャーシにロングアクションのRemington 700を載せている。そのため、JARと見た目が近いと言われる。

Remington M700 AX AICS
EPA通信

Accracy International AX AICS

MK13 Mod7

カウンタースナイパーのJAR特注仕様

このライフルはJAR(Just Another Rifle)と呼ばれる特注品であり、本件以前より使用が確認されているボルトアクションである。しかし、これまでに見られたシュミット&ベンダー(Schmidt & Bender optics)のスコープとは異なり、ナイトフォース(Nightforce)のATACR 7-35x56mmライフルスコープが搭載されている。また、スコープ上部にはENVISION TECHNOLOGYのMARS LRF(レーザーレンジファインダー=レーザー距離計)が搭載されている。

USSS カウンタースナイパー
2020年に撮影されたUSSSカウンタースナイパー隊員:ロイター通信

カウンタースナイパーのATACRスコープ

ATACRスコープについては、2022年にアメリカ陸軍特殊作戦軍の主催で行われた国際狙撃競技会に参加したUSSS隊員のセットアップでも見られたが、これが正式に入れ替えが行われているものなのか、隊員や任務による選択の差なのかは定かではない。また、競技会ではレーザー照準器とLRFを兼ねるウィルコックス(Wilcox)のRAPTAR Sが搭載されていた。

ATACR 7-35×56 F1は、第1焦点面のスコープである。また、34mm径チューブで、エレベーション調整量は100MOA/29MRADとされる。ただし、確認された個体の仕様は公表されていない。

TFBは、スコープをMRAD調整と第1焦点面の組み合わせと見ている。また、バイポッドはB&T工業のAtlasと分析している。さらに、口径は.300ウィンチェスターマグナム級と推測するが、公式発表はない。

Nightforce ATACR
2022年の国際狙撃競技会に参加したUSSS隊員:Ken Kassens/U.S. Army

Accuracy Internationalとレミントン700

JARのシャーシを製造するAccuracy Internationalは、L96A1を生んだことで有名なイギリスを拠点とするライフルメーカーである。しかし、あくまで銃身や機関部には誕生から60年以上の歴史を持つRemington M700を使用しているのは、アメリカの公的機関における絶対的な信頼性の高さを伺わせる事例である。またその背景には シークレットサービス が使用するにあたり特注された仕様の秘匿性を担保する意味合いも強いのではないかと予想される。

AXシャーシは、同社のAWシリーズから派生した製品である。また、折り畳みストックと調整機構を備える。

檀上にはCAT隊員の姿も確認される

トランプ氏が銃撃され多くの警護官が駆け付けた直後、ステージ上にはCAT(Counter Assault Team)隊員の姿も見られた。CATは武装した襲撃者に反撃を行い、要人退避の時間稼ぎや無力化を行う特殊部隊であり、今回の暗殺未遂事件では複数犯である可能性も踏まえて、会場内や別の方向からの襲撃に備えた動きをしたものと思われる。

通常、CATは身辺警護よりも周囲の警備・警戒を行う部隊のためメディアに映し出される機会も少なく、期せずして現場での動きを目にすることとなった。

USSS CAT隊員
Evan Vucci/AP通信

CAT隊員が携行したカービン

ローレディされたライフルはUSSS CATではお馴染みのKAC SR-16 CQB MOD2.1で、サプレッサーにはQDCサイレンサーが装着されている。

SR-16 CQB MOD2.1は、ナイツ・アーマメント製のAR15系カービンである。また、TFBは11.5インチ銃身と分析している。さらに、ストックはMagpul CTRと見られる。

光学機器とライト

光学機器はAimpoint Micro T2ドットサイト、BE Meyers MAWL レーザーデバイス、ウェポンライトはスイッチケーブルのジョイントからSUREFIRE スカウトライト系と思われるがモデルは定かではない。また別の隊員はModliteらしきもの装着しているようにも見える。アクセサリー類については多少選択の幅があるのかもしれない。

