ガリル(GALIL)について

ガリル(GALIL)について
ガリル(GALIL)について
 

GALILについて

IMI GALIL(ガリル)とは、イスラエルのIMI社製の歩兵用小銃(アサルトライフル・システム)で、2005年以降は同社小火器部門が独立状態となり設立されたイスラエル・ウェポン・インダストリーズ(IWI)社が生産している。
イスラエルでの1967年の六日間戦争によって軍首脳部は軽くて丈夫な、更に命中精度の高いライフルの必要性を実感し、軍首脳部は以上の条件を満たしたNATO標準の5.56x45mmを使用する、アサルトライフルの開発をすることにした。

GALILの特徴

設計者のガリリはイスラエルの過酷な環境において、M16よりもAK-47の構造の方がより適していると考え、機関部はほぼAK-47からのコピーで、同じく部品点数の簡素化による兵士の負担減少や訓練時間の短縮などの効果がある。西側諸国(NATO)に合わせ7.62x39mm弾より小口径で反動の少ない5.56mm NATO系列を採用する事にし、AK-47の欠点だった連射時における命中率の低下も抑制された。さらにバイポッドやキャリングハンドルが標準装備されている。
本銃特有の装備として、バイポッドの固定具に栓抜きを装備している事が挙げられる。イスラエル軍がガリルを導入した当初、前線からガリルが故障したとの報告が続出したため原因を調査したところ兵士が飲み物の王冠を外すのに、レシーバーの角を栓抜きがわりにしていたためと判明。開発者はハンドガード部のバイポッド固定器具に栓抜き用の金具を新たに追加しバイポッドの本体との接続部はワイヤーカッターも装着した銃が完成した。

性能に直結しないこの様な機能をライフル自体に付与する事は世界的に見ても珍しい。これらの機能はガリルARMモデルにのみ備えられており、後に製造された簡略型のARではバイポッドと共に省略されている。簡易的ながらARMモデルが本来持っていた軽機関銃としての役割がネゲヴ軽機関銃に引き継がれることとなり、現行型では更なる改良によりこれらの機能は完全に省略された。

採用国

南アフリカ、クロアチア、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、コンゴ、トリニダード・トバゴ、ジンバブエ、ニカラグア、フィリピン、ボリビア、ボツワナ、ホンジュラス、トンガ、ミャンマーなどで採用されている。

 

派生型

●ARM (アサルト・ライフル/マシンガン)
前述の栓抜き付ハンドガードとバイポッドを装備、簡易的な軽機関銃としての用途も考慮した基礎モデル
●AR (アサルト・ライフル)
キャリングハンドルとバイポッドを省略、栓抜き付ハンドガードから栓抜きを省略した別設計のセンサテック・ポリマー樹脂製ハンド・ガードを装着するモデル
●SAR (ショート・アサルト・ライフル)
全長を短く切り詰めたカービンタイプ
●マイクロ・ガリル
SARより更にバレル長を短縮しサブマシンガン並の長さとしたモデル
●7.62×51mm弾対応型
狙撃用途重視としてARM、AR、SARそれぞれに口径7.62x51mm仕様が存在する。直線的で前後に幅広い形状をしている。ARMの狙撃用7.62x51mmガリル・スナイパー・モデルは”ガラッツ(Galatz)”と言うニックネームが付けられている。栓抜き・カッター機能は排除。
●マガル (Magal)
マイクロ・ガリルをベースに.30カービン弾を使用する派生モデル
●ゴラーニ(Golani)
民間用の半自動モデル
●ガリル・エース (Galil ACE)
2009年に発表された、近代化改良したガリルの新規シリーズ名。新たに口径7.62x39mm仕様が加わり、AK-47系マガジンも流用可能となった事が最大の特徴。近代マーケットの要求に最大限応えた仕様となっている。レシーバー下側はグリップから円形ハンドガードまで一体化し、センサテックで製作される新規デザインとなりコストダウンもされている。

イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ

イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ(英: Israel Military Industries、IMI) は、イスラエルを代表する兵器コンツェルンである。IMI社と表記する。
IMI社は銃器だけでなく様々な兵器を開発してきており、どれもイスラエルという土地柄、バトルプルーフ(実戦実証)されたものが多い。
なお、当項目で特に扱う小火器(銃器)部門は2005年にIMI社の組織替えから独立状態となり、新たに「イスラエル・ウェポン・インダストリーズ(英: Israel Weapon Industries。略称IWI) 」の社名で再スタートを切った。