人気ドットサイトT1タイプの徹底比較
NOVEL ARMS COMBAT AIM T1 vs Bushnell TRS-25
サバゲーマーにとって、アサルトライフルをメインウェポンをとして購入した後、大抵の場合次に通る道がドットサイト選びではないだろうか。勿論、オープンサイトが見やすいというプレーヤーもいるのは事実だが、ドットサイトを載せた方がサイティングしやすいという意見が大半であろう。電動ガンにはせっかくレールが付いているのだから、自身の愛銃のドレスアップも兼ねて何か取り付けたいという衝動にかられるのもよくあること。
これは何もビギナーに限ったことではなく、2本目3本目とエアガンが増えていくと、光学機器は何を載せるかという悩みが常につきまとうもの。そしてサバゲーに慣れれば慣れるほどノンブランドの当たり外れの罠にハマっているサバゲーマーも多いのではないだろうか。調整幅が少なく弾道にドットを合わせられなかったり、光源が弱くて昼間のアウトドアでは使えなかったり…という経験をしたことがある人は少なからずいると思う。
ここで、実物ドットサイトを買うという選択肢も出てくるわけだが、実物は大抵の電動ガンより高価でまさに高嶺の花。やはりレプリカを買うしかないのかと、肩を落とすなかれ。ここ数年においては、レプリカというより、実物モデルをベースに独自開発し、比較的安価(レプリカに比べると高いが)ながらも実物ドットサイト並みの精度、耐久性を備えるハイレベルなドットサイトが出てきている。
今回はそんなサバゲーにおけるドットサイトの中でも、国内メーカーではサバゲーマーの間で断トツの知名度を誇るNOVEL ARMSと海外の実銃用のドットサイト・スコープメーカーであるBushnellの製品を比較したいと思う。
比較対象とするのは、それぞれAimpointの名作ドットサイトT-1を模した製品、NOVEL ARMSの「COMBAT AIM T1」とBushnellの「TRS-25」だ。
基本スペック
NOVEL ARMS COMBAT AIM T1
重量:177g(ハイマウント含む)
全長:68mm
対物レンズ直径:22mm
対眼レンズ直径:16mm
レール上部からレンズ中央までの高さ:約42mm(ハイマウント含む)
ドットサイズ:4M.O.A.
照度調整:11段階
使用電池:CR2032
ORGA Webshopでの販売価格:14,980 円(税込)
Bushnell TRS-25
重量:168g(ハイマウント含む)
全長:63mm
対物レンズ直径:20mm
対眼レンズ直径:14mm
レール上部からレンズ中央までの高さ:約42mm(ハイマウント含む)
ドットサイズ:3M.O.A.
照度調整:11段階
使用電池:CR2032
ORGA Webshopでの販売価格:16,800 円(税込)
どちらもT1タイプのドットサイトということもあり非常にコンパクトで軽いが、TRS-25の方が一回り小さい印象。レールからレンズまでの高さはどちらも同じなので使用感の差はないだろう。ただし、レンズ直径の分レンズを通した視界は若干COMBAT AIM T1の方が広い。実際、ドットサイトはレンズを覗かない左目も開いて使用するため、あまりレンズ視界の差は影響が少ないので基本的なスペックでは両者に大きな差はないと言える。
また、COMBAT AIM T1は「TOYGUN USE ONLY」との表記が箱にあるが、海外などではNOVEL ARMS製品を実銃で使用しているユーザーもおり、耐久性は大差ないとみてよいだろう。
外観上の大きな違いは照度調整のスイッチが真横につくか斜め上につくかといった点。スイッチはどちらも薄く作られているので視界の邪魔にならず、また位置の差による操作性の良し悪しも特には感じられない。
照度調整段階数や使用電池は共に同じである。
左がNOVEL ARMS COMBAT AIM T1、右がBushnell TRS-25
レティクル
