MWSガスブロ 命中精度アップカスタム 決定版|おすすめパーツと組み込みのコツ
東京マルイ MWSガスブロ の命中精度をもっと高めたいと思いませんか?この記事では、集弾性を向上させるカスタムの決定版として、効果的なパーツ選びから具体的な組み込み手順、調整のコツまでを網羅的に解説します。結論から言えば、命中精度アップの鍵は「インナーバレル」と「ホップアップシステム」の最適化です。定番おすすめパーツとその効果を詳しく紹介し、あなたのMWSを驚くほど素直な弾道を持つ一丁へと導きます。
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1. MWSガスブロ の命中精度を左右する基本要素
東京マルイ製ガスブローバックライフル「M4A1 MWS」やその他AR系ラインナップは、箱出しの状態でも高い命中精度と作動安定性を誇り、多くのサバゲーユーザーから絶大な支持を得ています。 しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出し、さらなる高みを目指すためには、まず命中精度がどのような要素によって決まるのか、その基本を理解することが不可欠です。ここでは、MWSの命中精度カスタムに着手する前に知っておくべき、ガスブローバックならではの特性や構造的な特徴、そして精度に直接関わる主要パーツについて詳しく解説します。
1.1 ガスブローバック機構が精度に与える影響
ガスブローバックライフル(ガスブロ)の最大の魅力は、実銃さながらのリアルな射撃フィーリングです。 しかし、そのリアルさを生み出す機構こそが、電動ガンと比較して命中精度に影響を与える要因ともなります。主な影響は以下の通りです。
- リコイルショックによるブレ:
BB弾を発射するたびに発生する強烈な反動(リコイルショック)は、ユーザーにとって大きな魅力ですが、同時に銃本体を大きく振動させます。 このブレが照準のズレを生み、特に連射時における集弾性の低下に繋がります。
作動パーツの振動: 発射時には、重量のあるボルトキャリアが高速で前後動します。この一連の動作が銃全体に複雑な振動を発生させ、インナーバレルやチャンバーといった弾道に直接影響するパーツにも微細な影響を与えます。
ガス圧の変動: ガスブロの動力源であるガスは、温度によって圧力が変動します。特に連射によってマガジンが冷えるとガス圧が低下し、初速の低下や弾道の不安定化を招きます。 - ガス圧の変動:
ガスブロの動力源であるガスは、気温や湿度によって圧力が変動します。特に連射によってマガジンが冷えるとガス圧が低下し、初速の低下や弾道の不安定化を招きます。 このように、射撃環境やマガジンの温度管理が命中精度を左右する重要な要素となります。
1.2 MWSガスブロ の構造的特徴
数あるAR系ガスブロの中でも、東京マルイMWSが軽快な動作性・高い命中精度を誇るのには理由があります。それは、長年のエアソフトガン開発で培われたノウハウが注ぎ込まれた、東京マルイ独自の優れた設計にあります。
- ZETシステムの恩恵:
MWSの心臓部ともいえるのが、独自のボックス型トリガーです。その特徴の一つがボルトキャッチの摩耗・破損を防ぐために開発された機構です。 この機構は、ボルトキャッチ作動時にボルトキャリアが前進する際にボルトキャッチが直接ボルトキャリアを止めるのではなくダンパー機能が付いたボルトキャッチプレートがボルトキャリア受け止めることで、ボルトキャッチには直に負担は掛からず高い耐久性を実現しています。 - 高精度なチャンバー周り:
高精度なチャンバー周り: BB弾に回転を加え、飛距離を伸ばすホップアップシステムは、命中精度の要です。MWSのチャンバーは非常に高い精度で設計されており、BB弾を常に適切な位置で保持することができます。 これにより、安定したホップ回転がかかり、素直で伸びのある弾道が生まれます。 - 強固なバレル基部:
強固なバレル基部: アウターバレルとレシーバーの結合部分の剛性は、射撃時のバレルのブレを抑える上で極めて重要です。MWSは、このバレル基部が強固に固定される構造を持っており、不要な振動を排除して高い集弾性を支えています。
1.3 命中精度に関わる主要パーツや使用BB弾
