システマパーツとの相性は?調整は必要?HTGベーシック トレポン ギアボックスの組込みとテスト運用
HTGベーシックのトレポン ギアボックスを、実際に組み込んで検証しました。組込みの手順から運用後のギアの状態まで、順に紹介します。
なお、トレポンはシステマ製PTWの通称として知られています。そのため、比較の基準は従来型ギアボックス(MAX2)です。
また、組込みで苦労した点も正直に書きました。特に、トリガー、ピニオンギア、シムの3点は要チェックです。
トレポンカテゴリーのカスタムパーツブランドとして彗星の如く現れたHTGベーシック。既に電動ガン用パーツで実績があることを考えれば「トレポンカテゴリーにも参入した」と言う方が正しいでしょうか。無限ブラシレスモーターを皮切りに、基板セットや当記事で紹介する「HTGベーシック トレポン ギアボックス」までリリースされたことでロア内部パーツの一式が揃い、バリューキット3の生産終了で意気消沈していた従来型トレポンユーザーに一筋の光が差しました。
この記事で検証すること
まず、HTGベーシックのギアボックス全体の外観です。アルマイト処理されたCNC成形のケースが特長です。
PTW INFINITYやMONSTERの登場で従来型ギアボックス(MAX2)は収束してしまうのでは?!という恐れがありましたが、HTGベーシックのギアボックスはそんな従来型トレポンの救世主となるのでしょうか?その全容を実際に組込みや運用を通して検証・紹介していきたいと思います!
そこで本記事では、組込み作業と運用の両面から確かめます。なお、検証は筆者のトレポンで行いました。
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HTGベーシック CNCギアボックス PTW/トレポン用
なお、価格や在庫は変動します。最新の情報は商品ページでご確認ください。
この記事でわかること
- パッケージの内容と、別途必要なパーツ。
- ギアケースとギアの仕様、システマ製との違い。
- 組立ての手順と、トリガーの調整方法。
- ロアレシーバーへの組込みと、ピニオンの調整。
- 運用後のギアの状態と、シム調整の必要性。
HTGベーシックの要点まとめ
まず結論からお伝えします。品質の高さは、組込みと運用の両方で確認できました。ただし、注意したい点が3つあります。
- ギアケースはA7075アルミ合金のCNC成形で、個体差が少ない設計です。
- ギアはSUS420ステンレス製で、硬度はHRC40~45です。
- ベベルギアとピニオンギアはスパイラル型で、システマ製とは互換性がありません。
- 気を付ける点は、トリガーの可動域、ピニオンの高さ、シムの3点です。
- ポン付けのキットではないため、分解とグリスアップが前提です。
HTGベーシック トレポン ギアボックスのオススメポイント・注意ポイント
このギアボックスについては語るべき点が多く、かなり長い記事になってしましました。メリット・デメリットなど要点をここにまとめつつ、詳細はページ内リンクに移動してご覧いただければと思います。
つまり、この記事は組込み作業のガイドとしても使えます。気になる項目だけ先に読んでも大丈夫です。
そのため、全体像を先に把握しておくと便利です。
パッケージとギアケースの評価
パッケージ内容
【メリット】オールインワンパッケージで必要なパーツが全て揃っている
【デメリット】組替え前提のキットなので新規で組むには別途必要なパーツあり
ギアケースの仕様
【メリット】将来的な破損リスクを抑えた作業者目線の設計
【デメリット】特になし
ギアボックス内部と組立ての評価
ギアボックス内部の仕様
・ギアの仕様
・トリガーロック
【メリット】サンギアの負荷を軽減するプレートを新設
【メリット】ストレスフリーなトリガーロック
【デメリット】スパイラル型ピニオンギアの調整が難しい
HTGギアボックスの組立て
・トリガーと検知基板の確認
・トリガーの調整①:トリガーとスイッチが干渉する場合
・トリガーの調整②:トリガーがスイッチを押せていない場合
・トリガーの調整③:注意点
・ギアの組込み
・トリガーの組込み
【メリット】トレポンをいじれる人なら直観的に作業可能
【デメリット】調整機構付きトリガーは要注意
ロアへの組込みと運用の評価
ロアレシーバーへの組込み
・検知基板と配線
・セレクターの取付け
・スパイラル・ピニオンギアのセッティング
【メリット】成形精度が高くレシーバーへの脱着が楽
【デメリット】アンビセレクターとピニオンの調整が面倒なのは相変わらず
HTGベーシックのギアボックスの運用
・使用感
・ギアの耐久性
・シム調整の必要性
体感的な性能向上はないが…違和感のない使い勝手は精度の高さの証し
以上が、各項目の結論をまとめた一覧です。なお、詳細はページ内リンクから確認できます。
HTGベーシックのトレポン用パーツ展開
HTGベーシックは、電動ガン用パーツで実績のあるブランドです。つまり、トレポンカテゴリーへの参入と見るのが適切です。
これまでに、無限ブラシレスモーターと基板セットが登場しました。そして、今回のギアボックスで、ロア内部パーツの一式が揃いました。
なお、従来型トレポンのバリューキット3は生産終了となっています。そのため、選択肢が増えたことは心強い動きです。
ちなみに、PTW INFINITYやMONSTERの登場で、従来型の行く末を心配する声がありました。そこで、HTGベーシックのギアボックスが、従来型の支えになるのか注目されます。
トレポンのギアボックスの基礎知識
システマ製PTWのギアボックスは、プラネタリーギアを使う構造です。つまり、サンギアを中心に、複数のギアが回る仕組みです。
また、モーターの回転は、ピニオンギアからベベルギアへ伝わります。その力が、セクターギアを経て、ピストンを動かします。
さらに、トレポンは検知基板で動作を制御する電動ガンです。そのため、ギアボックスは基板との位置関係も重要です。
つまり、ギアボックスの組替えは、ギアだけの話ではありません。特に、トリガーと基板の当たりまで確認が必要です。
組込み前に準備するもの
まず、作業前に必要な道具と消耗品を揃えましょう。なお、新規で組む方は、不足パーツの確認も必要です。
- T10規格のトルクスレンチ。
- ギア用のグリスと、塗るための筆。
- ネジ止め剤(ロックタイトの青)。
- トリガー調整用のヤスリとアルミテープ。
- 必要に応じて、接着剤とシム。
- 検知基板、トリガー、セレクター周りのパーツ。
組込みから運用までの流れ
次に、作業全体の流れを確認しておきましょう。つまり、手順を知っておけば、迷いにくくなります。
- 仮組みのギアボックスを、すべて分解します。
- ケースと検知基板、トリガーの当たりを確認します。
- 必要に応じて、トリガーを調整します。
- グリスアップして、ギアを組み込みます。
- ロアレシーバーへ固定し、セレクターを付けます。
- スパイラルピニオンの高さを調整します。
- 運用後に、ギアとシムの状態を点検します。
パッケージ内容
まず、パッケージの中身を確認しましょう。HTGベーシック トレポン ギアボックスは、組替え用のアセンブリです。つまり、新規で組む場合は追加パーツが必要です。
HTGベーシックのトレポン用ギアボックスは、ギアケースの中にギアやシャフト、シムも組まれているアセンブリとなっています。検知基板や後方基板は別途リリースされているのでよしとして、トリガーやセレクター周りのパーツもないので(セレクター基板を除く)、組替えの場合はパーツの移植が、新規で組む場合は別途用意する必要があります。
特に、新規で組む方は、足りないパーツのリストアップから始めましょう。
またトリガーが組まれていないので、必ずギアケースを開ける必要があります。ポン付けするキットではないので、ギアボックスの分解や調整に自信がない方は当記事を参考にしていただくか、当店をはじめとしたトレポン取扱いショップに組込みをご依頼ください。
なお、トリガーやセレクター周りのパーツは付属しません。そのため、手持ちのパーツを事前に確認しておきましょう。
それではまず、HTGベーシック トレポン ギアボックスのパッケージ内容を見ていきましょう。
ギアボックスアセンブリの中身
ギアボックスアセンブリ(仮組み済)