Aimpoint T-2は、LaRueのマウントに載っているとTFBは述べている。また、ライトはSureFire Scout Light Proとされる。ただし、隊員によって装備が異なる可能性もある。

マガジンはMAGPUL(マグプル)のPMAG GEN M3 Windowが使用されている。

PMAG GEN M3 Windowは、窓から残弾を確認できるマガジンである。そのため、弾数の管理がしやすい。

シークレットサービス 特殊部隊
Evan Vucci/AP通信

Counter Assault Team
Evan Vucci/AP通信

本稿の姿勢と注意点

 
本記事は、サバゲーメディアの視点としてUSSS装備に注目した内容として執筆した。趣味性の高いメディアであるため事件に関しての見解について述べるつもりはないが、銃器使用の有無にかかわらず暴力・犯罪に対して当然ながら強く否定する姿勢を示しておく。

また犯人が放った凶弾は、妻子をかばった地元の消防士の命を奪い、他にも2名の重傷者を出すなど痛ましい事件となった。本事件の被害者やその遺族に対し、哀悼の意を表する。

カウンタースナイパーとCATの確認装備を整理

ここで、報じられた装備を表にまとめる。詳細は非公開のため、出典と確度も併記する。

区分 確認された装備 補足 出典
カウンタースナイパーの銃 Remington M700、AXシャーシ(JAR) Mk13 Mod7に酷似 当店記事、TFB
スコープ Nightforce ATACR 7-35×56 第1焦点面、MRAD調整と分析 TFB、Nightforce公式
測距機器 ENVISION MARS LRF 2022年の競技会ではWilcox RAPTAR Sも確認 当店記事、TFB
CATのカービン KAC SR-16 CQB MOD2.1 11.5インチ銃身と分析 当店記事、TFB
サプレッサー QDC系 ブランドの詳細は未確認 当店記事
光学・ライト Aimpoint T-2、BE Meyers MAWL、SureFireスカウト系 モデルは隊員により異なる可能性 当店記事、TFB
マガジン Magpul PMAG GEN M3 Window 残弾確認窓つき 当店記事、TFB
拳銃 Glock 19 Gen 5 MOS 当店記事では未確認 TFB、他メディア

口径や細部の仕様は、公式には明らかにされていない。そのため、断定は避けている。

カウンタースナイパーの装備に関するよくある質問(Q&A)

Q. シークレットサービスのカウンタースナイパーは何を使いましたか?

Remington M700をAccuracy InternationalのAXシャーシに載せた、JARと呼ばれる特注ライフルである。

Q. カウンタースナイパーのJARとは何ですか?

Just Another Rifleの略で、特注のボルトアクションである。以前から使用が確認されている。

Q. カウンタースナイパーのライフルはMk13 Mod7とどう違いますか?

見た目は非常に近い。Mk13 Mod7は海兵隊が採用した.300ウィンチェスターマグナム仕様のライフルである。

Q. カウンタースナイパーのスコープは何でしたか?

NightforceのATACR 7-35×56が確認された。上部にはENVISION MARS LRFがある。

Q. CATとは何ですか?

Counter Assault Teamの略である。武装した襲撃者に反撃し、要人の退避時間を稼ぐ特殊部隊である。

Q. シークレットサービスのCATはどんなカービンを使いますか?

KAC SR-16 CQB MOD2.1が確認された。QDC系のサプレッサーが付いている。

Q. 使用マガジンは何ですか?

MAGPULのPMAG GEN M3 Windowである。窓つきで残弾が確認できる。

Q. 詳細な仕様は公表されていますか?

いいえ。詳細は非公開で、画像や映像からの考察を含む。正確でない場合がある。

Q. 関連パーツはどこで探せますか?

当店では、QDCサイレンサー、スカウトライト系、PMAG Windowなどを扱っている。本文のリンクからご覧いただける。

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