IWI イスラエルの軍需産業を支える巨大銃器メーカーとは?

IWI イスラエルの軍需産業を支える巨大銃器メーカーとは?
IWI イスラエルの軍需産業を支える巨大銃器メーカーとは?
 

IWI イスラエルの軍需産業を支える巨大銃器メーカーとは?

IWI(Israel Weapon Industries)とは、イスラエルを代表する兵器メーカーIMI(Israel Military Industries、現IMI Systems)の銃火器部門を前身とするメーカーで、世界シェアにおいても有数の大きさを誇ることで知られている。

IMIは元々イスラエル政府と半官半民による運営体制をしいていたが、21世紀に入ってから国防軍からの独立を経てほぼ完全な民間企業となり、2005年には小火器部門をIWIとして独立させた。それまでも、UZI・ガリル・デザートイーグル・タボールなど様々な名銃を生み出していたIMIだが、それらの製造販売も含めIWIに全て引き継がれている。

近年の製品では、イスラエルらしく現代的とも近未来的とも言えるポリマー素材を用いた銃器デザインが特徴で、世界中の軍や法執行機関でも採用される性能や信頼性を持っている。

 

イスラエルが生んだ数々の名銃

日本では軍需産業というとアメリカ・ロシア・ヨーロッパを思い浮かべる人が多いかと思うが、イスラエルも負けず劣らずの武器輸出国。世界的に見ればトップクラスの武器輸出額を誇り、兵器製造企業も200社以上にのぼるとされる。そんな軍需産業の中においてIMIはイスラエルの中心的企業と言え、その銃火器部門であり独立も果たしているIWIは世界でも知名度の高い名銃を多数輩出している。

 

ウージー(UZI)

イスラエルが国家として建国された直後、簡単な訓練で扱え、建国直後の貧弱な工業基盤であっても製造しやすい単純な構造のサブマシンガンとして1950年に開発された。設計思想が良かったせいか性能や生産性など総合的な能力が高い銃となり、イスラエル国防軍をはじめ旧西側諸国で多く採用され、FNハースタルでライセンス生産されるなど華々しい成果をイスラエルにもたらした。UZIは派生型やライセンス品、コピー品まで含めると、全世界で1000万丁以上作られたと言われている。
開発から70年近くたった現在においても、中小国家ではいまだに運用が続く息の長い銃のひとつである。

現在、IWIではUZI PROの名で現代的な装いとなったモデルを製造・販売している。

 

ガリル(GALIL)

1960年代、軽くて丈夫、命中精度の高いアサルトライフルの必要性を感じた国防軍首脳部が、5.56mm弾を使用する銃の開発を決定する。しかし、イスラエルの過酷な環境化においてはM16よりもAK47の方が適していると考えられ、AK47のような機関部を持つNATO弾ライフルとして誕生したのがガリルである。
AK47のように部品構成がシンプルで兵士の負担減や訓練時間の短縮につながり、尚且つAKよりもフルオート時の反動が少ないなどメリットの大きなライフルとなった。

ガリルについての詳細はこちら

 

デザートイーグル(Desert Eagle)

オートマチックピストル弾としては最強の威力を誇る.50AE弾を撃つことができることでその地位を確立させた、誰もが知る大型拳銃。1979年に登場した当時は.357マグナム弾モデルであったがジャムが発生しやすく不評だった。その後、薬莢の太い弾薬モデルの開発により排莢もスムーズになり、.50AE弾モデルの登場により世界最強の弾薬を扱えるハンドガンとして知名度を上げることとなった。反動は大きいものの、同じ弾薬を使用するリボルバーに比べれば扱いやすく、非力な人でも射撃ができることがデザートイーグルのメリットである。
発案はアメリカのマグナムリサーチ社によるものだが、製造はアメリカだけでなくIMI及びIWIによっても行われていた。

 

タボール(TAVOR)

イスラエル軍で支給されていたM16やCAR15、そして21世紀近くになってもいまだに一部で使用されていたガリルを置き換えることを目的として開発されたブルパップ式ライフル。イスラエル軍の近代化や、イスラエルにとって重要な軍需産業を現代のマーケットに適したものにするべく命題を受けたもので、市街地戦や車載時での取り回しの良さを念頭におきつつ、野戦での性能も保持するという条件を満たした結果、その形状はブルパップ式が最適であるとして開発された。

後方に寄った重量バランスや外観からブルパップ式ライフルは重く感じられやすいため、デザインによる視覚的な効果で解決させるなど、独自のアイディアが盛り込まれている現代的なライフルとなっている。イスラエル軍をはじめ、南米やアジア、アフリカ、東ヨーロッパなどあらゆる国の軍・特殊部隊で採用され、今後も制式採用候補の動きがある広く普及したライフルだ。

タボールについての詳細はこちら

TAVORガスブローバックはこちら
タボール用予備マガジンはこちら

IWIは現在、新しい生産拠点への移転の計画や、タボールの大口顧客であるインド軍向けの工場をインド国内に設立する予定など、非常に活発な利益拡大を成している。開発された銃器はどれも知名度・性能の高い名銃と言われるものばかりで、今後の銃器開発にも一目置かれる企業であることは間違いない。

現状のラインナップにはタボールの7.62mm弾バージョンであるタボール7や派生モデルのX95、ガリルを近代的にアップデートしたガリル・エース、ポリマーフレームのストライカー方式ピストルのマサダ(ブッシュマスターACRとは関係ない)など、スタイリッシュな製品を多く手掛けている。