- ギアボックスシェル(ギアケース)
- ギアセット
ベベルギア
スパー/サンギア
プラネタリーギア
セクターギア
アンビセレクターギア(セレクタージョイントギア) - トリガーロック
ここまでが、仮組み済みのギアボックスアセンブリです。ただし、トリガーとセレクター周りのパーツは含まれません。また、ギアやシムは仮組みの状態です。そのため、組込み前に一度分解します。
付属品
- アンビセレクターセットプレート
- セレクタースイッチ基板(システマ互換コネクタ)
- スパイラルピニオンギア
- ピニオンギア固定イモネジ×2
- イモネジ用レンチ
付属品には、スパイラルピニオンギアが含まれます。また、固定用のイモネジとレンチも入っています。さらに、システマ互換コネクタのスイッチ基板が付きます。
付属品の使い方と注意点
上の写真が、付属品の一式です。特に、ピニオンギアとスイッチ基板は、必ず付属品を使います。なぜなら、システマ製とは形状が異なるためです。
組替えであれば、このギアボックスと付属品の一式で従来型トレポンのギアボックスを丸ごと入れ替えることができます。ただしピニオンギアとスイッチ基板(セレクター基板)も付属品に交換する必要があるのでご注意を。ここにはシステマ準拠のパーツを流用できません。詳細は後ほど解説します。
つまり、組替えでは3点の交換が必要です。ギアボックス本体、ピニオンギア、スイッチ基板の3点です。
付属品と別途必要なパーツ一覧
まず、付属品と別途必要なパーツを整理します。つまり、組替えと新規で用意するものが変わります。
| 区分 | パーツ | 備考 |
|---|---|---|
| 付属 | スパイラルピニオンギア | 必ず使用 |
| 付属 | スイッチ基板 | HTGベーシック製が必須 |
| 付属 | イモネジ2本とレンチ | ピニオン固定用 |
| 別途 | トリガーとスプリング | 移植か新規で用意 |
| 別途 | セレクターとラックギア | 移植か新規で用意 |
| 別途 | クリックボールとスプリング | 移植か新規で用意 |
| 別途 | レシーバー固定ネジ | 元のネジを流用 |
※検知基板も別売りです。なお、システマSECUも使用できます。
HTGベーシックのギアボックス仕様早見表
ここまでの内容を、表にまとめました。なお、出典は販売店の掲載情報と筆者の確認です。
| 項目 | 内容 | 出典・備考 |
|---|---|---|
| ギアケース | A7075アルミ合金・CNC成形 | 販売店・筆者確認 |
| ギア素材 | SUS420ステンレス・HRC40~45 | 販売店・レビュー |
| ベベル・ピニオン | スパイラル型 | システマ製は不可 |
| 固定リング | 左右に割れない輪の形状 | レビュー・筆者確認 |
| 閉じるネジ | T10トルクス・4本 | 筆者確認 |
| 付属品 | 基板・ピニオン・イモネジ・レンチ | 筆者確認 |
| 非付属 | トリガー・セレクター・ラック等 | 筆者確認 |
| 重量 | 115g(システマ製は192g) | 当記事の比較値 |
※価格は販売店ごとに異なるため、掲載を見送りました。また、全長などの寸法も未確認のため載せていません。
ギアケースの仕様
ギアケースは、この製品の最大の特徴です。まず、素材と軽さから見ていきます。
ギアケースはA7075アルミ合金をCNCマシニングセンタで成形しており、従来品に多い鋳型成形より個体差が少なく品質が安定しています。
ちなみに、A7075は、高強度なアルミ合金として知られています。
ギアボックス全体の重量は115g(同条件比較のためシステマ製トリガーとトリガースプリング重量も加算)で、システマ製の192gと比べかなり軽量です。
なお、この重量は、トリガーとスプリングを含めた比較値です。そのため、同じ条件で比べた数値といえます。つまり、約77g軽い計算です。
また、CNC成形は、鋳型成形より個体差が出にくい加工です。そのため、品質が安定しやすいのが利点です。
固定リングが輪になった設計
ギアケースだけを見ても優れた設計が複数見られます。1つはレシーバーに固定するための前後のリング(ネジの通し穴)。HTGベーシックのギアケースはシステマと同じ左右分割のモナカ構造ですが、固定リングは左右に割れずケースの片側に依存する形になっています。
特に、システマ製との違いが大きいのが、この固定リングです。
システマのギアケースは固定リングがセパレートするため、レシーバー固定ネジを締めすぎると左右に広がり変形してしまうのがネックです。何回も着脱を繰り返すと金属疲労で折れる事もあります。
一方、HTGベーシックは、リングが輪の状態で成形されています。つまり、変形の心配が少ない構造です。
実際、筆者のトレポンのギアボックスは、長年に渡る運用で固定リングが一箇所折れています。残った片割れでギリギリ固定していますが、本来であれば交換した方が良い状況です。
実際、固定リングの破損は起こりうるトラブルです。そのため、輪の形状は心強い改善です。
上の写真が、固定リングの様子です。特に、リングが一体になっている点に注目してください。
ネジ止め剤で緩みを防ぐ
HTGベーシックのギアケースの固定リングは輪の状態で成形されているので、変形の心配がありません。カスタムショップとしては非常にありがたい仕様です!
また、組替えを繰り返す現場では、この設計が特に役立ちます。
つまり、カスタムショップにとって扱いやすい仕様です。
ただし、レシーバー固定ネジに全くテンションを掛けらないため緩みやすいことが想定されます。システマ製ギアボックスでも必須ではありますが、ネジ止め剤の塗布は必ずしましょう。
なお、ロックタイトは青色を使うのが目安です。さらに、前側のネジは念入りに固定しましょう。
ボルトストップスイッチのスリット
また、左右のセパレートラインの改善は他にもあります。検知基板のボルトストップスイッチを通すスリットも、ギアボックスを開けた時に左右に分かれる様に変更されています。
次に、検知基板まわりの改善点です。
システマ製のギアケースは右側にスリットのまま残るため、検知基板を仮組みしたままケースを開けた時、誤った方向に基板を外そうとして破損するリスクがあります。
HTGベーシックのギアボックスは、作業者に寄り添った設計が好印象です。
つまり、分解時に基板を壊しにくい構造です。そのため、作業者に優しい設計といえます。
写真のスリットが、左右に分かれる部分です。また、基板の向きも判断しやすくなります。
スイッチ基板の取付けと互換性
スイッチ基板(セレクターボード)はシステマ製と同じ配置ですが、基板をセットする窪みの下側がシステマではオープンなのに対し、HTGベーシックでは壁を設けてあります。そのためシステマのスイッチ基板は取付出来ません。HTGベーシックのスイッチ基板の使用が必須です。ただしスイッチケーブルのコネクターはシステマと共通なので、検知基板はシステマSECUの使用が可能。幅広い組替え条件に対応しているので安心です。
まず、システマ製のスイッチ基板は取り付けられません。一方、コネクターは共通です。そのため、検知基板はシステマSECUも使えます。つまり、組替えの条件に幅がある設計です。
写真は、HTGベーシックのスイッチ基板です。また、基板の下側に壁があるのが分かります。
スイッチ配線の断線対策
HTGベーシックの電子トリガーの記事でも紹介しましたが、このセレクター基板は良く考えられた設計になっています。そしてギアボックス側にも、既存の問題点を踏まえた改善が見られます。それがスイッチ配線の断線対策。
ここでは、ギアボックス側の工夫を見ていきます。
システマのギアボックスはスイッチ基板の窪みと配線が通る溝の段差が直角で、この角でケーブルが断線してしまう場合があります。HTGベーシックのギアボックスはここをスロープにしてあるので断線のリスクが少なくなっています。
つまり、ケーブルへのストレスを減らす工夫です。
スイッチ基板の工夫と併せ、折れやすい配線のハンダ部分に曲げ方向の力が掛かりにくくなっています。
そのため、長く使っても配線のトラブルが起きにくくなります。
写真では、段差がなだらかなスロープになっています。特に、配線の曲がりが緩やかな点がポイントです。
ギアボックスの厚みと精度
