PALSとは?柔軟な装備が可能となった画期的システム

PALSとは?柔軟な装備が可能となった画期的システム
PALSとは?柔軟な装備が可能となった画期的システム
 

PALSとは?MOLLEとは?米軍が開発した現代装備の標準的システムについて

サバゲーマーやミリタリー好きなら今や当たり前に知っている、モジュラープラットフォーム及びアクセサリーポーチ類を組み合わせるPALS(パルス)。PALSとはPouch Attachment Ladder Systemの略で、日本ではMOLLE(MOdular Lightweight Load-carrying Equipment)と言う名称の方がなじみ深いかもしれない。
 
この装備システムは、ナイロンウェビングと呼ばれる1インチ幅の帯が、1.5インチ間隔の縫い目で規則正しく縫い付けられたプラットフォームに対し、様々なアクセサリーポーチ類を好きな位置にズレることのないようしっかりと取り付けられるようにしたもので、1997年に米軍によって導入された画期的なもので、それまでの装備の常識を一変させた。
 

 
PALS(MOLLE)が開発されるまで、マガジンポーチやラジオポーチ、グレネードポーチなどは固定された位置で作られていたチェストリグやベストを使用するか、ALICEと呼ばれるサスペンダー型のプラットフォームを使用するしかなかった。これらは多少のアレンジはできるものの、使う兵士の体形や個人による使い勝手の良さなどに細かく合わせることが難しかった。
そのため装備を使用する兵種によって装備の種類を製作・対応させなければならなかった。
 
PALS(MOLLE)が導入されてからは様々なポーチ類などがモジュール化され、使用する兵士や部隊の特徴に合わせ必要なものを最適な位置に取り付けることが可能となり、装備の自由度の幅が各段に広がった。どんな兵種であっても共通のプラットフォームを用意し、兵士の扱いやすいようにポーチの配置などを柔軟に変更できるようになったのだ。
 

PALSウェビングを交互にストラップが通って固定されている。
 

プラットフォームとなるものは?

米軍での導入から20年以上が経ち、ポーチ類を取り付けるベースとなるプラットフォームは様々な形に展開している。
導入当初からあったものはチェストリグ・ベスト類、ボディーアーマー、バックパックなどであったが、現在では太ももに装着できるものやベルトパッド、中にはガンベルトそのものにハーフインチのウェビングが縫い付けられコンパクト化したベルトも存在する。また、ポーチの表面にもウェビングを配し、ポーチの重ね付けなどができるものもある。
 

 
最近ではPALSウェビングに変わり、厚めのナイロン生地をレーザーカットする製品も出てきているが、基本的な仕組みはMOLLEそのものである。
 

PALS規格通りにレーザーカットで作られたプレートキャリア
 
サバゲーでもプレートキャリア(ボディーアーマー)やチェストリグ、ベルトパッドを活用してマガジンや特小無線を装備したり、実在の部隊の装備をそのまま再現してコスプレを楽しむサバゲーマーも一般化しており、ごくごく当たり前の装備システムとして認識されている。
 

今や取り付けられないものはない?!様々な装備品の「当たり前」となったPALS

先述の通り、ポーチ類を自由に配置するためのPALS(MOLLE)だが、その画期的システムにより装備を製造販売する様々なメーカーがPALS(MOLLE)に対応するポーチ以外の様々なアクセサリー類を開発している。
ポリマー製のハンドガンホルスターで有名なBLACKHAWKはウェビングを利用してホルスターを取り付けられるアタッチメントを開発している。その他ナイフシースやターニケットの固定バンドなど、戦闘やサバイバルに必要なものは基本的に何でも取り付けられる。本来はPALS(MOLLE)に対応していないアクセサリーでも取り付けができるような、MALICEクリップのようなアダプターも多数存在する。
またウェビング自体を活用し、無線機のアンテナやケーブル類を通したり結束バンドやサイリウムを固定したりなど、様々な活用の仕方がある。
 

 

世界中で利用されるPALS

元々は米軍ネイティック兵士センターにて開発された装備取り付けシステムのPALS(MOLLE)だが、その自由度の高さから今では様々な国の軍隊でも標準化されており、西側諸国やアメリカと繋がりの強い国、最近ではロシアでもPALS規格の装備が普及し始めている。
軍隊だけに留まらず、法執行機関やレスキューなどの装備としてもその有用性が認められており、PALS(MOLLE)を使用したベストなどがよく見受けられる。また、民間での一般的な用途でも注目されはじめ、元々兵隊用バックパックとして開発されたものを一般人の普段使い用のリュックとしてアレンジして販売するなど、カバン・バッグ類に活用される例も多い。
PALS(MOLLE)は軍隊や官民問わず、とにかく活躍の幅が多いのが特徴だ。
 
ここ10年ほどのサバゲーブームにおいては、既に最初から当たり前の装備として普及していたPALS(MOLLE)であるが、ここまで一般的に普及しつつも、導入から20年以上経った今でもなお標準的なシステムとして使用され、PALS規格を仕様した装備類の開発がまだまだ続けられているという事実は、このPALS(MOLLE)がいかに現代を代表する発明であるかを物語っている。
 
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