EOTechをAmerican HolopticsがL3HARRISから買収

EOTechをAmerican HolopticsがL3HARRISから買収
EOTechをAmerican HolopticsがL3HARRISから買収
 

ホロサイトメーカーEOTechの親会社が変更へ
American HolopticsがL3HARRISからEOTechを買収

日本のサバゲー業界ではレプリカも含めて光学照準器の人気をAimpointと2分する存在であるEOTech(イオテック)。レティクルにホログラムを採用する斬新なアイディアにより、多少のレンズの破損程度では機能を失わないなど技術的にも耐久性的にも信頼性の高いものとされ、2000年代から軍事や法執行機関での採用が進んでいる。現在ではプロフェッショナル向けの光学照準器として知れ渡っている。

そんなEOTechの親会社であるL3HARRISがこのほど、EOTechをAmerican Holopticsに売却することを発表した。

EOTechは順調に知名度を伸ばしはじめたころ、2005年に大手の防衛関連企業であるL-3 Communicationsによって買収され更に急成長を遂げる。その後、EOTechのホロサイトが温度変化による照準の狂いがあるとして米国との訴訟に発展し、軍や公的機関での使用が継続されるか危ぶまれる問題が起きたが、近年では新たにアメリカ軍から複数の契約を受注したほか、親会社のL3がHARRISと合併し更に大きな資本を得るなど好意的なニュースが続いていたところであった。

今回のAmerican HolopticsとL3HARRISによるEOTech買収契約は2020年半ばには完了する予定であるという。

イオテック

ホロサイト

先述の通り、EOTechのホロサイトには温度変化による脆弱性が指摘され、一部機関ではEOTech製品が廃棄されるなどの情報も飛び交った。

それでもなお2018年10月にNSWC-CD(アメリカ海軍クレーン)が2,360万ドル、2019年1月にはUSSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)がG33マグニファイアとの組み合わせで2,630万ドルの契約を交わすなど、ホロサイトの持つCQB、いわゆる近接戦闘下でのアドバンテージはいまだに大きいようである。

近距離での視野の広さやマグニファイアとの組み合わせやすさなどが特殊部隊の要求に合うこともあり未だに多くの部隊で使用され続けている。

Holosight

American Holopticsによる今回のEOTech買収が何を意味するのか真意は不明だが、先のホロサイトの脆弱性が取りざたされた時期に、EOTech製品の出荷を停止した大手代理店であるElite Defenseをパートナー企業として持つAmerican Holopticsが親会社となるあたり、技術的な解決の可能性があるのか、近接戦闘用途としての商品価値があると見たのか、気になるところではある。

Holographic

American Holopticsは、Elite DefenseやODIN Defenseなど多くの企業を傘下に持つKoucar Managementの関連企業であり、株式公開をおこなっていない非公開企業である。

その設立にはElite DefenseでEOTech製品の流通・販売に深く関わった人物が設立・経営に関わっているなど、ホロサイトの開発や販売に特化した企業として立ち上げたようである。

実際、防衛機器の大手代理店であるElite DefenseはELCAN製のホロサイトを大々的に取り扱うなどしたこともあり、過去EOTechによるダメージを受けたことはありつつも、ホロサイトについては今後の光学照準器のスタンダードとして見据えている所があるのかもしれない。

EOTech Holosight

今回のEOTech買収劇によって企業規模やホロサイト技術への投資額の増減がどれほどEOTechブランドに影響を与えるのかは分からないが、既にアメリカ軍との大型受注を果たしたL3HARRISにとってはEOTechは充分に仕事を果たしたということなのか、American Holopticsにより更なる発展を遂げるのか、人気の光学機器メーカーが今後どのような展開を見せるのか注目していきたい。

 
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