ギアボックスの厚みはシステマより0.1mm程度薄くロアレシーバーにすんなり収まりやすいですが、かといってガタもありません。鋳造でありがちな歪みもなくどこを測っても一定の厚みなので、そのことも関係していると思います。
なお、厚みの差は0.1mm程度です。それでも、レシーバーへの収まりは変わってきます。
レシーバーに好みの刻印を入れてコーティングもした場合、塗膜の厚みで内幅が狭まりギアボックスがキツくなるケースがありますが、HTGベーシックのギアボックスならそのリスクも小さそうです。
特に、コーティング済みのレシーバーでは差が出やすいです。つまり、仕上げにこだわる方にも向いた設計です。
システマ製ギアケースとの違い早見表
ここまでのギアケースの違いを、表で整理します。なお、システマ製は従来型ギアボックス(MAX2)との比較です。
| 項目 | HTGベーシック | システマ製 |
|---|---|---|
| ギアケース | A7075のCNC成形 | 鋳型成形 |
| 重量(トリガー等込み) | 115g | 192g |
| 固定リング | 輪の状態 | 左右に分割 |
| 閉じるネジ | 4本(トルクス) | 1本多い |
| ボルトストップのスリット | 左右に分かれる | 右側に残る |
| スイッチ基板の窪み | 下側に壁がある | 下側がオープン |
| 配線の溝 | スロープ | 直角の段差 |
※数値は、筆者が同条件で比較した結果です。また、表は従来型ギアボックス(MAX2)との比較に限っています。
ギアケースの仕様のおさらい
ギアケースの要点を、改めて整理します。つまり、作業者目線の改善が随所にあります。
- A7075アルミ合金のCNC成形で、個体差が少ないです。
- 固定リングが輪の状態で、変形の心配がありません。
- スリットとスロープで、基板と配線を守ります。
- ただし、スイッチ基板はHTGベーシック製が必須です。
ギアボックス内部の仕様
続いて、ギアボックス内部の構造を確認します。特に、システマ製との違いに注目しましょう。
続いてギアボックス内部を確認していきます。HTGベーシックのギアボックスは前述の通り、トリガーとトリガースプリング、セレクター、セレクターラックギア、セレクター・クリックボール、セレクター・クリックボール・スプリングは付属していません。お手持ちのトレポンから移植するか、別途用意する必要があります。
つまり、別途用意が必要なパーツがあります。対象は、トリガー、セレクター、ラックギア、クリックボールなどです。
グリスアップと閉じるネジ
また、内部は品質保持のためのオイルが少量塗布されているだけなのでグリスアップも必須です。箱出しの状態はあくまで仮組みとお考え下さい。
また、グリスアップは組込み前に必ず行いましょう。
ギアボックスを閉じるネジはシステマより1本少ない4本に。ギアケースをA7075素材としたことで強度上不要と判断したのでしょうか。その分、トルクスネジとなっているのでしっかりと締め込めます。レンチは付属していないのでT10規格のトルクスレンチをご用意ください。
そのため、T10のトルクスレンチを用意しましょう。なお、ネジが少ないのは、素材を変えた影響かもしれません。これは筆者の推測です。
写真は、T10トルクスのネジです。
こちらは、ギアボックス内部の様子です。また、左右のケースの構成も確認できます。
プラネタリーギアを支えるプレート
HTGベーシックの工夫はギアボックス内部にも見られます。ベアリングプレートの代わりに、プラネタリーギアのシャフトを支えるプレートが別体パーツとしてギアケースで挟んで固定されています。
つまり、ギアへの負担を減らす設計です。
システマのプラネタリーギアはベアリングプレートを介してサンギアで支えているので、ギアへの負荷やギア歯へのダメージの有無を考えれば、HTGベーシックの方が理にかなっています。
さらに、サンギアへの負荷も軽くなります。
更に、システマ製ギアボックスではプラネタリーギアの軸の向き(ベアリングを避けるための軸の切り欠きの向き)を合わせる必要がありますが、HTGベーシックはその作業が不要なので楽ちん。
そのため、組立て時のミスも起きにくくなります。
このプレートは独自の設計となりますが、ギアの配置等はシステマと全く同じ構成になっています。
つまり、プレート以外の構成はシステマ製と同じです。そのため、基本的な組立て方は変わりません。
写真のプレートが、プラネタリーギアの軸を支える部品です。
ギアの仕様
まず、ギアの素材と硬度を確認します。
ギアの素材はSUS420ステンレスで、耐摩耗性と高強度が特長。HRC40~45と中硬度に調質されており、ギアとしては少々硬めに分類される素材です。ギアケースがダイキャストより硬いので、それに付随してギアも強度アップできたのでしょう。余談ですが、SUS420はステンレスとはいえ磁性があり磁石に付きます。
つまり、強度と耐久性を重視した素材です。また、HRC40~45は中硬度の調質です。ちなみに、磁石に付くのは磁性があるためです。
写真は、ステンレス製のギア一式です。なお、すべてCNCで成形されています。
システマ製ギアとの互換性
ギアも全てCNC成形で、精度も申し分なさそうです。各ギアの外径、厚み、シャフト径はシステマとほぼ同じでした。システマ製ギアに一式入れ替えてギアケースを閉じてみましたが、スムーズに良く回ります。
実際、システマ製ギアと入れ替えても、スムーズに回りました。
メーカー保証外となりますしオススメはしませんが、歯数も全く同じなので部分的にギアを入れ替えても問題は無さそうです。ただし…
そのため、部分的な入れ替えは保証外です。
こちらは、システマ製ギアとの比較写真です。つまり、サイズ感がほぼ同じだと分かります。
唯一の違いはスパイラル形状
多少デザインの差はあるものの基本的に共通サイズとなるHTGベーシックのギアですが、唯一、システマと互換性の無い部分があります。それがベベルギアとモーターピニオンギアです。この2つが噛み合う部分にはスパイラルギア(歯スジがねじれ角になっている)が採用されています。
唯一の違いは、スパイラル形状の歯です。具体的には、ベベルギアとピニオンギアの2点です。つまり、他のギアは共通サイズです。
システマのベベルとピニオンはストレートギアなので、HTGギアボックスに組み替える際はモーターピニオンギアも付属品に交換することをお忘れなく。
そのため、組替えではピニオンも交換します。なお、システマ製のピニオンは使えません。
モーターのピニオンギアについて
もしHTGベーシックのトレポン用無限ブラシレスモーターをお持ちであれば、モーターに付属しているスパイラルピニオンギアを使用しても問題ありません。
また、無限ブラシレスモーターの付属ピニオンも使えます。
写真のように、スパイラル形状は歯筋がねじれています。一方、ストレートギアは歯筋がまっすぐです。
スパイラルギアは、ギアの配置と角度がバッチリ決まれば動きが滑らかで駆動も静かと優秀なギアです。しかし、少しでもズレがあるとかえって異音が出たり片減りしたり、ストレートギアよりもピニオンの高さ調整がシビアです。詳細は組込みの項目で解説しますが注意が必要です。
スパイラルギアは、複数の歯が同時に噛み合う構造です。そのため、滑らかで静かになりやすいです。一方、ズレがあると、異音や片減りの原因になります。
トリガーロック
続いて、トリガーロックの仕様です。
トレポンはセレクターがセーフポジションの時、スイッチ基板によりモーターの通電がカットされていますが、物理的にもトリガースイッチが押せない様にトリガーロックが設置され、二重の安全対策が取られています。
つまり、電気と物理の二重の安全対策です。
トリガーロックはセレクターラックギアとトリガーの間に介在する小さなパーツですが、HTGベーシックのギアボックスはここにも工夫が見られます。
なお、トリガーロックは小さな部品です。
写真は、ギアボックス内のトリガーロックです。
トリガーロックの隙間確保
トリガーロックはスプリングで下方向のテンションを掛けられていますが、トリガーを組込む時にトリガーロックの下にトリガーのブレードを差し込む必要があるため、隙間を空けておく必要があります。
つまり、隙間を空けておく工夫が必要な部品です。
