FETを組み込んだPDR-Cは、トリガー周りの電気的な負担を減らしたい人に向く仕様です。この記事では、PTS製PDR-C電動ガンのAxisチューンに、FETを加える手順を整理します。
FET仕様のAxisチューンの要点まとめ
- メカボックスは、軸受け、強化ギア、セクターチップ、Magnusシリンダーで強化
- FETを組み込み、トリガー接点の負担を減らす
- インナーバレルはMagnusHDバレル、HOPは面HOPに変更
- メカボックス固定ネジ(R)は、六角レンチ対応のネジに交換
- 初速は、インナーバレル長260mmで調整
| 部位 | 使用パーツ | 狙い |
|---|---|---|
| 軸受け | ORGA SUS420 8mm軸受け | 回転の安定 |
| ギア | J-Armament製18:1強化ギア | 耐久性と精度 |
| 給弾 | セクターチップ | 給弾不良対策 |
| シリンダー | Magnusシリンダーセット | ボアアップで飛距離アップ |
| ピストン | J-Armament製14歯メタルTeethピストン | 高いレートのスプリングに対応 |
| モーター | マルイ製EG1000S | 安定した回転 |
| インナーバレル | MagnusHDバレル | 弾道の安定 |
| HOPラバー | ORGA DIMENSION フラットHOP | 面HOP化 |
MAGPUL PTS PDR-C Axisチューン-FET仕様-
PDR-Cを、FET仕様にするチューンとは
今回はMAGPUL PDR-CのAxisチューンをご紹介致します。
PDR-Cのチューンの記事は他にも載せていますので宜しければこちらからご覧下さい。
FETは、トリガーに流れる電流を受け持つ電子部品です。海外の販売店の説明では、接点で起きる火花を抑え、接点の傷みを減らすとされています。ただし、これはメーカーの説明であり、効果の数値は商品ごとに異なります。
PDR-Cの外装を分解する

まずはアッパーレシーバーとロアレシーバーを分解します。
ストックパッドを取り外し最後部の固定ピンを外します。
作業の前に、バッテリーを外し、マガジンを抜いておきます。また、ピンやネジは小皿にまとめておくと、紛失を防げます。

次に真ん中と先端の固定ピンも抜きます。
これでアッパーレシーバーが外せます。
ハイダーが外れると、アウターバレル先端の構造が見えます。そのため、ここで一度、内部の汚れも確認しておきましょう。
メカボックスを取り出す

メカボックスを取り出す為に固定ネジ(後部)を外します。
細いプラスドライバーが必要となります。
固定ネジは、細いプラスドライバーでないと入りません。そのため、サイズの合う工具を先に用意しておきます。

マガジンハウジング内にもメカボックス固定ネジがあるのでそれも外します。

アウターバレルを固定しているステーのネジを外してアウターバレルを引き抜きます。
ステーは、アウターバレルを支える部品です。外したネジの本数を数えておくと、組み立てで迷いません。

これでメカボックスがフリーとなったのですがトリガーとマガジンキャッチからステーで繋がっているのでこれも外す必要があります。
まずは左面のトリガーと連動しているプレートを外します。
メカボックスは、トリガーとマガジンキャッチにステーでつながっています。そのため、左右のプレートを外すまで、取り出せません。
メカボックスが外れると、内部の配置が見えます。FETを組み込む場合も、ここまでの分解は同じです。次に、スプリングと配線を外していきます。
QDスプリングガイドとメカボックスの分解

MAGPUL MASADAやPDRは当初からQDスプリングガイドを採用しておりメカボックスを開けなくてもスプリング交換が出来る様になっております。
と言う訳で先にスプリングを抜き出します。
QDタイプのスプリングガイドは、メカボックスを開けずにスプリングを抜ける構造です。そのため、スプリング交換だけなら、手間が少なく済みます。

モーターと配線はハンダ付けされているのでハンダを溶かし両方の配線を外します。
配線は、ハンダごてで外します。ただし、長時間あてると、コネクターが傷みます。そのため、手早く作業しましょう。
軸受けとギアの交換

メカボックス内パーツを外し洗浄します。
軸受けはORGA SUS420 8mm軸受けを使用します。
軸受けを差し込むメカボの穴は接着剤カスやグリス、鉄粉など残らない様に綺麗に落としてください。
接着剤カスが硬い場合は小さなマイナスドライバー等でガリガリ削り落としましょう。
これをしないと軸受けが奥までしっかり入らなかったり斜めになってしまいます。
軸受けは奥まで水平に押し込み接着します。
軸受けは、斜めに入ると、ギアの回転が重くなります。そのため、穴を掃除してから、水平に押し込みます。