MWSの命中精度をさらに向上させるカスタムを考える上で、特に重要となるのが以下の3つの主要パーツです。それぞれのパーツがどのような役割を担っているのかを理解することが、効果的なカスタムへの第一歩となります。
- BB弾:
粗悪なBB弾はいびつで真球ではなかったり、直径精度が悪く大きかったり小さかったりします。それにより弾が真っすぐ飛ばなかったり初速が不安定になったりします。またバイオ弾は温度湿度の影響により変形する事があるので保管状態も重要です。 - インナーバレル:
BB弾が発射される際に最後に通過するパーツであり、その内径の精度や材質、内側表面の仕上げが弾道に直接的な影響を与えます。 内径がタイトなバレルは初速を向上させる傾向があり、一方で適度なルーズバレルはBB弾の回転を安定させやすいと言われています。
MWSガスブロ インナーバレル交換 参考記事はこちら - ホップアップシステム:
このシステムは、チャンバー本体、チャンバーパッキン(ホップアップパッキン)、ホップアーム、ホップテンショナー(押しゴム)で構成されています。 弾が通過する際に上部よりせり出した凸部により上向き回転が掛かりこの回転が飛距離を稼ぎ弾道安定に貢献します。ゴム製のチャンバーパッキンは、BB弾に直接触れて回転を生み出す最重要パーツです。チャンバーパッキンの硬度や形状、ホップ調整により回転のかかり方が変化し、弾道特性が大きく変わります。 - ノズル・ボルトキャリア:
ノズルは、マガジンからBB弾をチャンバーへ送り込み、発射ガスを放出してBB弾を撃ち出す役割を担います。 このノズルの作動安定性やガス放出量の均一性が、初速の安定、ひいては命中精度に繋がります。また、ボルトキャリアの重量や作動のスムーズさも、リコイルの質や連射時の安定性に影響を与えます。
MWSガスブロノズル交換 参考記事はこちら
2. MWSガスブロ 命中精度アップに効果的なカスタムパーツ
東京マルイMWSのポテンシャルを最大限に引き出し、より高い命中精度を実現するためには、内部パーツのカスタムが欠かせません。ここでは、特に命中精度向上に効果的なカスタムパーツを「インナーバレル」「ホップアップ関連」「ガス効率」の3つのカテゴリーに分けて、定番のおすすめパーツとともに詳しく解説します。
2.1 インナーバレル交換による精度向上
BB弾が発射される際に通るインナーバレルは、命中精度に最も直接的な影響を与えるパーツの一つです。内径や材質、精度によって弾道は大きく変化します。純正のインナーバレルも高品質ですが、シビアなグルーピングを求めるならより高品質で精密なインナーバレルへの交換が効果的です。ORGA LEX05バレル 内径6.05mm マルイ M4MWS用は国内生産でその精度に拘って精巧に仕上げられたインナーバレルです。
純正品は250mmですがインナーバレル長も160mm~410mmまで5種類のラインナップを揃えアウターバレル長に合わせたチョイスが可能です。例えばMWSは14.5インチのアウターバレルですので371mmの14.5インチ用インナーバレルがお勧めです。
2.2 ホップアップ関連パーツ
BB弾に回転をかけて飛距離を伸ばすホップアップシステムも、命中精度を左右する重要な要素です。特に、BB弾に直接触れるチャンバーパッキン(ホップアップラバー)と、その動きを制御するチャンバー周りのパーツをカスタムすることで、弾道の安定性を大きく向上させることができます。
2.2.1 チャンバーパッキンの選び方
チャンバーパッキンは、BB弾の保持位置と回転のかかり具合を決定する心臓部です。純正パッキンも優秀ですが、重量弾を使用したり、より安定した回転を求めたりする場合には、社外製のカスタムパッキンへの交換が有効です。 パッキンの硬度も重要で、軽量弾では柔らかめ、重量弾では硬めをチョイスする傾向にあり、また気温が低い時期は柔らかめ、高い時期は硬めを選ぶと安定した性能を発揮しやすいと言われています。ORGAでは実績豊富なPDI Wホールドチャンバーパッキン 50度を多く使用しております。
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2.2.2 ホップテンショナー
