VFC M4 ガスブロ がV3へと進化。その変遷をたどる

VFC M4 ガスブロ がV3へと進化。その変遷をたどる
VFC M4 ガスブロ がV3へと進化。その変遷をたどる
 

リアルな外観と安定した動作で人気の VFC M4 ガスブロ
Ver.1からVer.3まで、その内部仕様の違いとは?

海外製 M4 ガスブロ の中でも、表面処理の美しさとリアルな外観、近年のモデルでは箱出しで十分なクオリティーの実射性能を誇るVFC(Vega Force Company)のM4/ARライフル。いまや M4 ガスブロ の選択肢の1つとして高い人気を誇ります。

現在でこそ M4 ガスブローバックは国内外のメーカーからも様々なモデルが発売されていますが、黎明期にはWA/M4をベースに好みのカスタムを行なったり、弊社としても思い入れのあるInokatsu M4が中心となっており、VFCのようなお手頃感とクオリティーを両立したモデルはなかなか存在しませんでした。

M4 ガスブロ

その後、VFCやWEからも M4 ガスブローバックが発売されると、限られたメーカー一択だった市場の雰囲気は一変。特にVFC M4はレシーバーに実物同様のリアルサイズを採用したり、ハンマートリガー、テイクダウン・ピボットピンデテントやセイフティーデテントピンの位置も実物に準拠しており、マニア心をくすぐるリアルな構造が話題となりました。

VFCからはその後 様々なM4/AR系モデルがラインナップされましたが、それに伴って内部の仕様変更も行われてきました。今回はそのVFC M4 GBBについて、内部仕様の変遷をご紹介したいと思います。

 

VFC M4 ガスブロ には大きく分けて3種類の世代が存在

VFC M4系は内部機構を大きく分類すると、初代 Ver.1から現在のVer.3まで3種類の世代が存在します。

Ver.1は内部パーツであるハンマー、トリガー・ディスコネクターなどの主要部品は亜鉛ダイキャストのパーツが使用されていました。亜鉛ダイキャストパーツは古くからトイガンの金属部品として親しみがあり、現在でも主流の素材です。しかし、 M4 ガスブロ のような質量のあるボルトキャリアのストロークとブローバックの衝撃では割れてしまったり、また軟金属のため摩擦や打撃によって変形し易い素材でもあります。

結果として、初期のころは耐久性の面で少々頼りないイメージがVFCには付いてしまいました。

 

Ver.2より内部パーツがスチール化

M4 ガスブロ

2015年頃より、VFCより発売される製品の仕様がVer.2となり、ハンマー、トリガー・ディスコネクター、ボルトストップ、ファイヤリングピン・ブロックと負荷がかかる主要パーツがフルスチールとなりました。(※2014年頃より、交換パーツとして既にスチールパーツが発売されていました。)

主要パーツがスチール化したことにより変形や摩耗の影響が少なくなり、経年劣化による動作トラブルを最小限に抑えることができます。またハンマーとシアが硬度の高い金属同士で噛み合うことにより、トリガーの切れ味(トリガーフィール)も向上しています。

筆者も経験がありますが、亜鉛ダイキャストのハンマーが動作中に割れてしまった場合、破片の行き先によってはテイクダウンが困難になることもあります。内部主要パーツのフルスチール化は、ガスブロユーザーにとって安心して運用できる有効な対策でした。

また、Ver.2からはチャンバー周りにも仕様変更が見られます。
Ver.1はホップアップパッキンがチャンバー内部に仕込まれる構造で、バレルエクステンションのフィーディングランプとチャンバーの外側が組み合わさってフィーディングラインが形成される構造でした。

Ver.2からは、現在 他メーカーの M4 ガスブロ も採用している、ホップアップパッキンが露出する構造に変わります。

この変更によるメリットは様々考えられますが、一番恩恵が大きいのはボルトが後退を始めてもローディングノズルとホップアップパッキンがしかりと嵌合することです。これによりノズル内へのガス流入が更にしっかりと行われるようになり、安定してブローバック動作をするようになりました。

また、チャンバーとの気密性も向上し、安定した弾速を維持することにも繋がります。

そしてVer.2が登場してから数年後、ある時期よりローディングノズル上部には「M4/416 V3」という刻印が入り、先行してVer.3へと仕様変更したパーツが使用されるようになります。

国内に正規で輸入されているモデルに限って確認を行ったところ、初速調整が可能なNPAS仕様となっていました。季節によって初速が変動するガスブロをサバゲーで安心して運用するためにNPASは必須ですので、メーカー標準搭載は嬉しい限りです。

 

Ver.3の大きな違い

alt="M4

M4 ガスブロ 本体製品としては、KAC SR-16 E3 Mod2 M-LokよりVer.3扱いとなりました。ハンマーなどの機構部品にスチールパーツを使用する点はVer.2と違いはありませんが、大きな変更点としてVer.1から採用し続けてきたバルブロックレリーズ機構が無くなりました。

