ブローニングM2について
重機関銃のブローニングM2は、ジョン・ブローニングが第一次世界大戦末期に開発した、信頼性の高い大口径の銃です。この記事では、開発の経緯とバリエーション、日本軍での使用までをまとめます。
重機関銃ブローニングM2の要点まとめ
- 1933年にアメリカ軍が制式採用した、50口径の重機関銃
- 第二次世界大戦中に、200万挺以上が生産された
- 採用国は100ヶ国以上で、現在も生産と配備が続いている
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設計者 | ジョン・ブローニング |
| 制式採用 | 1933年(アメリカ軍) |
| 特徴 | 簡単な部品交換で、左右どちらからでも給弾できる |
| 別名 | スリーメン・ウェポン |
ブローニングM2重機関銃とは、ジョン・ブローニングが第一次世界大戦末期に開発した重機関銃である。1933年にアメリカ軍に制式採用された重機関銃。信頼性や完成度の高さから現在でも世界各国で生産と配備が継続されている。汎用機銃の代表格として確固たる地位を築いている。
そのため、ブローニングM2は、汎用機銃の代表格として知られています。まずは、開発の背景から見ていきましょう。
元々は第一次世界大戦の戦訓から、装甲目標や航空機の撃破を念頭に置いて開発された。1921年の採用から20年ほどの軍政的空白期を経て、第二次世界大戦で大量に発注。大戦中だけでも200万挺以上が生産され、当時のアメリカ製戦闘機や軍用車両の多くに搭載されていた。1982年のフォークランド紛争では、アルゼンチン軍が本銃にスコープを取り付け狙撃銃として用いていた。
また、この銃は陸上だけでなく、戦闘機や軍用車両にも搭載されました。そのため、用途の広さが高く評価されています。
ブローニングM2とは
ここからは、M2が完成するまでの流れを、年代順に整理して紹介します。
ジョン・ブローニングが設計を手掛けて1918年に試作型が完成。戦時下だった為、M1918として仮制式化されたものの欠点が多く、改良を加えられてM1921となったが、それでも一部の欠点が是正できなかった。工学博士のスミス・グリーン大佐が根気よく本銃の欠点を改修し続けて、1933年にブローニングM2重機関銃が完成する。アメリカ軍では様々な銃架に載せられ陸・海・空軍を問わず広く配備された。歩兵でも3人で運搬でき、そのため「スリーメン・ウェポン」とも呼ばれる。簡単な部品交換だけで左右どちらからでも給弾できることでも、柔軟な運用を可能にした。アメリカ以外にも、採用した国は100ヶ国以上ある。最近開発が進んでいる遠隔操作の無人砲塔と組み合わせる定番装備でもある。
このように、欠点の改修に長い年月をかけて完成した点が、M2の特徴です。そのため、完成度の高さにつながっています。
艦艇に搭載された例も多く、海軍でも広く使われています。そのため、陸海空の三軍で見られる銃です。
50口径の火力と重機関銃としての使われ方
50口径と云う高威力のM2は「対物火器」として対人使用は自粛が求められているが、戦場ではお構いなしで頻繁に対人で使われている。朝鮮戦争やベトナム戦争等で大口径の狙撃銃として使われた例もあり、ベトナム戦争では世界三大スナイパーの1人で元アメリカ海兵隊兵士のカルロス・ハスコック1等軍曹がM2にスコープを取り付け、約2500ヤード(約2300m)先に潜んでいる北ベトナム兵を狙撃、この事が後にM82などの大口径アンチマテリアルライフルを生むきっかけとなった。1982年のフォークランド戦争でも陣地に籠もるアルゼンチン軍が装備するスコープ付きM2による狙撃に、質量共に優れるイギリス歩兵が多大な被害を受け、陣地1個1個に対してミラン対戦車ミサイルを撃ち込んで始末したとの逸話もある。高い火力と汎用性からテロリストにも重用され、武装集団が敵を建物の壁ごと貫通射撃して殲滅させたとの事例が多数報告されている。バレルの交換と再装填に時間がかかる為、1990年代にベルギーのFNHがこの問題点を解決するため改良を加えた、M2HB-QCB(M2A1)を開発した。
一方で、バレルの交換に時間がかかる点は弱点でした。そのため、後にM2HB-QCBという改良型が登場しています。
さまざまな場所に載せられてきたのが、M2の大きな特徴です。そのため、写真でも多様な姿が見られます。
バリエーション
そのため、ここでは、運用の幅が広いために生まれた、代表的な派生型を順に紹介します。
・AN/M2:航空機搭載型。M2を航空機に乗せるため改造したモデル。コックピットからの遠隔操作で発射できるようになっている電磁トリガー型がある。ベトナム戦争に入り、ヘリコプターなどにも搭載された。
そのため、航空機向けに改造されたAN/M2は、ベトナム戦争ではヘリコプターにも搭載されました。
・AN/M3:AN/M2の発展型。電気モーターを用いた補助機構で発射速度を強化している。
一方、AN/M3は、電気モーターの補助機構で発射速度を強化した発展型です。そのため、火力の面で優れています。
・GAU-15/A.GAU-16/A.GAU-18/A:AN/M2.AN/M3を基に軽量化されたヘリコプター搭載型。
また、GAU系は、AN/M2やAN/M3を基に軽量化されたヘリ搭載型です。そのため、航空機への搭載に向いています。
