ORGA WIDEBOREシリンダー ノズル長について

ORGA WIDEBOREシリンダー ノズル長について
ORGA WIDEBOREシリンダー ノズル長について
 

ORGA WIDEBOREシリンダーで利用しているノズルについて

2018年7月23日よりデリバリーを開始したORGA WIDEBOREシリンダーですが、ご予約分を含め、国内への出荷 約200本が完了致しました。現在は、順次ご注文頂いた分 + 海外分の発送対応中です。

弊社のTwitterでも公開させて頂いている通り、出荷先のトレポンユーザーさんから実射動画などもシェアしておりますので、ご覧ください。
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さて、今回デリバリーを行い、構成パーツについて何点かご質問を頂戴しましたので、SYSTEMA製のパーツとの比較にて以下掲載させて頂きます。

ノズル長について

WIDEBOREシリンダーのノズルは、他社と同様、ノズル先端 と ノズル胴 の2点のパーツから構成されています。(左がORGA・右がSYSTEMA)

トレポンノズル

ノズル先端の設計ですが、従来のトレポンチャンバーの利用を前提に開発してますので、基本的な設計はSYSTEMAと同じです。この部分の長さや設計を変えてしまうと、従来のトレポンチャンバーをご利用の場合は不具合が出ます。

トレポンノズル

WIDEBOREの方は、フランジの外径のみ若干細くしてあります(SYSTEMAはΦ9.1・ORGAはΦ8.9)理由は、昨今、SYSTEMAをはじめ、サードパーティの生産するチャンバー公差が著しく、チャンバー内部の内径が製品ごとに異なっていたり、チャンバー自体のセンターが出てなかったりする物が多く見受けられて来た為です。酷いものだと、箱出しの状態でノズルがチャンバーにハマってしまったり、組んで1発目でBB弾をチャンバー内部で噛んでしまったりするトラブルが発生しています。
それらの「生産公差」を対応する為、良い意味でクリアランスを持たせる為にフランジ外径を微量ですが小さくしてます。

ノズル胴について

ノズル銅についても基本的な設計は同等ですが、1点だけ異なる点があります。WIDEBORE用のノズル銅の長さは、ピストンヘッド側をSYSTEMAよりも1mm程長くしてあります。
※ピストンヘッド側(ノズル銅後方)が長くても、チャンバーに挿入されているノズル先端の後退量は変わりません。

この設計にも意味があり、以下の2点となります。

1)ノズルをしっかり後退させる
トレポンは、シリンダーヘッド内部のシリコンOリングで「ノズル銅を引っ張る」方式を用い BB弾をチャンバーへ給弾させます。言い換えると、シリコンOリングがヘタってきた場合は、適正な位置より前でノズルを離してしまうので、給弾のトラブルが発生します。その際には、昔からメンテナンスの話しでも出回っている シリコンOリングの交換で対応できますが、この「ノズルを後退させる」という作業を適性な位置まで引っぱり切らせる為に(Oリングにしっかり噛ませる為)ノズル銅後方の長さを延長しています

2)ノズル後退時間の延長
考え方は電動ガンのセクターチップと同じです。ノズル銅が長い場合、短い物よりもノズルを引っ張る時間が長くなります。そのことで、マガジンからチャンバーへBB弾が装填される時間を延長する事が可能になりますので、結果 チャンバーにしっかりとBB弾を送り込む事ができる。という意味合いがあります。
また、昨今ではLIPO11.1vの運用が主流となり、フルやバーストのサイクルも早くなってきています。中には14.8vで運用しているトレポンユーザーも見受けられ、このノズル後退時間の延長は、意味を成します。
よって、ノズルが1mm長いからトラブルが起きるという事はありません。

実際にシリンダーヘッドにノズルを組んだ比較が以下。シリンダーヘッド内側の溝(チャンバーが差し込まれる所)も同等の寸法となり、飛び出ているノズルの長さも同じです。

注意点

シリンダー・チャンバーなどで良く寄せられがちな質問として、給弾の問題があります。上記の通り、本シリンダーは、給弾に関係するパーツの設計は同等ですので、シリンダーを交換したら給弾でおかしくなった というトラブルはありません(数多くの出荷の中で見落とした製品公差があった場合はごめんなさい)
発売以降、数多くのレビューや動画など頂戴しておりまして、ほぼ全てのユーザー様にご満足頂いております。しかしながら、数件のお客様より給弾についてのトラブル報告を頂き、お話させて頂いておりますが、その殆どが、以下の問題となりますので、参考にしてください。

 

1)社外アウターバレルと利用しているアッパーとの相性
トレポンのアウターバレルは様々な物が販売されていて、各社 微妙に設計が異なります。中には、そのまま組んだだけではトラブルが起きてしまう製品もあります。私共の場合は、それらの良し悪しを考慮した対策を行い、組み込みますが、全てのショップがその経験と技術を持っている別けではありません。というのも、殆どのケースがショップコンプリートのトレポンで発生しています。コンプリートは、作るモデルによって様々なメーカーのパーツで構成しますので、製品の癖なども考慮した対策が必要になります。
アウターバレルを社外に変えると、基本、チャンバーの設置位置や角度なども変わりますので、その位置を適正に合わせる必要もあります。アウターのみであれば良いですが、アッパー(特にシリンダーを格納する内部スペースの公差)の精度も大きく影響します。

また、アウター先端にメスネジが切ってあるバレルをご利用の場合、付属するバレルアタッチメントがイタズラをする場合もあります。バレル内径はキッチリした精度で抜かれているのに、アタッチメントのセンターが出ていないケースがあります。その状態でチャンバーを組んでしまうとアウターバレルの出口でインナーバレルの角度を変えてしまいますので、自ずとチャンバーに傾斜が着いてしまいます。
その場合は、アタッチメントをΦ10.5~10.8で開け直すと修正できますので参考にしてください。

2)シリンダーのガタツキ
シリンダーはチャンバーとストックパイプに付帯するストックチューブキャップで挟む事によって固定されます。その際、ストックチューブキャップにワッシャーを入れ、最終のホールド力を決めるのですが、この「ホールド力が甘い」設定が多く見受けられます。マガジンを抜いた状態で、マガジンホールから手を入れてシリンダーを触った状態で射撃した際、シリンダーが後方に微量でも動く様であれば調整が必要です。

3)マガジンキャッチ
こちらも各社、様々なマガジンキャッチが販売されておりますが、各社とも設計が異なります。昔程 差は無くなったとは思いますが、中には、マガジンキャッチの高さが低い物もあります。その場合、マガジンが適正にチャンバーに設置する事ができず給弾不良が起こります。

最後に利用するマガジンの精度も影響することはありますが、テスト用として、SYSTEMAやFCCのGen3を持っていれば、マガジンでのトラブル発生は消去できます。
基本的にアッパーアッセンブリーの精度が出ていれば、問題なく給弾できますし、殆どのユーザーがトラブルレスでご利用出来ています。トラブルが発生する様でありましたら、基本的には上記の3点に要因(特に1番)がありますので、ご自身でチェック 若しくは、トレポンを作られたショップさんへ、先ずご相談ください。