システマもギアケース内の段差にトリガーロックを引っ掛けて隙間を作れる様になってはいますが、段差が非常に浅いので作業中に外れることがよくあります。トリガーの組込みはスプリングのテンションと戦いながら軸をセットする中々しんどい作業なので、これがかなりストレスになります。
実際、段差が浅く、作業中に外れやすいのが難点です。
HTGベーシックのトリガーロックは下面に突起が設けてあり、常に隙間がキープされトリガーの組込みが非常に楽です。本製品は必ずトリガーの組込みが必要になるので、こういった配慮はとてもありがたいですね。
そのため、トリガーの組込みがぐっと楽になります。特に、トリガーの組込みが必須の本製品では助かる配慮です。
写真の突起が、隙間をキープするポイントです。
ギアボックス内部の仕様のおさらい
続いて、内部の仕様を整理します。なお、ギアの配置はシステマ製と同じです。
- プラネタリーギアを支える別体プレートが付きます。
- ギアはSUS420ステンレスで、硬度はHRC40~45です。
- ベベルとピニオンはスパイラル型で、互換性がありません。
- トリガーロックは、隙間が保たれる形状です。
HTGベーシック トレポン ギアボックスの組立て
ここからは、組立ての手順を順に解説します。なお、基本は従来のギアボックスと同じです。そのため、MAX2の組込み経験があれば迷いません。
ここからは実際に組込み作業を進めながら手順や注意点について解説しますが、基本的に従来品と変りません。気を付けるべきポイントや独自設計の部分を中心に説明していきます。ご自身で組込みを行う方は是非ご一読ください。
また、作業前に工具を用意しましょう。T10のトルクスレンチ、グリス、筆が基本です。
なお、組立ての流れは、通常のオーバーホールに近いです。そのため、焦らず1工程ずつ進めましょう。
トリガーと検知基板の確認
最初のステップは、トリガーと検知基板の確認です。なぜなら、ここでの調整が動作の安定を左右するためです。
なお、新品のギアボックスでも、この確認は省略できません。
トレポンは、検知基板上のマイクロスイッチをトリガーで押して通電し、モーターを回転させます。しかし、トリガーレバーのストロークに対しギアケース内部のスイッチ押下部の可動量は実に僅かで、検知基板との位置関係やパーツが入れ替わるだけでスイッチとの当たり具合が変わってきます。トリガーのスイッチ押下部の長さが0.1mm変わるだけでも、スイッチを押せたり押せなくなったりします。
つまり、わずかな寸法差が動作に直結します。特に、0.1mmの違いで、スイッチの入りが変わります。
写真は、トレポンのトリガーストロークの様子です。また、スイッチ押下部との関係も確認できます。
トリガー、検知基板、ギアケースのうちどれか1つでも交換する場合や、新規でギアボックスを組込む時も、本製品に限らずトリガーと検知基板のバランスを確認しておきましょう。
そのため、パーツを1つでも替えたら必ず確認しましょう。
分解とシムの保管
繰り返しとなりますが、HTGベーシックのギアボックスは箱出しでは仮組みの状態なので全てバラし、あとで組込む前にグリスアップを行います。シムは自身で調整する場合を除き、どこにどのシムが何枚入っていたのか、組み立てる時に分かる様に保管してください。
特に、シムの枚数と位置は、メモしておきましょう。そのため、写真を撮っておくのも有効です。
ギアやトリガーロックも全て取り出したら一旦ギアケースだけで左右を組み(ネジは締めなくてOK)、検知基板を差し込んでケースと当たる部分がないか確認します。これをしておくことで、一番肝心のトリガーとマイクロスイッチ干渉の有無が判断しやすくなります。この段階では、ボルトストップスイッチやケーブルソケットがケースと多少擦れるくらいなら特に問題はありません。
つまり、ケースだけの状態で干渉の有無を見ます。ここで当たりを見つけておくと、後の作業が楽です。
なお、このチェックは、本番の組込み前に必ず行います。
写真は、検知基板をケースに差し込んだ様子です。また、基板とケースの隙間も確認できます。
光学センサーの脚とケースの絶縁
極稀にある例として、光学センサー裏の脚やハンダがケースと干渉する場合があります。万が一ここがギアケースに当たる場合はニッパーやヤスリで平らに整えましょう。
つまり、基板の脚やハンダの高さが原因になります。
HTGベーシックのギアケースはアルマイトで絶縁されていますが、コーティングが剥がれれば地金のアルミで無用な導電が起きかねません。他のハンダも含めて、回路とギアケースが接触することがない様、よく確認を行いましょう。まぁ…滅多にないとは思いますが。
そのため、通電部分とケースの接触は避けましょう。
写真は、光学センサーの脚をカットした例です。つまり、脚を短くして干渉を避けています。
トリガーだけをセットして確認する
ギアケースと検知基板の当たり具合を確認したら、次はギアケースにトリガーのみをセットし、再び検知基板を差し込みます。スプリングをセットしてないので、トリガーが動かないよう前側に押し付けながら行ってください。
次に、トリガーとスイッチの当たりを見ます。なお、ここでスプリングは付けません。
写真のように、トリガーを前側へ押し付けながら差し込みます。
この時、検知基板のみで確認した当たり以外で引っ掛かりを感じる場合、ケースと基板の隙間からトリガーとスイッチの当たり具合を目視で確認します。
そのため、目視で当たり具合を確認できます。
干渉を見逃さないためのチェック
このチェックは結構重要で、組込みの本番でトリガーとマイクロスイッチの干渉に気付かず無理に押し込むと、最悪の場合検知基板が破損しかねません。この段階で干渉の有無を確認しておき、状況に応じて次項「トリガーの調整①:トリガーとスイッチが干渉する場合」を参考に対策をしておきましょう。
つまり、無理に押し込むのは禁物です。実際、基板の破損につながります。
逆にスムーズに検知基板を差し込めた場合は、トリガーを前後させてスイッチが押せているかを確認します。スプリングを付けずにトリガーのみをセットしたのはこのため。トリガーにテンションが掛かっていない方が、スイッチを押せている感覚が分かりやすいです。
さらに、スプリングなしの方が、スイッチの感触が分かります。
また、検知基板の脚の高さも、同時に確認します。
ちなみに今回の組込みではHTGベーシックの検知基板を使用しました。トリガーはシステマ製でもFCC製でも、マイクロスイッチとの干渉はありませんでした。どちらかというとクリアランスが大きく、システマ製トリガーではスイッチを押すまでの遊びが大きい感じ。FCC製トリガーはスイッチには届くものの押すことはできませんでした。
つまり、HTGベーシックの検知基板では、干渉は見られませんでした。一方、FCC製トリガーはスイッチに届くだけでした。そのため、次項で対策を解説します。
トリガーの調整①:トリガーとスイッチが干渉する場合
干渉の対処は、トリガーを削る方法しかありません。まず、干渉が起きる条件を整理します。
HTGベーシックのギアボックスはクリアランスを大きめにとっている様なので必要ないかもしれませんが、念のためトリガーとスイッチが干渉する場合の調整方法について解説します。
実際には、この調整が不要な場合も多そうです。
つまり、削る作業は、干渉がある場合だけで十分です。
トリガーとスイッチの干渉を解消するためには、トリガーのスイッチ押下面をヤスリで削るしかありません。しかし前述した通りここの長さは0.1mm変わるだけでスイッチを押せる押せないが変わってきます。慎重に行うことをオススメします。元々の面と平行に、薄~く削ってはチェックを繰り返し、徐々に徐々に高さを落としていきます。
つまり、少しずつ削っては確認する手順が基本です。また、元の面と平行に削るのが重要です。
トリガーとマイクロスイッチが触れるも、引っ掛からずに押し込めるくらいが適正です。
なお、これが適正な当たり具合の目安です。
写真は、スイッチ押下面の例です。この面を、ヤスリで慎重に整えます。
削り過ぎた時のフォロー
削り過ぎてしまっても、次項の様にアルミテープや接着剤を盛ってフォローはできるので心配ないと言えばその通りなんですが…。トリガーストロークなどこだわって微調整する場合、バランスが崩れて収拾がつかなくなる恐れもあるので、可能な限りデフォルトの角度と平面をキープする様にしてください。