ガスブローバックの仕組みは、ハンマーがバルブノッカーを叩き、バルブノッカーがマガジンのキックバルブを叩くことでガスを放出させています。

VFC M4 ガスブロ のVer.2までは、キックバルブはバルブロックという機構でバルブが押された状態を保持し、ボルトキャリアやスライドが一定位置に後退するまでガスを放出させる仕組みとなっています。Ver.1~2は、ボルトキャリアが画像の切り欠きの位置を越えるとバルブロックレリーズが働き、ガスの放出をストップさせています。

M4 ガスブロ

2022年から登場したVer.3では、このバルブロックレリーズが撤廃されています。では、どのように適切なガス放出をコントロールしているのでしょうか。ポイントは、ハンマーダウン時のハンマーの位置にあります。

画像をご覧頂くと分かる通り、Ver.3はハンマーダウンした際のハンマー位置がVer.2と比べてかなり寝た位置にあります。この位置で既にハンマーはバルブノッカーを最大限前進させており、マガジンのキックバルブを叩いた状態です。この状態でハンマーを指でコッキング位置まで動かしていくとバルブロック機構が無いためノッカーが戻ってきます。

Ver.3ではハンマーがVer.2よりも寝た位置にあることがポイントで、これによりボルトキャリアがハンマーを起こし始める点をver2よりも後方に位置させ、ガス放出を維持させています。Ver.3でハンマーを起こす位置は、Ver.2のバルブロックを解除する位置(バルブロックレリーズのあった位置)と同じに設計されているのです。

Ver.1より採用していたバルブロックレリーズは薄い金属板のため、摩耗や変形により、生ガスを吹いてしまうなどの動作不良を起こす原因の一つとなっていました。

バルブロックレリーズを無くした改修により、Ver.3はVer.2に比べパーツ点数を減らしよりシンプルな構造へと生まれ変わっているのです。パーツ点数が少なく済むということは、それだけ余計な機械的トラブルが起きづらくなったり、メンテナンスや修理が簡易化されることに繋がる大きなポイントです。

また、ハンマーのノッカーを叩く箇所にはHEXのネジが埋め込まれていますので、このネジを調整して手前に出すことにより、ハンマーは更に寝た位置にでき、ガスカットのタイミングを更に遅らせることができます。

気温が低い時季などガス圧が低く動作が不安定になる場合は、このHEXネジを突出させてガスを放出時間を長くすることで動作が改善することがありますのでお試し下さい。
※初速も増減するためノズル側のNPAS調整もお忘れなく!

M4 ガスブロ

そしてVer.3にはチャンバーとホップ周りにも変更がありました。

まず、バレルエクステンションが金属製から樹脂製へと変更になりました。バレルエクステンションにはマガジンからの給弾のためにフィーディングランプという溝があります。金属製の場合、ボルトキャリアの前進速度を考えると、給弾の際にBB弾に少なからず傷を付けてしまいます。それは実射性能への影響もゼロではありません。樹脂製となったことによりBB弾への攻撃性は優しくなったと考えられます。

また、ホップアップの調整機構が大きく変わり、KAC E2 mod2よりガスブロック側から六角レンチでホップ調整が行えるようになりました。ややリアルさには欠ける仕様ではありますが、サバゲーフィールドにおいてホップアップの微調整を容易にしています。

 

VFC M4 ガスブロ の各Ver.の互換性とこれから

ORGA AIRSOFTに2022年8月時点で入荷したVFC M4 ガスブロ 製品については、Ver.3の採用が確認できています。

また、VFC OEMでBCM Airとして発売されたBCM AIR MCMR 11.5はボルトキャリアが純正でスチールとなっていますが、UMAREXのOEM機種については現在も亜鉛ダイキャスト製ボルトキャリアとなっています。

ボルトキャリアはスチール、亜鉛ダイキャスト問わず、Ver.3であってもVer.1~2のバルブロックレリーズ制御用の切り欠きがあることが確認できますので、交換パーツとして各Ver.共に問題なくご使用頂けます。

ファイヤリングピンブロックの形状は、モデルによって完全にVer.3化されたものや、Ver.2と同じ形状の物が散見されます。ロアレシーバーの切削の形状も異なるため、保守用パーツとして部品をお求めの際は注意が必要です。

バレルエクステンションは樹脂製となりましたが、寸法は金属パーツと同じですので従来のアッパーレシーバーにも取り付けが可能です。現在、樹脂製のバレルエクステンションとチャンバーユニットのセットが保守用パーツとして販売されておりますが、付属するチャンバーユニットは従来のアッパーレシーバーの内側からホップ調整するネジ穴がありません。そのため、アウターバレル基部に調整用の切り欠きが無い場合はHOP調整が煩雑となりますので、こちらも注意が必要です。

 

海外トイガン製造メーカーのリーディングカンパニー、VFC(Vega Force Company) M4 ガスブロ の内部仕様についてご紹介をさせて頂きました。

VFC M4発売から10年。
これからの更なる進化とニューモデルのリリースにご期待ください!

 
【VFC OEM】UMAREX ガスブロ商品一覧はコチラ!
※商品名にV3表記のないものはV2となります。順次モデルチェンジしていきますので、V3をご希望の方はご注意ください。

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※V3モデルとなります。

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※商品名にV3表記のないものはV2となります。順次モデルチェンジしていきますので、V3をご希望の方はご注意ください。

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