これからの小型リフレックスサイトはクローズドタイプが主流?トリジコンが新型マイクロドットを発表
Trijiconが発表した RCR は、RMRをベースにしたクローズド型のリフレックスサイトである。もう1つの新モデル RMR HD とあわせて、2023年に登場した。ここでは RCR の特徴を中心に、RMR HD との違いや選び方を整理する。
要点まとめ:RCR と RMR HD
- RCR:RMRのフットプリントを引き継いだ、クローズド型のリフレックスサイト
- RMR HD:RMRの耐衝撃性を残しつつ、レンズを大型化した新モデル
- 共通点:どちらも、RMRと同じフットプリントを持つ
- 違い:RCR は発光ユニットを密閉し、RMR HD はサークルレティクルや自動輝度を備える
- 注意点:仕様はモデルごとに異なるため、購入前に公式ページを確認したい
サバゲープレイヤー、シューターであればご存知の方も多いであろう照準器メーカーTrijicon(トリジコン)。アメリカ軍が1980年代から採用しているライフルスコープACOG(Advanced Combat Optical Gunsight)で有名なメーカーだが、ACOGに搭載するセカンダリーオプティクスやハンドガン用リフレックスサイトである RMR (Ruggedized Miniature Reflex)もまた同社を代表する照準器である。
Trijicon と RMR の背景
特に、スライドにリフレックスサイトを搭載するオプティクスレディが広く普及した昨今、RMRは軍や法執行機関での採用も多く、オープンタイプのリフレックスサイトでは1、2を争う人気の高さといえる。サバゲーでも多くのプレーヤーが実物・レプリカ問わず使用しているドットサイトだ。
そんなRMRをベースに、プロフェッショナルのニーズに合わせて進化を遂げた新モデルが2種、Trijiconから発表された。それが RMR HDとRCRだ。
RCR と RMR HD の位置づけ
2つの新モデルは、どちらもRMRの系譜にある。ただし、目指した方向は大きく異なる。以下に、公式ページの記載を基に違いをまとめた。
| 項目 | RCR | RMR HD |
|---|---|---|
| 構造 | 発光ユニットを密閉したクローズド型 | RMRとSROの中間にあたる、大型レンズのモデル |
| フットプリント | RMRと共通 | RMRと同一 |
| 電池 | CR2032 | CR2032 |
| 電池寿命(公式表記) | 約6年以上(明るさ10段階中の5、連続使用) | 最大約3年 |
| 防水性能(公式表記) | 水深約20m | 水深約20m |
| レティクル | 3.25 MOAのドット | 切り替え式のサークル+ドット |
| 特徴的な機能 | 密閉構造による高い耐久性 | 前方照度センサー、インデックスポイント、ボタンロック |
なお、表の数値は公式ページの表記を基にしている。そのため、型番や仕様によって、数値が異なる場合がある。
注目はクローズド・リフレックスサイトの RCR
これら新モデルで最も注目したいのはRCR(Ruggedized Closed Reflex)だ。これまでピストルスライドに搭載する光学照準器は軽量・コンパクトを追求してRMRのようなオープンサイトが主流であった。RCRはRMRをベースとしながらハウジングの拡大を行い接眼側にレンズを追加。コンパクトさを大きく損なうことなく発光ユニットのクローズド化をし耐久性アップを果たしている。またフットプリントはRMRと共通となるため、新たにマウントを用意する必要もない。
RCR の基本仕様
RCR の光源は、3.25 MOAのレッドドットである。電池はCR2032で、明るさは10段階とされる。また、ハウジングには7075-T6アルミが使われている。
公式ページの表記では、RCR の重量は約55gである。そのため、RMRよりも大きいものの、スライド搭載に支障が出るほどの重さではない。ただし、実際の使用感は、搭載する銃によって異なる。
RCR とマイクロクローズドサイトの流れ
ここ数年、リフレックスサイトのカテゴリではこの手のモデルが多く開発されており、Aimpoint(エイムポイント)ACROをはじめSIG SAUERでもROMEO M17が登場するなど、各社からマイクロクローズドサイトがリリースされている。
ACROやROMEO M17は、いずれも発光ユニットを密閉した小型のドットサイトである。つまり、RCR は、この流れに加わった一台といえる。そのため、今後は同じ価格帯で比較される機会も増えるだろう。
サブマシンガンやSBR、PDW等の使用領域が広がっているいま小型ドットサイトのニーズも格段に上がっており、オープンサイトと同等のコンパクトさで耐久性や使い勝手の良いクローズド・リフレックスサイトはうってつけの光学照準器と言える。
またオープンサイトをクローズド化するメリットは耐久性アップ以外にも利点が多い。対物レンズ後方からの光の入り込みを減らすことでドットが見えやすくなったり、チューブ化により視野を絞ることでリフレックスサイトが向いている方向が分かりやすくなり、ハンドガンでのオープンサイト使用時に起きやすい「ドットを見失う」リスクを低減できる。
RCR のクローズド構造が効く場面
オープンタイプは、雨や雪、泥が発光ユニットに付着しやすい。一方、RCR のように密閉すれば、レンズ面の汚れだけに注意すればよい。そのため、屋外で使う機会が多い人ほど、恩恵を受けやすい。
ハンドガンのオプティクスレディ搭載にも、ライフル用のドットサイトとしても、スコープのバックアップ用としても、1台で何役もの用途に活躍できるのがクローズド・リフレックスサイトなのだ。
RCR を導入する際の注意点
RCR は、RMRと同じフットプリントを持つため、既存のマウントを流用できる可能性が高い。ただし、ハウジングがRMRより大きく、スライドやホルスターとの干渉は、事前に確認したい。また、バックアップサイトとして使う場合も、本体の高さを考慮する必要がある。
