クリスカイルについて(アメリカンスナイパー)

クリスカイルについて(アメリカンスナイパー)
クリスカイルについて(アメリカンスナイパー)
 

クリスカイルについて

クリストファー・スコット・カイル(Christopher Scott Kyle)は、アメリカ合衆国の元軍人で狙撃手。テキサス州出身。「ラマーディーの戦い」における目覚しい戦果によりイラク武装勢力から「ラマーディーの悪魔」という異名で恐れられた。アメリカ側では「伝説の狙撃手」と呼ばれる。

2014年に公開された映画『アメリカン・スナイパー』のモデルである。

 

 

クリスカイルの伝説

アメリカ海軍特殊部隊であるネイビー・シールズに所属していて、イラク戦争時の派遣中に射撃手として大変大きな貢献をしていた。渾名がついたきっかけは「ビーチボール事件」で、ファルージャにて泳げない武装勢力らが大きなビーチボールを使って河を進んでいたところ、カイル氏がそのビーチボールを狙撃、命中させて彼らを溺死させるという事が彼の著書にて記述されている。そしてその後ファルージャでの休暇中、彼を見た他のシールズの仲間達が冗談で「Legend(伝説)」とカイル氏を呼んだことが始まりであるとされている。

カイル氏は軍在籍中に殺害した人数は160人と米国防省が公式に記録しているが、本人の申告によれば255人を殺害したとされいる。これはアメリカ海軍史上最大の殺害数となる。

実際にカイル氏にはイラクの武装勢力から懸賞金がかけれられてたが、最初は21000ドル(約250万円)で始まり、最終的に8万ドル(約950万円)までその懸賞金は上昇していた。懸賞金を掛けられるほど彼は武装勢力に恐れられていたのであり、実際にカイル氏は彼らから「ラマディの悪魔」と呼ばれていた。

多くの功績を残すも、武装勢力の攻撃で多く戦友たちの負傷や戦死を目の当たりにしてきた。自分が殺傷した相手を「悪人」と呼び、幾多のインタビューで「殺された相手を気の毒に思ったことはないか」と問われると、彼は毎回明確に「撃ったことに一切罪悪感は無い。戦場ですべきことをしただけだ」と答え、また、「もっと敵を倒せれば、もっと多くの仲間の命が救えた」としている。

退役後、PTSD(外傷後ストレス障害)に悩む帰還兵、退役兵のためのNPO団体「FITCO Cares Foundation」を設立。社会復帰に向けた支援活動に取り組んでいた。2012年に自伝「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」(原書房刊)を発表。

 

衝撃的な出来事

2013年2月2日、全米に大きな衝撃が走った。テキサス州の射撃場で、慈善事業で行っていた元海兵隊員エディー・レイ・ルースとの射撃訓練中に、ルースが、クリス・カイルに突然発砲し射殺されてしまう。38歳という若すぎる英雄の死を全米が悼んだ。

2014年には伝記映画「アメリカン・スナイパー」が公開された。

「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」をキャッチコピーとしアメリカで公開された戦争映画史上最高の興行収入額となった。

 

クリスカイルが使用した装備

照準に使用するスコープはナイトフォース社のものを使用し、ライフルのトリガープルは2ポンド(900グラム)に調整して軽く引き金を絞るだけで発射するようにしていた。

M4 アメリカ軍で標準的に採用されているアサルトライフル。

Mk11 7.62x51mm NATO弾を使用するセミオート式狙撃銃。

Mk12 5.56x45mm NATO弾を使用するセミオート式狙撃銃。

.300 .300ウィンチェスター・マグナム弾を使用するボルトアクション式狙撃銃。

.338 .338ラプア・マグナム弾を使用するボルトアクション式狙撃銃。

50口径 12.7x99mm NATO弾を使用する対物狙撃銃。

拳銃 官給品として支給されていた9mm口径の「P226」が実戦で威力不足であったため45口径の「TRPオペレーター」を購入して装備していた。ホルスターに関しては、拳銃を抜きやすい「レッグホルスター」を使用していたが、「ヒップホルスター」に変更している。

カールグスタフ  個人携行式のカールグスタフ無反動砲。

装具  ボディアーマーの上に「ローデシアン・リグ」と呼ばれるタクティカルベストを重ね着して任務に当たっていた。

弾薬    スナイパーライフルを持ち歩くときには予備弾200発をバックパックに入れ、拳銃の予備弾倉3個をレッグポーチ(太ももに取り付ける装具)で携行していた。