BB弾にしっかりと回転かける事が弾道の安定、飛距離を伸ばす為の重要な要素とのご説明を致しましたが、その為にはホップテンショナー(押しゴム)も重要なアイテムです。ホップテンショナーは経年劣化で潰れていくので定期的な交換も必要です。ORGAでのカスタム時にはしっかりと回転がかかるORGA WIDE HOPテンショナーを使用しています。
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2.2.3 ホップアップチャンバー強化パーツ
ホップアップチャンバーは、インナーバレルとパッキンを保持し、ホップ調整を行うためのユニットです。 MWSの純正チャンバーは材質は未公表ですが金属製です。社外製アルミCNCなど高剛性のチャンバーに交換することで、射撃時の振動によるブレを抑制し、ホップのかかり具合をより安定させることに繋がる場合があります。ただし社外製パーツに交換すれば全て性能が上がるとは限らず粗悪品にあたってしまうと返って性能ダウンや給弾不良などトラブルを起こす場合があるのでよく見極めながら選択する必要があります。ご自身で判断がつかない場合は経験豊富な信用のおけるショップに相談する事が確実かと思われます。
2.3 ガス効率を高めるカスタムパーツ
ガスブローバックライフルは、ガスの放出量が弾の初速やブローバックの強さに直結します。特に連射時(FULL)や気温が低い状況での使用はマガジンから放出されるガス圧が低く不安定になりがちで、それが初速低下やボルトキャリアの不完全動作、弾道の乱れにつながります。ガス効率を高めるカスタムは、安定した実射性能や命中精度の維持に貢献します。
2.3.1 ローディングノズル交換による性能向上
ローディングノズルの役割は、マガジンからBB弾をチャンバーへ送り込み、BB弾を発射し、次にボルトキャリアを後退させるという最重要パーツです。純正ノズルはABS樹脂製の為、摩耗・破損や変形が起きる事があります。それにより給弾不良や初速の不安定、ボルトキャリアの動作不良を招きます。ORGA FRAノズルは強化ポリマーを使用しているため東京マルイ純正ノズルに比べ強度が高く耐久性もあり、破損リスクが大幅に軽減します。ノズルによるトラブル防止にも有効なパーツとなっています。また破損を防ぐだけでなく、内部のフローバルブ位置の調整が容易に出来る事で、発射側・ブローバック側へのガスの放出量を調整でき、これが初速・弾道・ボルトキャリアの駆動安定化に貢献します。
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2.3.2 ガスルートパッキン
マガジン上部にあるガスルートパッキンは、マガジンからローディングノズルへガスを送り込む際の気密性を保つパーツです。 このパッキンが劣化するとガス漏れの原因となり、初速の低下や燃費の悪化につながります。純正よりも気密性や耐摩耗性に優れた素材を使用した強化ガスルートパッキンが他社から販売されており、これに交換することで、ガス放出のロスを減らし、より安定したガス圧をローディングノズルへ供給することが可能になります。
しかし本体、マガジンとの相性によりガスルートパッキンがノズルに強く押し付けられ過ぎボルトキャリアの動きが悪くなる場合もありますのでこちらも導入には慎重さが必要なパーツです。
3. MWSガスブロ 命中精度アップパーツの組み込み手順
東京マルイMWSガスブローバックの命中精度を最大限に引き出すためのカスタムパーツ組み込みは、道具を揃え、正しい手順と少しのコツを掴めば、決して難しい作業ではありません。この章では、具体的な分解・組み込みの手順を分かりやすく解説します。
3.1 作業前の準備と必要工具
カスタム作業をスムーズかつ安全に進めるためには、事前の準備が不可欠です。作業スペースを確保し、パーツの紛失を防ぐためにパーツトレイやマグネットシートを用意しておくと良いでしょう。MWSの分解・組み立てには専用の工具が必要だったり、治具などあると便利なツールもあります。これらを事前に揃えておくことで、パーツを傷つけるリスクを減らし、確実な作業が可能になります。また、分解前や分解中にスマホやデジカメで各部の画像を残す事で組み立て時に役立ちます。
3.1.1 必ず用意したい基本工具
- 精密ドライバーセット:
グリップやトリガーガードなど、各所のネジに対応するために様々なサイズのプラス・マイナスドライバーが必要です。 - 六角レンチセット:
ハンドガードやサイトの固定ネジなど、ミリピッチのレンチが多用されます。 - ピンポンチ:
トリガーピンやフロントサイトのピンなどを抜く際に使用します。 対象のピン径に合ったサイズを用意しましょう。 - プラスチックハンマーまたはゴムハンマー:
ピンポンチを叩いたり、固くはまったパーツを優しく外したりする際に役立ちます。金属製のハンマーはパーツを傷つけるため避けましょう - バレルナットレンチ:
ハンドガードとアウターバレルを固定しているバレルナットを脱着するための専用工具です。MWSに対応したものを選びましょう。ORGAでも日々のカスタム経験から専用工具をリリースしていますので、ご覧下さい。
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3.1.2 あると便利なアイテム
- ラジオペンチ:
細かいスプリングやパーツの着脱に便利です。 - パーツクリーナー:
分解時の洗浄や、古いグリスの除去に使用します。 - シリコングリス/スプレー:
Oリングや作動部分の潤滑に必要です。 - ネジロック剤:
振動で緩みやすいネジの固定に使用します。中強度のものがおすすめですがつけ過ぎは後々外せなくなる可能性もあるので適量でのご使用をお勧めします。 - メンテナンスマット:
レシーバーやパーツを保護し細かいパーツの転がりや紛失を防ぎ、作業台を保護します。
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強力なドライヤー的な工具となり、ネジロックが塗布されて硬いネジ等を緩める時にあると便利です。
バイスブロック:万力が必要となりますがアッパーレシーバー用、ロアレシーバー用があると分解・組み上げ時に役立ちます。
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3.2 インナーバレル交換の詳細手順
インナーバレルの交換は、命中精度向上カスタムの基本であり、最も効果を体感しやすいパーツの一つです。ここでは、純正のインナーバレルを取り外し、カスタムインナーバレルを組み込むまでの一連の手順を解説します。
3.2.1 テイクダウンとアッパーレシーバーの分解
https://orga-inc.jp/outline/mwshandguard-disassembly/
まず、レシーバー後方にあるテイクダウンピンを抜きテイクダウンをし、チャージングハンドルを少し引くと、ボルトキャリアアッセンブリーを後方に引き抜くことができます。チャージングハンドルもそのまま抜き取ります。その後ピポットピン(フロント側のピン)を抜きアッパーとロアを分けます。
3.2.2 ハンドガードとアウターバレルの取り外し
次にハイダーを時計回りに回し外しワッシャーやOリングも外します。ハンドガードリングを後方にずらしてハンドガード下部を外します。ハンドガード上部は後方にあるネジを外してから下部と同じ様にリングを後方にずらして外します。フロントサイトは下部のイモネジを緩め横ピンを左側から右側に向かいピンポンチで叩いて抜きます。これでフロントサイトとガスチューブは前方向に抜く事が出来ます。次にダミーバレルナット部の分解となります。下部のプラスネジを外す事でハンドガードリングやリングSPも外せます。最後にバレルナット基部を専用レンチにて反時計回りに回し外します。ネジロックが塗布されて硬い場合はヒートガン等で暖めると簡単に緩みます。
3.2.3 チャンバーユニットの分解とインナーバレルの取り出し
バレルナットが外れたら、アウターバレル一式をアッパーレシーバーから前方に引き抜きます。この際、ホップアップダイヤルを最弱(ホップがかかっていない状態)にしておき、アウターバレルの根元にゴムハンマーやプラスチックハンマー等で軽く衝撃を加えていくとアウターバレルが抜けてきます。アウターバレルは本体・Oリング・バレルコレットの3点で構成されております。アウターバレルが抜けたらチャンバーユニットを引き抜きます。インナーバレルの取り出しはチャンバー外周のOリングを外す事で左右に分割され簡単に分解できます。 チャンバーを開くと、インナーバレルとチャンバーパッキン、ホップテンショナーが現れます。 これらを慎重に取り出します。
