M249 について

M249 について
M249 について
 

M249 について

M249 軽機関銃は、アメリカ合衆国で国産化されたミニミ軽機関銃のことである。アメリカ軍における正式名称は5.56mm軽機関銃 M249 で、かつては M249 分隊支援火器とも呼ばれたこともある。FN社の米国現地法人であるFNH USAが製造を担当し、アメリカ軍の各部隊に広く配備されている。最初は量産型がそのまま使われたが、その後MK2は銃身上部にヒートカバーを追加し、ハンドガードに改良が施されている。

その後もピカティニー・レールがつけられたり、形状の異なるバイポッドが搭載されたもの、M249 E4 同様にSTANAGマガジンを使用しての給弾機能、ガスレギュレータを廃したMk46 Mod1や7.62mmNATO弾仕様のMK48 Mod0など様々なモデルが誕生している。

 

M249 の派生モデル

M249 PIP

1985年時点での M249 の製造を一時中止し、当時の問題点を解決するための改良計画に着手。その計画をもとに改良キット(PIP キット)の後付けをしたモデル。実質的な標準モデルにあたる。銃床は M249 開発当初のスチール管のものから M240 機関銃と類似した形状のプラスチック製のものに交換された。射撃速度を変更する2点切替式ガス規整子は廃止され、高速射撃は不可能となった。火傷防止のためにハンドガードは銃身上部まで拡大され、キャリングハンドルは固定式から折畳式に変更。その他、二脚、ピストルグリップ、消炎器、照準器などが改良されている。

M249 パラトルーパー

落下傘部隊への配備を想定した軽量モデル。短銃身とアルミニウム製伸縮式銃床を採用し、「パラ」という通称がついている。通常のM249と比較すると小型かつ軽量で、即時実戦反映構想の元、従来のパイプ型伸縮式銃床からM4カービンのものと類似したテレスコピック型伸縮式銃床への更新が進められている。

M249 パラトルーパー

M249 SPW

特殊作戦軍、SOCOMの要求を取り入れた軽量小型モデル。キャリングハンドル、弾倉取付部、車載銃架取付基部などは重量を減らすために撤去されている。光学機器等を搭載できるようピカティニーレールなどが追加され、バイポッドも脱着式とし、歩兵による多様な運用に対応できるよう様々な工夫や軽量化が施されている。

M249 SPW

M249S

民間向けセミオートオンリーモデル。ベルトリンク/弾倉の二重給弾方式は軍用と同様だが、作動機構はクローズドボルト方式に変更されフルオート機能をオミットされている。

Mk46 Mod0

SOCOMにより、SPWよりもさらに改良を加えたモデル。SPWと同様の重量軽減策を取りつつも、銃床は通常モデルと同様のプラスチック製銃床となっている他、フォアグリップ形状や銃身などがSPWとは異なる。

Mk46 Mod0

 

M249の実戦投入

M249 軽機関銃は M249 SAW の正式名称で、1984年に制式採用された。当初は非常に頑丈かつ強力な分隊支援能力を有する点は支持されたが、一方で多くの欠点も指摘された。不良の多い空包射撃用アタッチメントや破損しやすい二脚、複雑なスリング取付金具、構造上隙間や溝が多く土や汚れが付着しやすい点などである。中にはM16の重銃身モデルの方が優れた軽機関銃であるという評価もあった。
大規模な運用は、1991年の湾岸戦争が始まってからで、以後1993年のソマリア介入、1994年のボスニア紛争、1999年のコソボ紛争、2001年からのアフガン紛争、2003年からのイラク戦争など、アメリカ軍が参加した多くの紛争・戦争に投入された。

湾岸戦争

陸軍と海兵隊に合計929丁支給された。この戦争においてM249は定位置からの友軍支援用途に用いられる事が多かった。砂漠という環境化で砂が詰まるという苦情が相次ぎ、運用に支障をきたすことが多かった。

アフガニスタン

PIPキットによる改修を受けたM249が、より重たいM240機関銃と共に標準的な分隊支援火器として運用された。この時期に運用されたM249の多くは、落下傘降下や近接戦闘を想定して全長を抑えるために折畳式銃床が取り付けられた改良モデルを使用していた。特殊部隊などでは一層の軽量化が施されたパラ・バージョンと呼ばれるモデルが好まれた。2002年に発表された「アフガニスタンの戦訓」報告書によれば、対象となった将兵のうち80%がM249の射撃精度と殺傷能力に満足していると答えたが、「自分の武器に自信がある」と答えたのは64%だった。こうした不満の最も大きな原因も、やはり砂詰まりによる運用面の弱さであるとされた。

イラク戦争

PIP改修済みモデルとパラ・バージョンが使用された。2004年の時点でほとんどのM249は運用開始後20年が経過しており、老朽化のために信頼性は大幅に落ちていた。複数回命中させた相手から撃ち返されたという報告も増えており、この戦争でもM249を含む多くの火器で砂詰まりが重大な問題となった。

 

主な採用国

アメリカ
「 M249 」という制式名で1984年に制式採用された。

イギリス
L108A1という名称で採用。空挺部隊用にはL110A1という別タイプが投入。

日本
5.56mm機関銃MINIMIという名称で採用。住友重機械工業株式会社がライセンス生産を行い自衛隊に納入。

その他、西欧諸国から東南アジアに至るまで、多数の国家の軍隊などで幅広く採用されている。世界で最も多く使われている分隊支援火器の一つともいえる。
原型開発から既に40年前後が経過して、 M249 も多数の派生形が誕生している。突撃銃と同様にレイルシステムやアクセサリを増設されたモデルも存在する。

 

米軍における新たな分隊支援火器の登場と M249 の今後

現在までに寿命を伸ばすために様々な改修およびメンテナンス計画が実施されてきた M249 だが、新たに軽量な小銃型の分隊支援火器としてM27 IARが台頭してきており、一部置き換えも計画されている。陸軍では M27 の導入計画はないもののLSAT軽機関銃への更新が提案されており、M249 改良型CT LMGの開発などは行われているものの今後は M249 の運用数は減っていく兆候にある。

M249

M249

 
最新記事:
VFC M249 ガスブロ用のスチールレシーバーが登場!ご予約受付中!
VFC が ガスブロ M249 ライトマシンガン を発表!