FNハースタルが新型機関銃EVOLYSを発表

FNハースタルが新型機関銃EVOLYSを発表
FNハースタルが新型機関銃EVOLYSを発表
 

FNハースタルが新型の超軽量機関銃を発表

ベルギーの銃器メーカーFN HERSTAL(FNハースタル)社が新しく開発した超軽量機関銃EVOLYSを発表した。

発表はコロナ禍の世界的状況を踏まえ、現地時間の2021年5月6日にオンラインにて行われた。4月22日には一部のパーツを映したティザー映像が公開されていたが、その時点で軽機関銃であることはある程度判明しており、大方の予測通りMINIMIの後継機種にあたるモデルの発表となった。

しかし名称をMINIMIからEVOLYSへと変更したあたり、あらゆる点でMINIMIから刷新された機関銃となっているようだ。

FN EVOLYS

 

EVOLYSの特徴

EVOLYSは7.62×51mmNATO弾仕様と5.56×45mmNATO弾仕様の2モデル展開で、どちらもベルト給弾方式となる。MINIMIにはなかったセミオート射撃ができるようになっている。

FNハースタル新型軽機関銃

MINIMIは軽機関銃カテゴリに属するマシンガンでありEVOLYSも一般的には同カテゴリに入るわけだが、FNハースタルは敢えてULTRALIGHT MACHINE GUN(超軽量機関銃)という位置づけとし、従来の軽機関銃からの圧倒的な軽量化に成功したことを強調している。

軽量化のアピールとして目立つのは大きく肉抜きされたハンドガードやカーボン製バイポッドで、重量は7.62mmモデルで6.2kg、5.56mmモデルで5.5kgとなる。MINIMI MK3と比較すると7.62mmモデルで2.6kg、5.56mmモデルで2.5kgの軽量化となる。

EVOLYSハンドガード

ストックはSCARと同型のものが装着されるがフォールディング機能は有していないようだ。

EVOLYSストック

ベルト給弾についてはMINIMIではトップ側に開けていたフィードトレイカバーが左側面に変更され、その結果前方から後方まで一体型となったトップレールが備わりアクセサリーパーツ装着の幅が広がった。ベルトの交換は片手で行えるようになっており、機関銃ゆえの再装填の煩わしさがかなり改善されている。

MINIMIではSTANAGマガジンの使用が可能であったが、装填不良が起きやすくアメリカ軍では緊急時以外の使用を認められていない背景がある。そのためかEVOLYSではSTANAGマガジン使用の機能がオミットされているのか、その点についての言及は特にないようだ。

EVOLYSベルト給弾

その他、各モデルのスペックは以下の通り。

FN EVOLYS 7.62
使用弾薬:7.62x51mm NATO
作動方式:オープンボルト ショートストロークピストン
全長:925/1,025mm
銃身長:406mm(16インチ)
重量:6.2kg
発射モード:フル/セミ
発射サイクル:750発/分
有効射程距離:1,000m

 
FN EVOLYS 5.56
使用弾薬:5.56x45mm NATO
作動方式:オープンボルト ショートストロークピストン
全長:850/950mm
銃身長:355mm(14インチ)
重量:5.5kg
発射モード:フル/セミ
発射サイクル:750発/分
有効射程距離:800m

FN HERSTAL

ULTRALIGHT MACHINE GUN

 
アメリカ軍においてMINIMIは軽機関銃として改良を受けながら長年に渡る運用がされてきたが、その重量ゆえ分隊支援火器としては射手に大きな負担を強いるのも事実であり、近年ではライフル型への置換が進んでいる。

その一方で8,000挺近いMINIMIの継続運用も予定されており、分隊支援火器としての軽機関銃の需要がまったくないわけではない。FN EVOLYSはそんな中で残るMINIMI(M249)の更新に向けた強いメッセージとなるだろう。

ただし、アメリカ陸軍ではNGSW(次世代分隊火器)の選定プログラムが進んでおり、そこには分隊支援火器も含まれる。FNハースタルはそのNGSWには参加していないため少なくとも陸軍での大幅な採用はないようにも思える。

近年様々な形で装備の刷新が進むアメリカ軍において、EVOLYSがどこまでMINIMIの後釜を担えるか注目していきたい。

 
ORGAの新入荷・再入荷商品はコチラ!

FN HERSTAL EVOLYS ULTRALIGHT MACHINEGUN

MINIMI後継機