ヘリコプター搭載型の重機関銃とM3P
・M3M/GAU-21:AN/M2を基にしたヘリ搭載型。FN社製。ヘリコプターの側面ドアに銃架と共に固定されており、安定性が上がっている。
M3P:AN/TWQ-1 アベンジャー防空システムに搭載するために開発された、FN社製のAN/M2の発展型。発射速度が950発/分と1,100発/分の選択式となり、銃口部に大型の筒形フラッシュハイダーが装着された。給弾方式は機械式のメタルループ方式となっている。
そのため、搭載する場所に合わせて、発射方式や外観が変更されています。
コピーモデルと後継の重機関銃
・12.7 Lkk/42 VKT:フィンランドでコピーされたM2。
・K6:韓国の統一重工業が老朽化したM2の代替に設計したコピー。銃身に把手を取り付けて、銃身交換を容易にしたもの。1989年から韓国軍に配備されている。
また、韓国のK6は、銃身に把手を付けて、交換を容易にしたコピーです。そのため、運用面の改良が加えられています。
・BRG-15:FN社がM2の後継に提案した改造型。口径の大きい15.5x106mm弾を使用。
M85:ジェネラル・エレクトリック社がM2の後継としてM2の設計を発展させて開発した50口径重機関銃。まず車両搭載用として開発され、M60戦車とLVTP7水陸両用装甲車に搭載されたが、問題が多く、M2の後継とはならなかった。
問題が多かったM85は、M2の後継にはなりませんでした。一方、XM806は開発が中止されています。
・XM806:ジェネラル・ダイナミクス社がM2の後継として開発を行っていた50口径重機関銃、2012年に開発が中止された。
つまり、後継機種の開発は何度も試みられましたが、M2の座は揺らぎませんでした。そのため、長く使われ続けています。
【日本軍での使用】
太平洋戦争では、日本軍もM2の系統をベースにした航空機関砲を採用しました。そのため、日本とも縁の深い銃です。
・ホ103:太平洋戦争では日本軍でも航空機関砲(固定式・旋回式)としてブローニング系機関銃やその改良型が大々的に使用された。陸軍は、M2重機関銃の航空機搭載型であるAN/M2(MG53-2)をベースとし、ブレダSAFAT 12.7mm重機関銃の実包(12.7x81mmSR)規格に変更し、独自の改良を施した、ホ103(一式十二・七粍固定機関砲)を採用し、一式戦「隼」を始めとする大半の陸軍戦闘機に装備した。
一式戦「隼」をはじめ、多くの陸軍戦闘機にホ103が装備されました。そのため、日本の航空機史でも知られています。
陸軍のホ5と海軍の三式十三粍固定機銃
・ホ5:ホ103をベースに20mm弾(20x94mm)に対応するように拡大改良したホ5(二式二十粍固定機関砲)を開発採用、四式戦「疾風」を始め、太平洋戦争中期以降登場の多くの陸軍戦闘機が装備した。
また、20mm弾に対応させた拡大改良型がホ5です。そのため、四式戦「疾風」などに装備されました。
・三式十三粍固定機銃:海軍でもM2をベースに、オチキス(保式)系である九三式十三粍重機関銃の銃身と13mm弾(13.2x99mm)を用いる三式十三粍固定機銃として採用したが、搭載機は大戦後期登場の零戦五二乙型以降の少数の海軍戦闘機のみに留まった。
ただし、陸軍と海軍では、採用した機銃の規格や口径が異なっていました。
トリビアの泉で試された威力
この機関銃、人気番組トリビアの泉のコーナー、トリビアの種に「日本刀とマシンガンどっちが強いか?」という応募が寄せられた時、マシンガンの代表に選ばれた。ちなみにどちらが勝ったかと言うと、発射後7発目にM2が日本刀を真っ二つにへし折った。
この結果から、M2の威力の高さがうかがえます。そのため、テレビ番組でも取り上げられました。
ジョン・ブローニング
M2の生みの親であるブローニングは、アメリカ合衆国の銃器設計家です。そのため、ここで簡単に紹介します。
ジョン・モーゼス・ブローニング(John Moses Browning)は、アメリカ合衆国の銃器設計家である。
ブローニングは、M2以外にも数多くの銃を設計しました。そのため、銃器史に名を残す人物として知られています。
まとめると、ブローニングM2は、長い年月をかけて完成した重機関銃です。そのため、今も世界中で現役の存在として知られています。
重機関銃に関するよくある質問(Q&A)
Q. ブローニングM2はどんな重機関銃ですか?
ジョン・ブローニングが開発し、1933年にアメリカ軍が制式採用した重機関銃です。
Q. スリーメン・ウェポンとは何ですか?
歩兵でも3人で運搬できることから付いた、M2の呼び名です。
Q. 重機関銃のM2は何カ国で採用されていますか?
採用した国は、100ヶ国以上あります。
Q. M2は第二次世界大戦でどれくらい生産されましたか?
大戦中だけでも、200万挺以上が生産されました。
Q. M2は重機関銃なのに狙撃に使われましたか?
はい。ベトナム戦争ではスコープを付けて約2500ヤード先を狙撃した例があり、後のM82誕生のきっかけとなりました。
Q. M2HB-QCB(M2A1)とは何ですか?
1990年代にFNHが、バレル交換と再装填の問題を解決するために開発した改良型です。
Q. 日本軍はM2を使いましたか?
航空機搭載型のAN/M2をベースに、ホ103などの航空機関砲を開発し、陸軍戦闘機に装備しました。







