H&K UMP:MP5から発展した高性能サブマシンガン

H&K UMP:MP5から発展した高性能サブマシンガン
H&K UMP:MP5から発展した高性能サブマシンガン
 

H&K UMP
MP5から発展した高性能サブマシンガン

UMP(Universale Maschinen Pistole)は1990年代にH&Kによって開発されたサブマシンガン。既に世界各国で実績や採用数の多いMP5よりも高性能かつ安価なサブマシンガンを開発するプロジェクトが元となり誕生した。UMPはそのプロダクトが固まるまでには単純にMP5の後継とは言えない様々な紆余曲折があった。

MP5は1960年代からドイツ国境警備隊や州警察、対テロ特殊部隊などで広く採用されており、比較的近距離であればその射撃精度は非常に高いものであった。その性能の高さはアメリカ軍も認める所ではあったが、高価なため軍などで大量に採用するには不向きで、1970年代後半からアメリカ軍のJSSAPで計画されていたMP5に代わり得る発展型9mmサブマシンガンの各社への開発要請を受けてH&Kもプロジェクトを開始する。しかし、当時開発したSMG-I、SMG-IIは結局JSSAPのサブマシンガン計画が中止となったため日の目をみることはなかった。

UMPを装備する保安官

また、1990年頃には発売から20年以上経つMP5の後継を考える中で、SMG-I、SMG-IIをベースにポリマー素材化したモデルやMP5をクローズドボルト化したモデルを開発するなどしたが、MP5の人気が衰えることはなかったため敢えて後継機を作る必要はないという結論に至っている。

しかし、その後MP5でも使われる9×19mm弾のストッピングパワー不足がアメリカを中心に懸念されるようになると、ピストルにおいては.45ACP弾や.40S&W弾のような大口径銃が重宝されるようになり、その流れはサブマシンガンでも見られるようになる。MP5の後継機探しの中で既にある程度のプロダクトを一旦は完成させていたH&Kは、それまでの開発のノウハウを活かし9mmではなく.45ACP弾を使用するサブマシンガンとしてUMPを完成させた。

また、UMPは結局のところ取り回しや軽量さの面での性能が高く、依然として要望のあった9mm弾サブマシンガンとしてUMP9を、また同様に汎用性の高い.40S&W弾を使用できるUMP40なども開発した。

UMPとフランス国家憲兵隊

 

UMPの特徴

UMPは当時並行して開発されていたアサルトライフルG36と共通点が多い事が特徴である。フレームやマガジンだけでなく内部構造に関わるパーツまでも強化プラスチックを使用するなどしており、生産効率の向上や銃本体の軽量化、海水にも強く耐水性が高い。外観上の共通点もG36と多く、ポリマーを多用した外装や折り畳みストックなど小型G36とも言うべきデザインをしている。

MP5と比べ生産コストは抑えられている一方で操作方法は共通で、MP5を使い慣れた部隊などではそのまま武器を移行できる。さらに、ボルトキャッチが追加されG3系マシンガンの弱点でもあるリロードの煩雑さがなくなるなど機能的な改良もされている。

アメリカ国境警備局

 

UMPの実績

特殊部隊で使われるエリート向けサブマシンガンというと、H&K製品ではMP5やMP7がメジャーな存在ではあるが、UMPも負けず劣らず多くの実績値を持っている。アメリカ陸軍特殊部隊においても2000年代のイラク・アフガニスタンではMP5に取って代わる近接戦闘火器として.45ACP弾モデルが多用されている。その性能はM4A1に比べても格段に高かったとの声が現場より出ている。

アメリカ陸軍とUMP

現在ではUMPはドイツ国境警備隊の特殊部隊GSG-9や韓国警察のSWAT、タイ王国SEALs、マレーシア海上特殊部隊、アメリカの税関・国境警備局など、他にも多数の国や部隊で使用されている。

 
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