3.2.4 新しいインナーバレルの組み込みと組み立て
お好みの長さのORGA LEX05バレル マルイ M4MWS用にチャンバーパッキンを組込みます。インナーバレルとチャンバーパッキンの位置と向きを確認しながらチャンバーパッキンを組み込んでください。次にチャンバー本体にインナーバレルを組み込みます。パッキン右横の四角い突起がチャンバーの四角い穴にきちんと入ってる事を確認しておきます。ホップアーム下部にORGA WIDE HOPテンショナーをセットし左側のチャンバーをチャンバーを被せOリングで固定します。インナーバレルをアウターバレルに組み込み、アッパーレシーバーへと差し込みます。この時にホップアームがホップダイヤルのアームと嚙み合っている事を確認しバレルナットを締めます。バレルナットを締め込む際は、締め付け過ぎに注意し、アウターバレルのセンターがしっかりと出るように確認しながら作業を進めてください。バレルナットを締め込み過ぎるとチャンバーが歪みホップアームが動かなくなります。
3.3 ホップアップ調整のコツ
カスタムパーツを組み込んだ後は、その性能を最大限に引き出すためのホップ調整が重要になります。ガスブローバックライフルは、気温によって排出ガス圧が変化するため、その時の状況に合わせた微調整が求められます。
調整の基本は、まずホップを最弱の状態から始め、弾道を見ながら少しずつダイヤルを回して強くしていくことです。 30mから40m先のターゲットに対し、BB弾がスーッと真っ直ぐ伸びていくのが理想的な状態です。弾がターゲットの手前で落ちてしまう場合はホップが弱く、逆に浮き上がってしまう場合はホップが強すぎます。MWSのホップ調整はテイクダウンが必要なため微調整が難しいと感じるかもしれません。そのような場合は、エジェクションポートからアクセスして調整できるLAYLAX 東京マルイガスブロ対応 ホップダイヤルアジャスターも便利です。
また使用するBB弾の重量によっても最適なホップのかかり具合は変わるため、自分がメインで使用する重さのBB弾で調整をしていくことが大切です。
HOP調整が楽に行える ホップダイアルアジャスター
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3.4 MWSガスブロ 組み込み後の動作確認
全てのパーツを組み込み終えたら、最後に必ず動作確認を行います。これは、安全にエアガンを使用するため、そしてカスタムが正しく行われているかを確認するための重要な最終ステップです。
まず、マガジンを入れずにチャージングハンドルを引き、ボルトキャリアがスムーズに前後するか、トリガーやセレクターが正常に機能するかを確認します。 次に、ガスを入れたマガジンを装填し、数発空撃ちをして、快調なブローバック動作とボルトストップがかかるかを確認します。問題がなければ、BB弾を装填して試射を行います。弾が正常に給弾・発射されるか、弾ポロなど不具合がないかをチェックします。最後に、必ず弾速計を使用して初速を計測し、改正銃刀法の規制値内(0.98J以下)であることを確認してください。 初速は複数回計測し、安定しているかも併せて確認しましょう。
この時の弾速ですが先程もご説明しましたが気温によりマガジン内のガス圧が変わる為、必ずしもフィールドで同じ弾速になるとは限りません。
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4. MWSガスブロ メンテナンスとトラブルシューティング
命中精度アップのカスタムを施したMWSガスブロは、その性能を最大限に引き出し、長期間維持するために適切なメンテナンスが不可欠です。ここでは、日常的な手入れから定期的な分解メンテナンス、そして発生しがちなトラブルとその対処法について詳しく解説します。
4.1 定期メンテナンスのポイント
MWSの快調な作動と高い命中精度を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。使用後に行う簡単な清掃から、定期的に行う分解を伴うメンテナンスまで、そのポイントを解説します。