そのため、デフォルトの形状をなるべく残しましょう。特に、トリガーストロークにこだわる方は要注意です。
トリガーの調整②:トリガーがスイッチを押せていない場合
反対に、スイッチを押せない場合の対処です。
トリガーがマイクロスイッチを押せない場合は、トリガーのスイッチ押下部に嵩増しを行ってスイッチとの距離を詰めます。HTGベーシックのギアケースではこのパターンが多いかもしれません。
つまり、押下部に厚みを足して距離を詰めます。
オススメの素材はアルミテープ。厚みや貼る枚数によって微調整が効くほか、元の面と平行に嵩増しができます。また上下回り込む様に貼ることで、検知基板セット時や運用中に剥がれる危険が少なくなります。接着剤も併用してしっかり貼り付けると良いでしょう。
なお、アルミテープは厚みの調整が簡単です。さらに、貼り方次第で剥がれにくくなります。
写真は、アルミテープを貼ったトリガーです。このように、上下に回り込ませて貼ります。
先程のチェックでマイクロスイッチを押せなかったFCC製トリガーですが、0.1mm厚のアルミテープを1枚貼るだけで無事押せる様になりました。マイクロスイッチって繊細過ぎる…。
つまり、0.1mm厚のテープ1枚で解決しました。ただし、結果はトリガーと基板の組合せで変わります。
トリガーの調整③:注意点
ここは、組込みで最も注意すべきポイントです。
HTGベーシックのギアボックスでは、使用するトリガーによって注意しなければならないポイントがあります。FCCに代表されるストローク調整が可能なトリガーを用いる場合です。
つまり、トリガー側の設定が重要になります。
特に、FCC製のように調整機構が付いたトリガーでは要注意です。
FCC製のトレポン用トリガーは、イモネジでオーバートラベル(発射後、更にトリガーを引き切るまでの遊び)を調整できる様になっています。このイモネジを外したり、極端に出代を短くするのはNGです。
そのため、イモネジは外さず、必要な出代を残します。
写真は、FCC製トリガーのオーバートラベル調整部です。
ケース側にストッパーがない設計
HTGベーシックのギアケースには、トリガーの引き過ぎを物理的に止める術がありません。トリガーの可動域は、完全にトリガーパーツ側に依存している設計となります。
つまり、可動域の管理はトリガー側の役目です。
FCC製トリガーの様にオーバートラベルを調整できる場合、セッティングを誤るとトリガーが引け過ぎてしまい、ギアボックス内部でトリガーの上面とセクターギアが干渉します。(※私は身をもって体験しました💦)
実際、設定を誤ると、上面とセクターギアが干渉する恐れがあります。
写真は、注意すべき箇所を示したものです。
システマ製トリガーでは起きない現象
システマのギアボックスではケース側でもトリガーの動きを制限しているため、この様なことは起こりません。しかし、HTGベーシックのギアボックスは意図的な設計なのか、トリガーのスペースを大きく取っています。そのため、トリガー側で必要最低限の可動範囲に抑えておく必要があります。自由度が高いのも考えものです。
そのため、HTGベーシックでは、トリガー側の確認が重要です。
写真は、両者のトリガー可動範囲を比べたものです。つまり、HTGベーシックはスペースが広い設計です。
HTGベーシックはどういった意図でトリガーのスペースを広げているのでしょうかね…。本製品で唯一、理解に苦しむポイントです。ちなみに無加工のシステマ製トリガーではセクターギアとの干渉は発生しませんでした。
なお、無加工のシステマ製トリガーなら問題ありません。
将来的に専用のトリガーをリリースするのでしょうか?どちらにしろ、現時点ではシステマに準拠した設計以外のトリガーを組込む場合は要注意です。どうしてもオーバートラベルを大きく取りたい場合は、トリガーの上面を削って薄くしてください。
もし大きくオーバートラベルを取りたいなら、上面を削ります。ただし、削り過ぎには注意しましょう。
写真は、削る部分の目安です。そのため、ここだけを薄く整えます。
ギアの組込み
続いて、ギアの組込みです。なお、作業自体はMAX2とほぼ同じです。
トリガー周りの調整が完了したらギアボックスを組立てていきましょう。作業自体はMAX2とさほど違いはありません。バラしたギアやそれらと接触するパーツ・部位を全てグリスアップして、順番にギアケースにセットしていきましょう。
つまり、特別な工程はありません。ただし、全ての接触部のグリスアップが必須です。
さらに、ギアの当たり面は、特に丁寧に塗ります。
宣伝を挟ませていただきますが、今回はORGAのエアガン用ケミカルシリーズPROLUBEから、ギア用極圧グリスのMESEL DPを使用しました。
ちなみに、PROLUBEはORGAのケミカルシリーズです。
シムはデフォルトのまま組む
本来であればケースやギアのクリアランスを見てシム調整をするのがベストですが、メーカー出荷時のシム枚数も無作為ではないと信じて、今回は敢えてデフォルトのままで進めていきます。
つまり、シム調整はせず、出荷時の状態でテストしました。もちろん、本来はクリアランスの確認がベストです。
グリスアップと組む順番
グリスアップはコツという程のものはありませんが、筆を使ってギア全体やシャフト、シム、トリガーロック、プレートやギアケース内側にも薄く塗っていってください。HTGベーシックの検知基板を使用する場合は特に問題ありませんが、システマの検知基板を使用する場合は、セクターギアの検知穴にグリスが詰まっていないかも確認してください。
グリスは、筆で薄く塗るのがコツです。また、塗り忘れの多い場所に注意しましょう。具体的には、シムやプレートの接触面です。さらに、システマの基板を使う場合は検知穴を確認します。
ちなみに、グリスは薄く均一に塗るのが基本です。
ギアやトリガーなど組む順序はお好みでといったところですが、トリガーロックだけは最初に組んでおきましょう。インターナルセクターシム(4つ穴のシム)の下に入るパーツなので、忘れてしまうと後々面倒です。また、インターナルセクターシム(4つ穴のシム)をセットする前に、サンギアシャフトを受けるベアリングのセットも忘れずに。
なお、トリガーロックは最初に組みます。なぜなら、インターナルセクターシムの下に入る部品だからです。さらに、サンギアシャフトのベアリングも忘れずに。
プラネタリーギアの遊び
しかし途中まで組んだところで、プラネタリーギアの左右にそこそこ遊びがあるのが気になってしまいました。今回はテストを兼ねてこのままで組んでいきます。気になる方はプレートとの間にシムを追加しても良いでしょう。
実際、プラネタリーギアの左右には遊びがありました。そのため、気になる方はシムを追加しましょう。
写真は、プラネタリーギアのクリアランスです。この遊びが、後の運用結果に関わってきます。
トリガーの組み込み
次に、トリガーの組込みです。
トリガーの組込みについては、HTGベーシックのトリガーロックは隙間がしっかり確保されるので本当にストレスフリー。トリガーはスプリングを差す穴やスプリング自体にも軽くグリスを塗っておくと、スプリングが途中で落下せず作業しやすくなります。
つまり、トリガーロックの突起が効いています。
ギアケースを閉じてネジを締め込んだあとは、「トリガーの調整③:注意点」の対策がバッチリか改めて確認してください。トリガーを目一杯引いた状態でギアがスムーズに回転すれば、ギアボックスの組立ては完了です。
そのため、最後に動作確認を丁寧に行いましょう。特に、トリガーを引き切った状態で確認します。
組立てのおさらい
組立ての要点も、まとめておきます。つまり、確認と調整が作業の中心です。
- 検知基板とケースの当たりを、先に確認します。
- トリガーの干渉は削り、不足はアルミテープで補います。
- 調整式トリガーは、オーバートラベルを残しすぎません。
- グリスアップは、筆で薄く全体に塗ります。
組込み後の動作確認ポイント
組立てが終わったら、動作を確認しましょう。つまり、ここでの確認が、運用後のトラブルを防ぎます。
- トリガーを目一杯引いて、ギアがスムーズに回るか。
- セレクターの各ポジションで、正しく切り替わるか。
- 動かした時に、異音や強い振動がないか。
- 固定ネジに、緩みがないか。