ギアはJ-Armament製18:1強化ギアと給弾不良対策としてセクターチップを使用します。
ギアの材質はスチール製で耐久性があり、精度も良くコストパフォーマンスに優れたパーツです。
このギアは、ギア比18:1のレギュラータイプです。そのため、標準的な回転とサイクルを保ちやすい構成になります。
シム調整とクリアランスの確認

続いてシム調整を行います。スパーの下がメカボに擦らない程度に薄めの物を選択し、セクターとベベルの下はスパーに擦らない物を選択します。
上のシムはメカボを閉じてネジを数本絞めてクリアランスをチェックします。
ギアのクリアランスは0.05~0.1mm程度を目安にして下さい。
メカボを閉じてネジを数本絞めて指でセクターを回した時に抵抗無くカラカラと回るのが理想です。
0.05~0.1mmのすき間は、紙1枚より薄い程度です。そのため、ノギスより、指で回して確かめる方法が実用的です。
FETの組み込み

今回はオーナー様のご希望でFETを組込みます。
基盤の位置に注意して配線の長さを決めていきます。
FETは、基板の位置によって、配線の長さが変わります。そのため、先にメカボックスへ仮置きしてから、切る長さを決めます。メーカーの説明では、ハンダ付けの品質が悪いと、回路に負担がかかるとされています。
Magnusシリンダーの組み込み

シリンダ-は飛距離アップ効果のあるボアアップタイプのMagnusシリンダーセットVer2~Ver6を組込ます。
メカボの種類によっては少し長さが長い場合がございます。その際はリューター等で削って長さを調整して下さい。
シリンダーヘッドの組込みですがMagnusシリンダーには既存のシリンダーヘッドを使用します。
シリンダーヘッドの周りにシールテープを4~5巻きしシリンダーに押し込みます。
はみ出たシールテープはカッター等で切り落として下さい。
メカボックスによっては、シリンダーが少し長い場合があります。その際は、リューターで削って長さを調整します。
メタルTeethピストンの選び方

ピストンも耐久性向上の為にJ-Armament製14歯メタルTeethピストンを使用します。
ハイレートスプリングにはメタルTeethピストンの組み合わせがベストです。
弱いレートのスプリングではさほど負担が掛からないのでプラTeethのピストンでも大丈夫ですが、
高いレートのスプリングを使用する場合は耐久性のあるメタルTeethのピストンを使用しましょう。
このピストンは耐久性とコストパフォーマンスに優れ、14歯となっておりますので、
通常のサイクルでもハイサイクルでも使用が出来ます。
ピストンを交換した際はメカボ内でピストンが負荷なく動くか確認が必要です。
弱いレートのスプリングなら、プラTeethのピストンでも使えます。一方、高いレートでは、メタルTeethが向いています。
シリンダー周りの組み上げと気密チェック

ノズル、シリンダーヘッド、タペットプレートは純正品を使用しシリンダー周りを組み上げます。
その際ノズルの先端を指で押さえピストンを前後させて気密漏れがないかチェックします。
気密漏れがあると、初速が落ちたり、安定しなくなったりします。そのため、組み立て前に必ず確認しましょう。
モーターと潤滑

モーターは安定感があり品質も良いマルイ製EG1000Sモーターを使用します。
EG1000Sは、東京マルイのハイトルクモーターです。そのため、ショートタイプで、組み込みやすいモーターといえます。

メカボ内の外したパーツを組んで、ギア周りとシリンダー周りも組込ます。
ピストンレール、タペットプレート周りなど摩擦が発生する部分には必ず潤滑材を塗りましょう。
擦れる部分は、ピストンレールとタペットプレートだけではありません。そのため、動きの重い箇所には、全体に薄く潤滑材を塗っておきます。
FETを含むメカボックスのチューン完了

メカボックスを閉じて配線とモーターを繋ぎます。
スプリングはAxisスプリング従来電動ガン用を使用します。
これでバッテリー側のコネクターを付けてバッテリーと繋ぎスイッチを押すとテストドライブが出来ます。
大体ですがモーター位置の調整もこの段階で行いメカボックスのチューンは完了です。
テストドライブでは、FETの動作も確認します。短い間隔で数回だけ撃ちましょう。また、異音や焦げた匂いがしたら、すぐに作業を止めましょう。
フロント周りの分解

