NGSW 次世代分隊火器 の配備が始まる

NGSW 次世代分隊火器 の配備が始まる
NGSW 次世代分隊火器 の配備が始まる
 

5.56mmとの決別 ― NGSW の最初のユニットがアメリカ軍フォート・キャンベルに納入

NGSW配備は、米陸軍の次世代分隊火器が、実際の部隊へ渡り始めた出来事である。最初の部隊は、第101空挺師団の502歩兵連隊だった。ここでは、装備の内容と、その後の動きを整理する。

要点まとめ:NGSW配備

  • 部隊:第101空挺師団 第2大隊 502歩兵連隊(フォート・キャンベル)
  • 装備:XM7ライフル、XM250軽機関銃、6.8mm XM1186弾、XM157射撃管制システム
  • 置き換え:M4A1カービン、M249 SAW、5.56×45mm NATO弾
  • 目標:100,000挺のXM7と20,000挺のXM250(本記事時点の計画)
  • その後:2025年5月、XM7はM7、XM250はM250へ呼称が変わった

NGSW配備のあらまし

これまでOUTLINEでもお伝えしてきたアメリカ陸軍の NGSW :Next Generation Squad Weapon(次世代分隊火器)の部隊支給が遂にはじまった。 NGSW の最初のユニットを受け取ったのはフォート・キャンベルを拠点とする第101空挺師団 第2大隊 502歩兵連隊で、近年ではM17 MHS(SIG SAUER P320)を最初に支給された部隊として知られている。

この計画では、2022年4月に、SIG SAUERが契約を獲得した。その後、技術試験は100回を超え、6.8mm弾は150万発以上が撃たれた。さらに、兵士による試験は2万時間を超えている。

第101空挺師団

支給された装備:XM7、XM250、XM157

今回、支給が開始された NGSW はアサルトライフルのXM7(SIG MCX SPEAR:選定時のXM5から名称変更)と軽機関銃のXM250、共通の弾薬となる6.8mm XM1186(6.8×51mm)、そして射撃管制システムのXM157だ。

XM7はM4A1カービン、XM250はM249 SAW、6.8mm XM1186は5.56×45mmNATOの置き換えとなる訳だが、全兵士ではなくまずは近接戦闘部隊への支給となり、最終的には100,000挺のXM7と20,000挺のXM250を配備することを目標としている。

装備 種類 置き換え対象
XM7 アサルトライフル(SIG MCX SPEAR。選定時はXM5) M4A1カービン
XM250 軽機関銃 M249 SAW
6.8mm XM1186(6.8×51mm) 共通の弾薬 5.56×45mm NATO
XM157 射撃管制システム(VORTEX Optics製スコープがベース) ―

NGSW プログラム

MCX SPEAR

SIG LMG

3枚の写真は、プログラム全体と、XM7、XM250を示している。そのため、装備の外観を、先に把握できる。

6.8mm XM1186弾とGP弾頭

弾薬については選定当初の277 FURY HYBRIDから仕様が変わり、6.8mm XM1186弾ではGP(General Purpose)弾頭と呼ばれるものが用いられている。この弾頭は2010年に陸軍が開発したM855A1(高性能普通弾)に近いもので、硬化鋼製のペネトレーターが剥き出しとなり貫通力を増し、着弾後にコアがダメージを与える殺傷能力の高い弾頭だ。

GP=汎用というのは、ソフトターゲットからハードターゲットまで幅広いターゲットに有効であるという意味で、通常の弾薬に比べそもそも性能が高いことを表している。現時点ではSIG SAUERにより生産が行われているが、2024~2026年にかけて陸軍工場での生産に移行していく予定だ。

ブランク弾やマーキング弾も含まれる。そのため、NGSW配備の部隊は、訓練も同じ装備で行える。

またメインのGP弾のほか、短射程弾、曳光弾、ブランク弾、トレーニング用マーキング弾も NGSW ユニットに含まれている。

6.8mm XM1186

XM157射撃管制システムとIVAS

XM157火器管制システムはVORTEX Optics製の1-8倍スコープをベースにレーザーデバイス、バックアップ用レティクル、レーザー距離計、弾道計算システム、大気センサー、コンパス、兵士間無線システム、オーバーレイ・デジタルディスプレイなど様々な機能を搭載。