ロアレシーバーへの組込み
ギアボックスが完成したら、ロアレシーバーへ組み込みます。なお、固定ネジは付属しません。
ギアボックスを組立てたら、セレクター基板とセレクターラックギアもセットしてロアレシーバーに取り付けます。HTGベーシックのギアボックスに限らず、ロアレシーバーへの固定はネジ止め剤を併用します。ロックタイトであれば青を使用してください。特にフロント側は、固定ネジが緩むとボルトリリースレバーが下がりきらなくなるので必須です。
つまり、ネジ止め剤は必須の作業です。なぜなら、前側のネジが緩むと、ボルトリリースが戻らなくなるためです。
さらに、爪楊枝でネジ穴に塗っておくと、作業が楽です。
ネジ止め剤は、ギアボックスを入れる前に爪楊枝などでロアレシーバーのネジ穴に塗布しておくのがオススメです。ここまでで説明が漏れていましたが、レシーバー固定ネジも付属しないので組替えの場合は元のネジを流用してください。新規で組む場合は別途ご用意ください。
今回の組込み作業ではZ-Partsのレシーバーを使用しています。HTGベーシックのギアボックスと相性は良く、スムーズに着脱できて作業が楽でガタも全くありませんでした。
さらに、ガタが出ないのはメリットです。ただし、結果はレシーバー次第です。
検知基板と配線
次は、検知基板と配線です。
ギアボックスをレシーバーに固定したら、検知基板にセレクターケーブルとコントロールケーブルを接続してギアボックスに差し込みます。
そのため、手順を飛ばさず進めましょう。
また、コントロールケーブルの位置も、ここで確認します。
ここまで順番に各部のチェックと手順を踏んでいれば問題ないと思いますが、このタイミングでもし基板に引っ掛かりや抵抗を感じた場合は恐らく、ボルトストップスイッチとレシーバーが当たっているものと思われます。ボルトストップスイッチに慎重に力を加えながらゆっくり押し込んでください。
つまり、抵抗を感じたら無理に押し込まないことです。
コントロールケーブルを通す位置はシステマと同じです。アッパーを組んだ時に断線しないよう、テイクダウンピン周りは念入りに取り回しを行ってください。
特に、テイクダウンピン周りのケーブルは、断線に注意です。
写真は、配線を取り回した様子です。
セレクターの取付け
続いて、セレクターを取り付けます。
セレクターのセット方法も特にシステマと違いはありません。メインセレクター、アンビセレクターの順で取り付けましょう。従来型トレポンのアンビセレクターは残念ながら、例えシステマ製であっても飾りの様なものです…。メインレバーの操作に連動してアンビレバーも可動しますが、基本的にアンビ側から操作することはできません。HTGベーシックでもアンビ側が渋いのは同じで、この部分の改善は難しかった様ですね。
つまり、アンビセレクターは連動するだけの機構です。そのため、期待しすぎない方が良いでしょう。
個人的にはセレクタージョイントギアを取り外してシングルセレクターで運用でも良いのですが、今回はアンビ機構で連動するシステマ製のセレクターキャップを使用しました。
なお、シングルセレクターでの運用も選べます。
写真は、アンビセレクターを取り付けた状態です。
レシーバーとの相性調整
今回はZ-Parts製のロアレシーバーに組込んでいますが、セレクターホールのずれはないもののアンビ側にセレクターキャップを取り付けるとレバーが動きません。セレクターキャップの台座外径を小さくするイメージで、ぐるっと1周削って何とかスムーズに操作できるようになりました。
このように、相性の問題は現物合わせで解決します。
つまり、ここは現物合わせの調整が必要です。
しかし、ストッパーが少しでも浮いてくると再びセレクターが動かなくなるため、テープが伸びて逃げない様にゴムシートも1枚噛ませています。しっかり脱脂してアルミテープを貼っても良かったかもしれませんが、どうも粘着が弱いので…。
そのため、ゴムシートで押さえる対処をしました。
写真は、ストッパープレートまわりの調整です。
これはHTGベーシックの設計が悪い訳ではなく、レシーバーやセレクターも含めた相性の問題です。システマのギアボックスでもそうですが、アンビセレクターの調整は本当に苦労します…。
なお、システマ製でも同じ苦労があります。
スパイラル・ピニオンギアのセッティング
ここが、組込みの最終関門です。
HTGベーシックのギアボックス組込み、最後の砦はモーターピニオンギアの調整です。ベベルギアとピニオンギアがスパイラル型のため、ピニオンギアの高さがピッタリ合っていないとギア鳴りはおろか、ギア自体にダメージが入るので要注意です。
つまり、ピニオンの高さが全てを決めます。
ギアボックスの組立て時にシムでベベルギアの調整も可能ですが、調整幅はそんなに大きくありません。今回はデフォルトで入っていたシム枚数のままで組んでいるので、モーターピニオン側の高さ調整のみで対応できるが試してみます。
なお、シムでの調整幅は大きくありません。
そのため、基本はモーター側のピニオンで高さを合わせます。
写真は、スパイラルピニオンギアの様子です。
調整中に起きた失敗と学び
えっと……既にギアに大ダメージが入ってますね笑。トライ&エラーしすぎました。最初は正解が分からずかなり苦戦しましたが、おかげで分かったことが何点かあるので紹介しておきます。
つまり、失敗から学んだコツをまとめます。
スパイラル型ピニオンギアは位置が高くても低くてもギア鳴りが半端ないです。ギアの駆動中ずっと甲高いノイズが発生する場合は、ピニオンギアの高さがかなりズレている状態です。ストレート型ピニオンギアと同じ位の高さにしている場合は、大胆に数ミリ単位で高さを上げましょう。
具体的には、ずっと高い音がする状態です。その場合は、ピニオンを数ミリ上げます。
惜しい状態の見分け方
ギアの駆動中のノイズは無いものの、モーターの停止と同時に強い振動(衝撃?)や「カキーン」という金属音が鳴る場合は、ピニオンギアの高さが惜しい所まで近づいている状態です。しかし決して適正ではありません。そのままドライブさせるとギアがどんどん傷付くので、更にコンマ数ミリ単位でピニオンギアを上下させ、振動や金属音が小さくなる方向を見出しましょう。
また、停止時の金属音は、惜しい状態のサインです。そのため、コンマ数ミリ単位で再調整します。
適正な高さの探し方
ちなみに、上記の画像は今回の組込みにおいて正解だった高さです。ストレート型のピニオンと比べて、1.5mmくらい高い位置にセットしてようやくノイズや振動が収まりました。ベベルギアもピニオンギアも地金が出てしまいましたが、正常に動作する様になりました。
ちなみに、今回の正解はストレート型より約1.5mm高い位置でした。
私は勝手がわからず空撃ちしまくってしまいましたが、スパイラルピニオン調整時のテストドライブはセミ1、2発に留め、異常を感じたら即再調整をした方が良いでしょう。スパイラルギアはベスポジ以外で駆動させるとかなりの勢いでダメージが入っていきます。
つまり、テストドライブは最小限が鉄則です。実際、セミで1、2発に留めるのが安全です。
また、スパイラルピニオンの高さは使用するレシーバーによって千差万別です。この画像は参考程度に留めていただき、ご自身のトレポンでは組替え前のストレート型ピニオンの高さを基準にセッティングを決めると良いでしょう。
なお、基準はご自身のストレート型の高さです。そのため、写真の高さはあくまで参考です。
ピニオン調整の手順まとめ
ここまでの調整を、手順としてまとめます。つまり、焦らず少しずつ動かすのがコツです。
- まず、ストレート型ピニオンと同じ高さから始めます。
- 高い音が続く場合は、数ミリ単位で大胆に上げます。
- 停止時に金属音が出る場合は、コンマ数ミリで調整します。
- テストドライブは、セミ1、2発に留めます。
- 異常を感じたら、すぐに再調整します。
トラブルが起きた時の対処早見表
ここまでの内容から、起こりやすい症状を表にまとめました。なお、原因と対処は筆者の組込み経験に基づきます。
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 高い音が続く | ピニオンの高さが大きくズレ | 数ミリ上げる |
| 停止時に金属音 | 惜しいが適正ではない | コンマ数ミリ調整 |
