H&K USP:堅実さを追求して設計されたハンドガン

H&K USP:堅実さを追求して設計されたハンドガン
H&K USP:堅実さを追求して設計されたハンドガン
 

H&K USP
堅実さを追求して設計されたハンドガン

USP(ユニバーサル・セルフローディング・ピストル:Universal Self-loading Pistol)とはドイツを代表する銃器メーカーH&K(ヘッケラー&コッホ)が1993年に開発したダブルアクションのハンドガン。9x19mmパラベラム弾モデルはP8という名称でドイツ連邦軍の制式ピストルとなっている息の長いハンドガンである。日本でもエアガンとしてモデルアップされており知名度が高い。

P8

H&Kは1970年に世界初となるポリマーフレームオートのVP70を開発していたが、時代が早すぎたのか売れ行きは芳しくなく、また実用面での問題の多さや実射性能の低さなどがアメリカ軍トライアルにて露呈することとなり商業的に失敗となっていた。

自社では失敗に終わったポリマーフレームオートであるが、1980年代にグロックが成功を収めるのを見て、ポリマーフレームオートはやはり外せないジャンルであると確信したH&Kは新たな設計のハンドガンの開発を再開する。もう失敗はできないと考えたH&Kは、革新的な技術投入や独自機構を生み出してきた同社としては珍しく、堅実で確立された旧来的な技術やシステムを用いた銃の開発に取り組み、結果として後にH&K製ハンドガンの基幹となるUSPを完成させた。

USPタクティカル

USPは元々.40S&W弾の使用を考えて開発されたが、バレルを含むスライドセットや対応マガジンに切り替えることで9x19mmパラベラム弾や.45ACP弾にも変更ができる。これはアメリカ市場で通用するポリマーフレームオートを目指した結果、9mmよりもストッピングパワーの強い弾薬に対応できることを想定した開発が進められたことによる。

USPはポリマーフレームオートながらハンマーやマニュアルセーフティーを備えM1911と同様の操作としており、ピストルとしての確実な動作性やわかりやすい操作感を重要視している。これは先述した、革新さより堅実な手法を取りたかったこととアメリカ市場を考慮してのことだろう。しかし現代的な設計思想も取り入れられており、マガジンキャッチを利き手に関係なく操作できるようにしたり、コック&ロックとデコッキングが可能なセーフティー(コントロールレバー)を備えるほか、ハンドガンでは世界初となるタクティカルマウントの標準装備など、USPは決してH&Kらしくないハンドガンとはならなかった。

ドイツ連邦軍

 

バリエーション豊富なハンドガン

USPは様々なバリエーションを持つハンドガンである。開発当時並行して進んでいたアメリカ特殊作戦軍USSOCOMのトライアル向けのMk.23は、USPをベースに開発されていることで有名である。また数種類の弾薬に対応しているだけでなく、コンパクトモデルや長銃身モデル、競技モデルから軍用警察用のプロフェッショナルモデルまで多岐にわたる。

 
P8
ドイツ連邦軍に制式採用されるモデルで、基本的な設計はUSPと変わりないものの軍部の要求を取り入れた改修が施されている。
・コントロールレバーの操作順序
・バレルのライフリングの変更
・半透明のポリマー素材マガジン

ドイツ連邦軍の特殊部隊ではコントロールレバーの機能をデコッキングのみとした派生型のP8コンバットなども存在する。また、ドイツ連邦軍以外にも日本では警察の特殊部隊SATや陸自の特殊作戦群、韓国では海洋警察特別攻撃隊が採用している。

 
P10
ドイツ連邦軍に制式採用されたUSPコンパクトをベースとしたモデル。グリップの形状がUSPコンパクトと若干異なっている。ドイツ警察や他の法執行機関でも採用されている。
2001年に開発されるP2000は、P10をベースにグリップしやすい小型改良版として誕生した。

 
P12
USPにサプレッサー装着可能なバレルやマッチトリガーを備えたUSPタクティカルのうち、.45ACP弾モデルをドイツ連邦軍制式採用名としたもの。主に特殊部隊用のハンドガンとされている。

 
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