4.1.1 MWSガスブロ 日常的なメンテナンス
(使用後の手入れ)
サバイバルゲームなどで使用した後は、簡単なメンテナンスを行いましょう。特に屋外フィールドでは、土埃や砂が内部に侵入し、作動不良やパーツの摩耗を引き起こす原因となります。
- インナーバレルの清掃:
クリーニングロッドにクリーニングペーパーを巻き付け、インナーバレル内の汚れを拭き取ります。この際、チャンバーパッキンを傷つけないよう、優しく丁寧に作業することが重要です。チャンバーパッキンにオイルが付着すると、ホップ性能に悪影響が出るため、シリコンスプレーなどを直接吹き付けるのは避けましょう。 - 作動部分への注油:
ボルトキャリアやチャージングハンドルなど、金属同士が擦れ合う部分には清掃後潤滑グリスや潤滑オイルを少量塗布します。 これによりスムーズな作動を維持し摩耗を防ぎます。プラスチックやゴム部品を傷めない潤滑剤を使用してください。 - 外装の清掃:
本体に付着した土や埃をブラシや布で払い落とします。特にレシーバーの隙間やレールの溝は汚れが溜まりやすいので念入りに清掃しましょう。
4.1.2 定期的な分解メンテナンス
使用頻度にもよりますが年に1~2回、または動作に違和感を覚えた際には、通常分解を行い、より詳細なメンテナンスを実施します。東京マルイMWSは耐久性が高いZシステムを採用していますが、定期的なチェックで未然にトラブルを防ぐことができます。
- ボルトキャリアの分解・清掃:
ボルトキャリアを取り出し、ローディングノズルやボルトキャリア周辺の古いグリスや汚れを拭き取ります。 パーツクリーナーを使用すると効率的ですが、ゴムや樹脂パーツへの使用は避けてください。清掃後、各部に潤滑グリスやオイルを薄く塗布し組み立てます。 - チャンバー周りの確認:
チャンバーユニットを取り出し、チャンバーパッキンに傷や変形、ゴミの付着がないか確認します。チャンバーパッキンが劣化していると、弾道が安定しなくなるため、必要であれば交換しましょう。 - トリガーボックス周辺の清掃:
トリガーボックス周辺は、作動によって生じた金属粉などで汚れやすい部分です。エアダスターで埃を吹き飛ばし、綿棒などで汚れを取り除きます。トリガーのキレが悪くなったと感じた場合は、専門知識が必要ですがトリガーボックスの分解清掃も有効です。
4.1.3 長期保管時の注意点
長期間使用しない場合は、適切な状態で保管することが重要です。マガジン内のガスは少量残しておくことで、各バルブのOリング(パッキン)の乾燥を防ぎガス漏れのリスクを低減できます。ただし満タンの状態での長期保管はパッキンに負担をかけるため避けましょう。保管場所は、高温多湿や直射日光を避け、温度変化の少ない場所が理想的です。
4.2 よくあるトラブルと対処法
カスタムや使用に伴い、様々なトラブルが発生することがあります。ここでは、代表的な症状とその原因、対処法を解説します。
4.2.1 弾道に関するトラブル
4.2.1.1 弾ポロ(BB弾がバレルからこぼれ落ちる)
原因:
弾ポロ(BB弾が先端からこぼれ落ちる)
原因: 主な原因は、チャンバーパッキンの劣化や変形が考えられます。交換したチャンバーパッキンが純正品と比べてBB弾の保持位置が異なる場合にも発生しやすくなります。またはホップがかかっていない状態でも弾ポロは発生します。
まずはチャンバーパッキンを純正品や新品に交換してみましょう。またチャンバー内にオイルが付着していると弾の保持力が低下するため、インナーバレルとパッキン内部を丁寧に脱脂・清掃することも有効です。ホップがかかっていない場合はホップをかけましょう。
4.2.1.2 弾道が安定しない・左右に散る
原因:
インナーバレルの汚れ、ホップアップの突起の片寄り、チャンバーパッキンの劣化やズレ、ノズルのガタつきなどが考えられます。特にタイトバレルは、僅かな汚れでも弾道に大きく影響します。
対処法:
インナーバレルを清掃し、チャンバーも分解し、チャンバーパッキンが正しく取り付けられているか、突起が均等に出ているかを確認します。 改善しない場合は、チャンバーパッキンを交換したり、ホップテンショナーの交換も有効だったりします。
4.2.1.3 ホップが効きすぎる、または効かない
原因:
アウターバレルの変形によってチャンバーが圧迫され、ホップアームが正常に動作していない可能性があります。またはチャンバーパッキンの劣化や摩耗、ホップテンショナーのへたりが考えられます。
対処法:
ホップアームがスムーズに動作するか確認し、アウターバレル側に問題があれば修正します。 チャンバーパッキンやホップテンショナーを新品に交換します。
4.2.2 動作に関するトラブル
4.2.2.1 給弾不良・弾詰まり
原因:
マガジンのリップ部分の変形や汚れ、BB弾との相性、ローディングノズルの破損や動作不良が主な原因です。 また、社外製のマガジンを使用した場合、純正品との各部寸法の違いから給弾ルートでBB弾が引っかかることもあります。BB弾の変形でも起きる事があります。
対処法:
他のマガジンを使ってみる。ローディングノズルの各部を点検し必要に応じてノズル自体の交換や各パーツの交換を行います。マガジンのリップ部分を清掃し、変形がないか確認します。BB弾を別のメーカーのものに変えてみるのも有効です。
4.2.2.2 ボルトストップがかからない
原因:
気温が低くマガジンから十分なガスが排出されていない為ボルトキャリアの後退量不足。ガス流量の調整が出来るノズルの場合は発射側にガスを振り過ぎている場合もボルトキャリアの後退量不足を招きます。リコイルバッファースプリングが硬すぎる場合も同様です。ボルトキャッチ及びボルトキャッチプレートがスムーズに動いていない、ボルトキャリア下部のボルトキャッチプレートがかかる部分の摩耗や変形。マガジンのBB弾を押し上げるフォロワーや、ボルトストップを押し上げるパーツの不具合。
対処法:
別のマガジンで試してみて、問題が再現されるか確認します。マガジン側の問題であれば、マガジンを分解し、内部のスプリングやパーツの状態を確認・修正します。 本体側の問題の場合、ガス流量の調整が出来るノズルの場合は調整をし直します。ボルトストップ周りが原因の場合はパーツの交換、調整を行います。バッファースプリングの問題であれば柔らかいスプリングに交換します。ボルトキャリアやボルトキャッチプレートの摩耗や破損であれば削り直して形状を復元するか出来ない場合は交換となります。
4.2.2.3 ブローバックの勢いが弱い・動作が不安定
原因:
ガスの冷えが最も一般的な原因です。ガス流量の調整が出来るノズルの場合は発射側にガスを振り過ぎている場合も考えられます。またはローディングノズル後部のピストンカップ及びOリングの劣化による気密漏れ、ハンマースプリングのへたり、ボルトキャリアとアッパーレシーバーの摩擦抵抗の増大なども考えられます。
対処法:
マガジンの冷えが原因の場合はマガジンをウォーマー等で温めることで改善します。それでも動作が鈍い場合はでガス流量の調整が出来るノズルの場合はガスを振り分け調整を行います。またボルトキャリアを分解し、ピストンカップの状態を確認してグリスアップや交換を行います。ハンマースプリングのへたりが原因の場合はハンマースプリングの交換が必要です。アッパーレシーバー内部やボルトキャリア周りの清掃と適切なグリスアップで、摩擦抵抗を低減することも重要です。
4.2.2.4 ガス漏れ(マガジン・本体)
原因:
マガジンのガス漏れは、放出バルブや注入バルブのOリング(パッキン)の劣化や緩みが主な原因です。マガジン底部や側面からの漏れは、合わせ目のパッキンの劣化が考えられます。
対処法:
バルブからのガス漏れは、バルブレンチで一度増し締めを試みます。それでも止まらない場合はバルブを分解しOリングにシリコングリスを塗布するか新品に交換します。バルブの取り外しや組込みは専用工具があると便利です。
マガジン本体からの漏れは、分解してシーリングテープを巻き直したり、パッキンを交換したりする必要がありますがいずれもある程度の知識・技術が必要となります。
5. MWSガスブロ まとめ
東京マルイMWSの命中精度を向上させるには、精度の良いBB弾の使用。ノズルの交換・インナーバレルとホップアップ周りのカスタムが最も効果的です。本記事で紹介した手順とコツを参考に、正しい工具で丁寧に組み込み、カスタム後のメンテナンスを怠らなければ、誰でもMWSのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。