RMR の正統進化、 RMR HD
もう1つの新モデルは RMR に新機能を追加しつつレンズの大型化をした RMR HD だ。デザインは RMR と SRO の中間といった具合で、レンズやフレームの形は RMR に近いながら前方に飛び出したレンズ位置はまるで SRO のようだ。これは発光ユニットとレンズの距離を遠ざけることで、レンズを大型化するための設計となる。
RMR HD は、RMR の耐衝撃性を残しながら、視界を広げたモデルである。公式ページの表記では、ハウジングは7075-T6アルミで、電池はCR2032を使う。そのため、RMR からの乗り換えでも、扱い方は大きく変わらない。
通常の RMR に無い機能としては、サークルレティクルの実装(切り替え可能)や前方照度センサーによるターゲットに合わせた自動輝度調整、自動輝度調整の反応レベルの変更、ハウジング(フレーム)上部に設置されたインデックスポイント(アイアンサイト代わりに使えるもの)、大型化された操作ボタン、ボタンロック機能などが挙げられる。
RMR HD のレティクルと自動輝度
公式ページによると、RMR HD は3.25 MOAのドットと、55 MOAのサークルを切り替えられる。つまり、状況に応じて、素早く狙うか、正確に狙うかを選べる。
また、前方の照度センサーが、ターゲット側の明るさを測り、輝度を自動で調整する。そのため、屋内外を行き来する場面でも、ドットが見づらくなりにくい。ただし、自動調整の効き具合は、好みが分かれる部分である。
RMR HD のレンズとインデックスポイント
レンズの大型化においては既にSROで実現していたTrijiconだが、やはり専売特許でもある耐衝撃性能を備えた RMR ハウジングを残しつつレンズ面積を拡大したことは、ヘビーユーザーにとっては新たな選択肢となる機種と言えるだろう。また、ハウジングの延長によりRCRほどではないもののドットを見失いにくくなったことは、一般ユーザーにとってもメリットが大きい。
RMR HD の上部には、インデックスポイントが設けられている。これは、アイアンサイトの代わりに、素早く照準を合わせるための目印である。さらに、操作ボタンが大型化されたことで、手袋をした状態でも操作しやすくなった。
Trijiconは、軍や法執行機関の基準を満たすリフレックスサイトとしてこれら新機種を発表したが、他メーカーでも同様の製品が目立つ。民間市場も含めて、今後の主流はこのようなクローズドサイトやそれに近い大型レンズand大型ハウジングのモデルに置き換わっていく予感がする。
RCR と RMR HD、どちらを選ぶか
耐久性と防塵・防滴を最優先するなら、RCR が向いている。一方、視野の広さと多機能さを求めるなら、RMR HD が候補になる。つまり、重視する点で選択が分かれる。
どちらも、RMRのフットプリントを引き継ぐため、既存の環境を活かしやすい。ただし、価格や在庫は販売店ごとに異なる。そのため、購入前に最新の情報を確認してほしい。
基本的なドットサイトとしての仕組みは変わらないものの、ハイエンドメーカーでの新たな設計思想や新機能を参考にミドルクラスのメーカーによる新モデル展開も加速しているリフレックスサイト。今回のTrijiconの新モデル発売をうけ、ことクローズドモデルについては更に様々なメーカーが選択肢を増やしていくことだろう。筆者としてもリフレックスサイトの行きつく1つの答えはクローズド・リフレックスにあると睨んでいる。
エアソフト業界でもNOVEL ARMSがSROにならったモデルを開発するなど動きが活発な中、エアソフト系メーカーの次なる製品開発の焦点は是非クローズドモデルに合わせてもらいたいところだ。
エアソフトでの RCR の見方
サバゲーでは、実物に近い外観を楽しむ人も多い。そのため、RCR のような新型サイトの形状は、今後のレプリカの題材にもなり得る。ただし、現時点でレプリカの発売が決まっているとは限らない。
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RCR に関するよくある質問(Q&A)
Q. RCR とは、どんなリフレックスサイトですか?
Trijiconが発表した、RMRベースのクローズド型リフレックスサイトである。発光ユニットを密閉し、耐久性を高めている。
Q. RCR の正式名称は、何ですか?
Ruggedized Closed Reflexの略である。RMRがRuggedized Miniature Reflexであるのに対し、クローズド型であることを示す。
Q. RCR は RMR のマウントに載りますか?
RMRと共通のフットプリントを持つと案内されている。ただし、ハウジングが大きいため、周辺パーツとの干渉は確認したい。
Q. RMR HD とは、どんなモデルですか?
RMRの耐衝撃性を残しつつ、レンズを大型化したモデルである。また、サークルレティクルや自動輝度調整などの機能を備える。
Q. RCR と RMR HD の違いは、何ですか?
RCR は、発光ユニットを密閉した構造が特徴である。一方、RMR HD は、機能面の強化と大型レンズが中心である。
Q. RCR の電池は、どれくらい持ちますか?
公式ページには、明るさ10段階中の5で、連続使用6年以上と記載されている。ただし、使用環境によって異なるため、目安として考えたい。
Q. RCR は、ハンドガン以外でも使えますか?
はい。ライフルのドットサイトとして、またスコープのバックアップとしても使える。そのため、1台で複数の用途に対応しやすい。
Q. RCR や RMR HD は、サバゲーでも使えますか?
実物のサイトは、サバゲーでも使われている。ただし、エアソフトガンに載せる場合は、マウントの対応を確認する必要がある。