| スイッチを押せない | トリガー押下部の厚み不足 | アルミテープで嵩増し |
| 基板が入らない | 基板とトリガーの干渉 | 押下面を薄く削る |
| 引き過ぎで干渉 | オーバートラベル過大 | 出代を短くしすぎない |
| セレクターが渋い | キャップ台座の干渉 | 台座外径を削る |
※症状が出た場合は、無理に動作させず、すぐに再調整してください。また、ギアへのダメージを防ぐためにも、テストはセミ1、2発に留めます。
ロアへの組込みのおさらい
ロアへの組込みの要点です。なお、相性の問題は現物合わせで対応します。
- 固定ネジは付属しないため、元のネジを流用します。
- ネジ止め剤は、必ず併用します。
- アンビセレクターは、レシーバーとの相性に左右されます。
- スパイラルピニオンは、ストレート型の高さを基準に調整します。
HTGベーシック トレポン ギアボックスの運用
続いて、組込み後の運用結果を紹介します。
筆者はあれこれ検証も交えて作業したため、今回の組込みはかなり時間が掛かりました。しかし要点さえ頭に入れておけば、通常のオーバーホール+αくらいの手間と時間で組込めると思います。HTGベーシック独自の調整ポイントはトリガーとピニオンギア、そして後述するプラネタリーギアのシムの3点だけ行えば、ほかはシステマ製と同じ感覚で組込みできるでしょう。
つまり、特別な調整は3点だけです。具体的には、トリガー、ピニオン、シムです。
今回は組込み後、サバゲーにも持ち込んでしばらく運用しているので、使用感や内部の変化についても見ていきましょう。
そのため、実際のゲームでも確認しました。
使用感
まず、使用感についてです。
HTGベーシックのギアボックスは素材こそ違えど、動作上のスペック(ギア比など)はシステマ製と同じなので、組替えた実感が湧かないというのが本音。しかし、この「いつも通りに使える」というのが素晴らしい。
つまり、ギア比などのスペックは同じです。そのため、体感が変わらないのは当然かもしれません。
つまり、組替えのメリットは、品質面にあります。
ギアボックスを組替えてから初のゲームでは不具合が起きないかと心配もありましたが、2ゲーム目以降そんな不安はどこ吹く風。いつの間にか組替えたことも忘れ、いつもの様にサバゲーを楽しんでいました。違和感なく使えることが、本製品の完成度の高さを物語っています。
実際、数ゲームで組替えを忘れるほどでした。特に、違和感がないことが重要です。
ギアの耐久性
次に、ギアの耐久性です。なお、これは筆者の使用条件での結果です。
HTGベーシックのギアボックスに組替えてから、サバゲーには7回(7日)参加しました。筆者はセミオートしか使わず弾数も撃つ方ではないので、トータルの発射数は4,000発前後といったところでしょうか。シリンダーにはORGAのM120スプリング+アジャスターを使用しており、そこそこ強めのレートです。
つまり、使用条件は軽めの運用です。具体的には、セミオートのみで約4,000発です。
- サバゲーへの参加は、7回(7日)です。
- 使用モードは、セミオートのみです。
- 発射数は、トータルで約4,000発前後です。
- シリンダーには、ORGAのM120スプリングとアジャスターを使用しました。
なお、この条件は、あくまで筆者の運用例です。そのため、フルオートや強いスプリングでは結果が変わる可能性があります。
また、M120は、そこそこ強めのスプリングレートです。
それでは早速、ギアボックスを分解して中を確認していきます。
そのため、分解して内部を確認しました。
使用後の各ギアの状態
写真は、運用後の各ギアの状態です。
各ギアの状態はこんな感じ。ギア歯の減りはほとんど見られないですね。ベベルギアとスパーギアが僅かに触れている様で、ベベル側のコーティングにうっすら擦れがありますが、ギア自体へのダメージはありません。シム調整の余地はありますが、あまり気にしなくても良いレベルでしょう。
つまり、歯の減りはほとんどありません。
そのため、筆者の使用条件では、十分な耐久性でした。
セクター内側のギア歯やプラネタリーギアは、コーティングの擦れすら見当たりませんでした。サンギアもベアリングプレートではない構造が功を奏しノーダメージ。う~ん、素晴らしい…。
さらに、サンギアも無傷でした。特に、プレート構造の効果が出たと考えられます。
写真は、セクターギアの様子です。
セクターギアとピストンラックの接触
セクターギアは流石にピストンラックギアとの接触痕でコーティングの剥がれが大きいですが、すぐ減りやすい1枚目のギア歯ですらほとんど変形していません。セクターギアの硬さからピストンラックギア側が削れるのでは?と危惧していましたが、ギア歯の形状が良いのかピストン側も特にダメージは見られませんでした。
つまり、セクターギアは硬いのに、ピストン側も無事でした。
尚、セクターギア歯のトップに少し地金が見えているのは、組込みの試行錯誤中にトリガーと干渉させてしまったため…💦豪快にやらかした割にはこの程度で済んだのかと、かえってギアの耐久性の高さを知る良い機会になりましたね。
なお、地金が見えるのは、試行錯誤中の干渉が原因です。
ベベルギアのダメージ
ちなみに、この傷は、運用中の摩耗ではありません。
ベベルギアのピニオン接触面はどうかというと、こちらは凄いダメージとなっています。言い訳をさせていただくと、これは組込みでピニオン調整をあれこれ試した時の傷です。運用中に削れが進行しなかったので、正解の高さにセット出来たと考えて良さそうです。
ここは、組込み中のピニオン調整の傷です。
写真は、ベベルギアの傷の様子です。
何も情報がないところからの調整は大変ですが、「スパイラル・ピニオンギアのセッティング」の項目を参考にしていただければ、ここまで削れる心配はないかと思います。また上記画像くらいのダメージがあっても、セッティングをばっちり出せれば動作やノイズは全く問題ありませんでした。
つまり、適正に調整できれば、動作に問題はありません。
しかし、もしこれがお客様の組込み依頼では流石にNGで交換ですね💦(テスト機で試しといて良かった…)
なお、お客様の組込みでは交換になる状態です。そのため、本番前の試験は欠かせません。
シム調整の必要性
最後に、シム調整の必要性です。
今回の組込みではテストを主目的として、敢えてシムの追加をせずデフォルトのまま運用していました。SUS420ステンレス素材のギアの耐久性は素晴らしく、ロングライフであろうことが容易に想像できましたが、気になったのはプレートの削れです。
つまり、デフォルトのままの運用結果を確認しました。
なぜなら、シム調整の必要性を確かめたかったためです。
組込みの項目でも触れましたが、気になるプラネタリーギアのクリアランスはそのままだとプレートにダメージを与えていました。ギアが硬いだけあって、接触している部分が軽く削れています。インターナルセクターシムも、システマ製ギアボックスに比べ擦れ痕の入り方が早い気がします。
実際、プレートが削れていました。また、インターナルセクターシムにも擦れ痕が見られました。
写真は、削れたプレートの様子です。
プレートの削れ方が均等ならまだ良かったのですが、明らかにプラネタリーギアに斜め方向の力が掛かっているので、シャフトの偏摩耗を防ぐためにもシムの追加はしておいた方が良いでしょう。この個体では0.3mmのシムがベストでした。
そのため、シムの追加が推奨されます。なお、最適な枚数は個体によって異なります。
運用後に点検したいポイント
ところで、運用後の点検は、早めの不具合発見に役立ちます。そのため、定期的な分解確認をおすすめします。
- ギア歯の減りと、コーティングの擦れ。
- セクターギアとピストンラックの接触痕。
- ベベルギアとピニオンの接触面。
- プレートとインターナルセクターシムの削れ。
- プラネタリーギアの左右のクリアランス。
運用結果のおさらい
最後に、運用結果を整理します。つまり、耐久性は良好でした。
- 使用感は、システマ製と変わらず違和感がありません。
- ギア歯の減りは、ほとんど見られませんでした。
- ベベルの傷は、組込み中の調整によるものでした。
- 一方、プレートの削れには、シム追加が有効でした。
HTGベーシック トレポン ギアボックスのオススメ度は?
