G&G ARMAMENTのガスブロハンドガン GTP9 レビュー
G&G ARMAMENTといえば電動ガンのイメージが強いエアソフトメーカーだが、実はガスブロハンドガンも多数手がけているメーカーでもある。電動ガンのようなライセンス製品はないため刻印などは異なるが、ディティールで実銃を再現したモデルが多数を占めている。
そんなモデルが多い中、2019年に登場したのがGTP9ガスブローバックだ。GTP9はG&Gとしては珍しくオリジナルデザインを採用したハンドガンで、CM16シリーズなどこちらもオリジナルデザインとなる電動ガンシリーズとセットで揃えるのに適したモデルとなっている。
当初のブラックに加え、デザートやグレー、そしてツートーンカラーなどバリエーションも増え同じモデルでも選択肢が多いという魅力もある。オリジナルとはいえ突拍子もない外観にはなっておらず、実用性とカッコ良さを両立した優れたデザインと言えるだろう。
デザインもさることながら、GTP9は内部構造の素晴らしさにも注目したい。スライドを引いたり撃ってみた感じでは、とても海外製ガスブロとは思えないスムーズな動作に驚く。リキッドチャージ式ガスブロは規制により低圧のガスしか使えない日本において、国産メーカー製のガスブロは低圧でも小気味よく動作するよう設計が洗練されているが、GTP9は海外製ながらも日本の事情をよく理解した設計となっている。
GTP9はハンマー式のガスブロ構造ながらも、通常ハンマー部分に設置されるローラーをスライド側に設置するなど、他の海外製品に多いマルイコピーから脱却した独自の仕組みが目立つ。また、これらの構造が実に合理的に動作性の良さに繋がっていて、リコイルの鋭さやしっかりとスライドストップが掛かるのは撃っていて実に気持ちがいい。
実際に試射した感じなどはORGA AIRSOFT公式Youtubeチャンネルの動画を観てもらいたい。
操作性については、実銃に準拠したモデルを多数作ってきたG&Gらしく、色々な名作ピストルのいいトコ取りをしたデザインになっている。基本設計はグロックに近いものとなり、セーフティーとコッキングインジケーター付きのトリガーはグロックの良さをそのまま継承した機能と言える。また、バックストラップが交換できるグリップもグロックを彷彿とさせるポイントだが、サイズが細めにできているため手の小さなプレイヤーでも扱いやすくなっている。
マガジンキャッチはHKのハンドガンによくみられるアンビタイプのレバー式。トリガーガードからは微妙に飛び出る幅となっており、リロードをしやすくしつつ誤操作によるマガジン落下を防いでいる。スライドストップもアンビタイプになっていて、こちらも程よい大きさで操作しやすくドローの邪魔にもなりにくい。また、フィールドストリップする際のレバーも非常に操作しやすく分解がとても楽に行える点も素晴らしい。
ホップ調整はバックストラップにホールドされているアジャストツールをマズルから差し込んで簡単に行える。どちらに回せばホップが強まるかアジャストツールに矢印が刻まれ、クリック感があるため目安が付けやすく、ツール自体も常に携帯できるため非常に扱いやすい。
サイトは独自の形状となっており、フロントとリアを合わせやすい切り欠きが特徴的。スライドはポリマー製だがサイトは金属製となっていて、フィールドでぶつけてしまったりしても破損しにくい。
マニュアルセーフティーはボタン式で、コッキングされている状態でのみ操作可能。視認性も良く使い勝手の良い機能となっている。
またマズル先端は逆ネジが施されおり、別売りの専用アダプターを取り付けることにより14mm逆ネジのサイレンサーを装着することが可能となる。
スペック
全長:220mm
重量:770g(マガジン含む)
インナーバレル長:102mm
マガジン装弾数:22+1発
実銃のモデルアップも得意としつつオリジナルエアガンの開発にも力を入れてきたG&Gらしい工夫の詰まったガスブロハンドガンがGTP9だ。作りが非常に丁寧で日本のガス圧でも快調に動作するため、はじめてガスブロを購入するビギナーにもオススメできる。G&G電動ガンのファンには是非セカンダリーとしてセットで装備したもらいたい。