RED DOTとなり、ドットは滲みなどもなくどちらも美しい円形だ。ドットの大きさがCOMBAT AIM T1が4M.O.A.に対しTRS-25は3M.O.Aと若干小さい。M.O.A.とは照準器におけるドットの大きさを表現するのに使われるが実際は角度の単位で、100ヤード(91.44m)先で1インチ(25.4mm)の高さとなる角度を1M.O.A.とする。サバゲーでの交戦距離は最大でも50m程度と考えると、COMBAT AIM T1のドットは50m先で55.2mm、TRS-25で41.4mmとなる。ドットの大きさは2~4M.O.A.が一般的には使いやすい大きさとなるので、どちらも標準的なサイズと言え、ここは好み次第で選ぶと良いといったところ。
ドット位置の調整幅はどちらも必要充分な量を備える。
左がNOVEL ARMS COMBAT AIM T1、右がBushnell TRS-25。ドットの大きさ比較のためレティクルに焦点を合わせて撮影している。実際はもっと視界が広くドットは小さく見えるため肉眼時とは見え方が異なります。
視界の広さ比較。ドットサイトに焦点を合わせているためドットが大きく映っているが、実際はドットは小さく肉眼時とは見え方が異なります。
レンズ
どちらも対物レンズに綺麗なルビーカラーのマルチコーティングが施されている。対眼レンズから覗いた感じは透明度はどちらも高いが、TR-25が自然な色合いになのに対し、COMBAT AIM T1では若干であるが少し青みがかった色合いとなっている。とはいえ、安いレプリカ品と比べればまるで気にならないくらいの感覚である。
両者に差がある点でいうと、発光モジュールの出っ張り方に違いがある。レンズ内に映りこむドットを作り出す発光モジュールがTRS-25では目立たないよう背が低く抑えられているが、COMBAT AIM T1では少し高めで若干視界に入り込む。ドットに焦点を合わせてしまえば全く気にならない要素ではあるが、レンズ径を取るか、出っ張りの大小を取るかで好みが別れるかもしれない。
左がNOVEL ARMS COMBAT AIM T1、右がBushnell TRS-25。非常にわずかな差であるが、COMBAT AIM T1は若干青みがかっている。比較しないとわからないレベルである。
付属品
付属品には、エアソフト用なのか実銃用なのかで用途に合わせた違いが見られる。
まずはマウントだが、COMBAT AIM T1はマウントをハイマウントとローマウントで付け替えることができるが、必ずマウントが必要となる。対してTRS-25は本体のみでレールへの取り付けが可能な造りとなっており、ハイマウント時のみ付属の追加マウントを使用する形となる。COMBAT AIM T1はマウントの交換に専用の特殊レンチで4本のネジを使用するので少々手間がかかる。TRS-25は標準的な六角レンチでネジ1本でマウントの付け外しが可能だ。
だがエアガンのレールへのハイマウントの固定は逆にCOMBAT AIM T1が楽で、QDレバーでワンタッチの脱着が可能。TRS-25は大型六角ネジとなっているので、レールへの固定をしっかりするにはレンチなど工具が必要だ。
また、マウント以外でいうと、COMBAT AIM T1はサバゲーでの使用を考慮して、レンズの被弾防止にも役立つキルフラッシュが付属する。対物レンズ側の外装内側にねじ山が切られているため、クルクルと回してはめ込み見た目に違和感なく装着できる。
対してTRS-25は実銃用ということもあってかレンズ保護の付属品などは入っておらず、実際にサバゲーで使用するには何かポリカ板などを取り付けるなどしてレンズの割れ防止策を練ったほうがよさそうだ。
運搬時の保護用レンズキャップはどちらにも付属している。
ここまで比較を行ってきたが、価格帯も同じでドットサイトとして性能差はそこまで大きくないため、マウントの構造や付属品、そして最後はブランドや外観などの好みが選択の鍵となりそうだ。サバゲーでの利便性を第一に考えられたNOVEL ARMS COMBAT AIM T1を選ぶか、実銃用ブランドとしての硬派なイメージでBushnell TRS-25を選ぶか、是非自分に合うドットサイトをチョイスしてみて欲しい。
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