最後に、HTGベーシックの総合評価です。
実際に組込みやサバイバルゲームでの使用を通して感じたのは、HTGベーシック トレポン ギアボックスの製品としてのクオリティの高さです。組込みと運用を経て分かった独自の注意ポイントは「調整式トリガーの可動域」「スパイラルピニオンギアの高さ」「プラネタリーギアのシム調整」の3点ありますが、それ以外は従来と変わらないか、むしろ品質的が高い部分が多いです。
つまり、品質は高く、注意点は3つに絞られます。
特に、トレポンの組込み経験者なら、扱いやすい製品です。
これまでもトレポンのギアボックスはサードーパーティー製のものがいくつか存在していますが、中には正常に使用できるところまで持っていく事さえ苦心するものもあります。その点HTGベーシックのギアボックスは、独自の設計を取り入れている箇所はあるものの、擦り合わせの様な調整はいらず安心して使うことができます。トリガーフィーリングのブラッシュアップなど+αの個人調整にも集中することができます。
そのため、擦り合わせが不要な点は大きな利点です。
擦り合わせが不要という安心感
価格面のハードルを下げていることも踏まえると、トレポンの新規製作でも組替えでも、オススメのギアボックスとして太鼓判を押したいと思います!
なお、評価は筆者の組込み結果に基づきます。ただし、組込みに自信のない方は、専門店へのご依頼もおすすめです。
HTGベーシックのギアボックスが向いている方
- 従来型トレポンを、長く使い続けたい方。
- ロア内部パーツを、HTGベーシックで揃えたい方。
- 組込みや調整を、ご自身で行える方。
- 新規でトレポンを組む方(追加パーツは別途必要です)。
HTGベーシックのメリットとデメリット
最後に、これまでの検証結果をメリットとデメリットで整理します。つまり、選ぶ前の最終チェックにお使いください。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ギアケース | 個体差が少なく変形しにくい | ネジ止め剤が必須 |
| 内部構造 | サンギアの負荷を軽減 | 仮組みで要グリスアップ |
| ギア素材 | 硬度が高く耐久性が良好 | プレートの削れに注意 |
| トリガー周り | ロックの隙間で組込みが楽 | 調整式は可動域に注意 |
| ピニオン | 滑らかで静かな駆動 | 高さ調整がシビア |
| セレクター | システマと同じ感覚で取付け | アンビ側の調整は大変 |
※内容は、筆者の組込みと運用に基づきます。また、評価の感じ方には個人差があります。
さらに、HTGベーシックの検知基板やモーターと組み合わせれば、ロア内部をまとめて刷新できます。
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組み合わせて使いたい関連パーツ
HTGベーシックのギアボックスは、他のトレポン用パーツと組み合わせて使えます。そのため、ロア内部を一式で揃える方にも向いています。
なお、モーターの付属ピニオンは、このギアボックスにも使えます。また、システマ製SECUもコネクターが共通です。
組込みに自信がない方へ
ギアボックスの組込みには、分解や調整の経験が必要です。そのため、自信がない場合は、無理をしないでください。
当店をはじめとしたトレポン取扱いショップへ、組込みをご依頼いただけます。特に、スパイラルピニオンの調整は、経験が活きる作業です。
購入前のチェックリスト
- 組替えか新規かを、先に決める。
- トリガーやセレクターを移植できるか、確認する。
- T10トルクスレンチを用意する。
- ネジ止め剤とグリスを用意する。
- ピニオンの高さ調整に、時間を確保する。
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HTGベーシック トレポン ギアボックスに関するよくある質問(Q&A)
お問い合わせの多い内容を、Q&A形式でまとめました。なお、内容は記事の検証結果に基づきます。
Q. HTGベーシック トレポン ギアボックスとは何ですか?
A. トレポン(PTW)向けのCNCギアボックスです。ギアケースはA7075アルミ合金、ギアはSUS420ステンレスです。また、従来型ギアボックスの組替えに使えます。
Q. システマ製のギアやピニオンは使えますか?
A. ギアの多くは共通サイズです。ただし、ベベルとピニオンはスパイラル型です。そのため、システマ製ピニオンは使えず、付属品に交換します。
Q. ポン付けで使えますか?
A. 使えません。トリガーやセレクター周りが付属しないためです。また、仮組みの状態なので、分解とグリスアップが必要です。
Q. 検知基板はシステマ製が使えますか?
A. 検知基板は、システマSECUが使えます。コネクターが共通だからです。ただし、スイッチ基板はHTGベーシックのものが必須です。
Q. 組込みで一番難しい点はどこですか?
A. スパイラルピニオンの高さ調整です。高さがずれると、ギア鳴りやダメージの原因になります。そのため、テストはセミ1、2発に留めます。
Q. 調整式トリガーを使う時の注意点は?
A. オーバートラベルを大きくし過ぎないことです。ケース側に制限がないため、セクターギアと干渉する恐れがあります。
Q. ギアの耐久性はどうですか?
A. 筆者の条件では、ギア歯の減りはほとんどありませんでした。条件は、セミのみで約4,000発です。ただし、プレートの削れがあり、シムの追加がおすすめです。
Q. ネジ止め剤は必要ですか?
A. 必要です。固定リングが輪の状態で、ネジにテンションが掛からず、緩みやすいためです。特に、前側のネジが緩むと、ボルトリリースレバーが下がりきらなくなります。
Q. 組込みは依頼できますか?
A. 依頼できます。自信がない場合は、トレポン取扱いショップへご相談ください。当店でもご相談を受け付けています。





