XM157は、Vortex Opticsが手がける射撃管制システムである。そのため、スコープに多くの機能が集まっている。

別途、アメリカ軍がMicrosoftと開発を進めるIVAS:Integrated Visual Augmentation System(統合視覚拡張システム)などと併せ、これまでは車両や航空機や通信兵が担っていた戦闘コマンドシステムが、個々の兵士のデバイスも含まれる時代が近そうだ。

NGSW XM157

NGSW配備の試験と計画

NGSW が支給された502歩兵連隊では早速新装備の訓練やデモンストレーションを行い、2023年10月から新旧双方の火器にて機動性テストや兵士による評価が行われるほか、レンジャー分隊も加わり特殊部隊隊員による見識を深めていく予定とのこと。その後は数ヶ月間にわたり過酷な地域での環境テストを行い、2025年に運用評価が行われる。

順調にテストが行われ高い評価を得られれば、 NGSW は2025年3月に第101空挺師団 第1大隊から配備を進めていく計画となっているようだ。

なお、NGSW配備の時期は、本記事の時点の計画である。そのため、実際の動きは、次の項目で補足する。

NGSW配備とM16/M4の世代交代

アメリカ軍をはじめ、世界各国の軍や法執行機関での採用も進むなど、SIG SAUER製の小火器の飛躍が目覚ましい昨今。アーマライト及びコルトにより何十年と主役の座にあったM16/M4が、遂にその座を明け渡す歴史的な転換期がはじまっている。

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SIG XM7
※アイキャッチ、及び上記写真は第101空挺師団ではなくPEO Soldierによるものです。

NGSW配備のその後:M7とM250へ

2024年には、州兵部隊へのNGSW配備が報じられた。さらに、2025年5月には、陸軍が型式分類を行った。

この結果、XM7はM7、XM250はM250へ呼称が変わった。そのため、新しい記事では、Xのつかない表記が使われる。

一方、20発マガジンの容量などをめぐり、性能への批判も報じられている。なお、配備数の目標は、報道ごとに数字が異なる。そのため、本記事は、当時の計画を掲載した。

出展:
Soldier Systems – Next Generation Squad Weapons – First Unit Issued
Soldier Systems – US Army Begins Fielding Next Generation Squad Weapons
PEO Soldier – Army moving forward with Next Generation Squad Weapon program

 
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NGSW配備に関するよくある質問(Q&A)

Q. NGSWとは、何ですか?

米陸軍の次世代分隊火器である。XM7、XM250、6.8mm XM1186弾、XM157で構成される。

Q. NGSW配備の最初の部隊は、どこですか?

フォート・キャンベルの第101空挺師団 第2大隊 502歩兵連隊である。支給は、2023年9月に始まった。

Q. XM7は、何の置き換えですか?

M4A1カービンの置き換えである。一方、XM250は、M249 SAWの置き換えとなる。

Q. XM7は、どの銃が元になっていますか?

SIG MCX SPEARである。選定時の名称は、XM5だった。

Q. 6.8mm XM1186弾とは、どんな弾薬ですか?

6.8×51mmの共通弾薬である。GP(General Purpose)弾頭が使われ、幅広い目標に有効とされる。

Q. XM157とは、何ですか?

射撃管制システムである。VORTEX Optics製の1-8倍スコープがベースである。レーザー距離計や弾道計算システムも備える。

Q. 全兵士に支給されますか?

まずは、近接戦闘部隊への支給である。最終的な目標は、XM7が100,000挺、XM250が20,000挺だった(本記事の時点)。

Q. 現在もXM7と呼ばれていますか?

いいえ。2025年5月の型式分類で、XM7はM7、XM250はM250へ呼称が変わった。

Q. 6.8mm弾の生産は、どこで行われますか?

本記事の時点では、SIG SAUERが生産している。一方、2024〜2026年には、陸軍工場へ移る予定だった。

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