6.5mmクリードモアは、精密射撃用に開発された小口径の高性能弾だ。軍用の7.62×51mmNATO弾に代わる存在として注目されている。ここでは、クリードモアの特徴を整理する。
クリードモアの要点まとめ
- 2007年にHornady社が開発した弾薬
- .30TC弾をネックダウンして作られた
- USSOCOMのテストで、7.62×51mmNATO弾より高く評価されたとされる
- 民間でも、競技射撃や狩猟で広がっている
| 比較項目 | 7.62×51mmNATO弾に対する6.5mmクリードモア(記事掲載時点) |
|---|---|
| 射程距離 | 1.5倍 |
| 1,000mでの命中率 | 2倍 |
| 風の影響 | 1/3 |
| 反動 | 少ない |
6.5mmクリードモアは精密射撃のスタンダードとなるのか
アメリカ海軍がセミオートスナイパーライフル及びDMRにおいて6.5mmクリードモア(6.5CM:6.5mm Creedmoor)弾を使用できるM110アッパーの導入を検討しているニュースをお伝えしたが、USSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)が今までの中間弾薬のスタンダードである7.62×51mmNATO弾(民間では.308ウィンチェスター)よりも6.5mmクリードモアを高く評価していることを受けてか、民間でもスポーツシューティングやハンティングでの用途において6.5mmクリードモアが優れていると判断するユーザーが増えてきているようだ。
クリードモアは、民間の競技者にも浸透している。そのため、軍の評価が市場の流れを後押しした形だ。なお、本記事は2019年の掲載時点の情報にもとづく。
各ライフルメーカーも精密射撃用の長距離ライフルについては、7.62×51mmNATO弾や.308ウィンチェスターモデルだけではなく6.5mmクリードモアもラインナップに加えるなど、今後の更なる弾薬の普及に向けた動きが強まっている。
写真のレミントンM700 PCRは、クリードモアに対応する仕様の一例だ。そのため、ボルトアクションでも選択肢が広がっている。
6.5mmクリードモア(6.5CM:6.5mm Creedmoor)弾とは?
1952年に発表され実に60年以上もの歴史を誇る.308ウィンチェスター弾をベースに開発された.30TC弾から派生し、既存の中距離ライフル弾よりもネックダウンされた弾薬である。2007年にHornady社によって開発され、現在では競技射撃や狩猟用として大きな成功を収めている。
クリードモアの名は、Creedmoor Sportsに由来するとされる。また、弾の直径は.264インチ(約6.7mm)だ。
7.62×51mmNATO弾との違い
7.62×51mmNATO弾は、長く軍用の標準だった。一方、クリードモアは、小口径で弾道が安定しやすい。そのため、長距離射撃で比較されることが多い。
長い間、軍用としても民間でもスタンダードとして君臨してきた7.62×51mmNATO弾及び.308ウィンチェスター(正確にはこの2つの弾薬は同一のものではない)に替わる性能をもつ弾薬として注目されており、アメリカ特殊作戦軍SOCOMでは中間弾薬として7.62×51mmNATO弾から6.5mmクリードモアへの切り替えを検討している。
USSOCOMのセミオートスナイパーライフルでのテストでは、7.62×51mmNATO弾に比べ6.5mmクリードモアは射程距離が1.5倍、1,000mでの命中率が2倍となり、風の影響を1/3まで減らすことができるとした結果を出した。反動も少ないため弾薬の性能だけではなく射手の習熟度による影響も受けづらくなるほか、信頼性の高さも評価に影響を与えているようだ。弾薬の違いだけで大幅な射撃性能アップを図れる点が軍での高評価や民間での成功に繋がっている。
クリードモアが評価される理由
テストでは、射程と命中率の差が大きかった。また、風の影響が小さい点も強みだ。さらに、反動が少ないため、射手の習熟度による差が出にくい。

▲左から.308ウィンチェスター、.30TC、6.5mmクリードモア
図の通り、クリードモアは.308ウィンチェスターより細身だ。また、.30TCとの形状の近さも分かる。
民間でも増える6.5mmクリードモア対応のライフル
アメリカ海軍での6.5mmクリードモアの採用検討も大きなニュースではあるが、民間市場でも人気が高いことを受けて各実銃メーカーは現在では多くの6.5mmクリードモア対応のライフルがリリースされている。軍での利用が標準となれば、今後7.62×51mmNATO弾や.308ウィンチェスターに替わって6.5mmクリードモアが精密射撃での第1人者となる可能性は非常に高い。
クリードモアに対応するライフルは、メーカーを問わず増えている。ここでは、記事で紹介した3つのモデルを整理する。
ダニエルディフェンス DD5 V4
6.5mmクリードモアと7.62mm/.308の2モデルが存在する大手ダニエルディフェンス社が手掛けるセミオートライフル。1,000m以上の射程距離を誇る軍用ライフル並みの能力を持つ銃で、SR-25用マガジンも使用できる汎用性もウリの1つ。2,499ドルと高価なライフルではあるがその品質や精度を考えればこの金額は当然だとするレビュアーもいるほど優れた性能のライフルだ。
クリードモア対応モデルの選び方
ライフルは、用途で選び方が変わる。例えば、長距離射撃ならDD5 V4のようなセミオートが候補だ。一方、軽さを重視するなら、ZEVのスモールフレームも選択肢になる。
ZEV TECH SMALL FRAME RIFLE
スモールフレームという名称ではあるが、弾薬は6.5mmクリードモアのため当然5.56mmモデルよりは大きなレシーバーでバレルも長くなる。しかしその重量は5.56mm並みに軽く、精密射撃や狩猟だけでなくAR-15で行うようなスピードシューティングも難なくこなすという。精密さについても評価が高いものの、他の6.5mmクリードモアライフルよりも動きやすさの面でのメリットが大きくマルチな才能を持つライフルと言えそうだ。
ZEVのスモールフレームは、軽さが特徴だ。一方、クリードモアに合わせて、レシーバーは大きめに作られている。
レミントン MODEL 700 PCR
言わずと知れたレミントンの歴史的なボルトアクションライフル。現在でも進化を続ける同モデルは幅広い弾薬に対応した仕様を持つが、現在では6.5mmクリードモアにもしっかりと対応した仕様が存在している。6.5mmクリードモアを使用した長距離射撃向けモデルとしては最高クラスの精度を持つライフルだ。
クリードモアに関するよくある質問(Q&A)
Q. 6.5mmクリードモアとは何ですか?
2007年にHornady社が開発した、精密射撃向けのライフル弾だ。競技射撃や狩猟で成功を収めている。
Q. なぜ注目されているのですか?
USSOCOMのテストで、高い性能が示されたためだ。また、民間でも評価が広がっている。
Q. 7.62×51mmNATO弾との違いは?
記事では、射程が1.5倍、1,000mでの命中率が2倍とされている。さらに、風の影響が1/3になるという。
Q. 反動はどうですか?
7.62×51mmNATO弾より少ないとされる。そのため、射手の習熟度の影響を受けにくい。
Q. どんなライフルが対応していますか?
DD5 V4、ZEVのスモールフレーム、MODEL 700 PCRなどがある。
Q. DD5 V4の価格はいくらですか?
記事では、2,499ドルと紹介されている。ただし、掲載時点の価格だ。
Q. .308ウィンチェスターとは同じ弾ですか?
同じではない。7.62×51mmNATO弾と.308ウィンチェスターも、正確には別の弾薬だ。
Q. 軍での採用は決まりましたか?
記事の掲載時点では、導入を検討している段階だった。そのため、最新の状況は別途確認が必要だ。