次にフロント周りのチューンです。
アウターバレル固定用のピンを抜きます。
初期の頃はこのピンがスプリングピンで抜けにくかったのですが最近のロットは棒状のピンで簡単に抜けるので無くさない様に注意して下さい。
例え無くしたとしてもレシーバーに組込んでしまえばアウターバレル固定ステーとメカボックスにより位置が決まるので無くても大丈夫です。
最近のロットは、棒状のピンで抜けやすい仕様です。ただし、無くさないように、ピンは小皿に入れておきます。

ピンを抜くとアウターバレルが抜けます。
次にHOPダイヤルのテンション用Oリングを小さいマイナスドライバーなどで引っ掛けて外します。
Oリングは、ホップダイヤルに張力を与える部品です。そのため、外すときは、先の細い工具を使うと安全です。

Oリングを外したらHOPダイヤルも外しHOPアームを取り出します。
チャンバーとインナーバレルを固定しているクリップを外しインナーバレルも取りだします。
チャンバーとインナーバレルは、クリップで固定されています。分解したら、パッキンの向きを覚えておくと、組み立てで迷いません。
MagnusHDバレルの組み込み

インナーバレルはAxisチューンとの相性が良いMagnusHDバレルを使用します。
ワイドボアのバレルは内壁にBB弾が当たり回転を乱す事を最小限に抑え、それにより弾道が安定します。
またORGA製インナーバレル全てチャンバーパッキンを回転させて装着できる様にサイドにも溝が掘ってあるので面HOP仕様も楽に行えます。
面HOPは、BB弾に当たるゴムの面を広げる仕組みです。そのため、ホップの回転が安定しやすくなります。
HOPアームの加工と面HOP化

PDRのHOPはHOPテンショナー(押しゴム)は無くHOPアームに突起が有り、それでチャンバーパッキンを直接押してHOPを掛けています。
面HOPにする為にはまず突起部分をカットし、リューターや丸ヤスリでφ3の半円の窪みを作ります。
PDR-Cのアームは、突起が直接パッキンを押します。そのため、面HOPラバーを使うには、一度加工が必要です。

そこにORGA DIMENSION フラットHOPを貼付け前後をHOPアームの幅に合わせカットします。
これでインナーバレルとHOPをチャンバーに組込みHOPの降りる量を確認します。
NOHOPでも鬼HOPになる様でしたらHOPアームの窪みを深く削り直す必要があり
逆にHOPを最強にしても足らない場合はゴムシートを貼り嵩増しが必要です。
接着剤は、少量にとどめます。はみ出すと、パッキンの動きを邪魔してしまうためです。そのため、乾燥時間も十分に取りましょう。
組み立てと弾速チェック

チャンバー周りが出来たらアウターバレルを組込み固定ピンを刺しレシーバーにメカボックスとアウターバレルを組込みます。
トリガー・マガジンキャッチ連動ステーを取付けてアウターバレル固定ステーやメカボックス固定ネジを止めます。
メカボックス固定ネジ(R)ですが小さいプラスドライバーが舐めやすいので六角レンチが使えるネジに交換します。
ネジを交換すると、組み立てがぐっと楽になります。特に、細いドライバーでは、ネジ山が傷みやすいためです。

六角レンチなら細いのでレシーバーの隙間から余裕で刺す事が出来ます。
六角レンチは、細くて硬い工具です。そのため、ネジを舐めにくく、狭い場所でも作業しやすくなります。
れで弾速を計ります。
今回はインナーバレル長260mmで調整致しました。
ロングレンジでの弾道チェックをして作業は終了となります。
日本では、エアガンの運動エネルギーに上限があります。そのため、調整後は必ず、初速を測定して確認してください。
FET仕様のPDR-Cに関するよくある質問(Q&A)
Q. FETとは何ですか?
トリガーに流れる電流を受け持つ電子部品です。また、接点の傷みを抑える目的で使われます。
Q. FETを組み込むメリットは何ですか?
メーカーの説明では、接点の負担が減り、トリガーの反応が向上するとされています。ただし、数値は商品によって異なります。
Q. FETの組み込みで注意する点は?
FETの基板の位置に合わせて、配線の長さを決めます。また、ハンダ付けの品質が悪いと、回路に負担がかかります。
Q. Axisチューンとは何ですか?
Axisスプリングを中心に、メカボックスと銃身を強化する内容です。また、ギアやシリンダーも入れ替えます。
Q. ピストンはどう選びますか?
高いレートのスプリングには、メタルTeethが向いています。一方、弱いレートなら、プラTeethでも使えます。
Q. ギアのクリアランスの目安は?
0.05~0.1mm程度です。また、指でセクターを回して、抵抗なく回るのが理想です。
Q. 面HOPにするにはどうしますか?
HOPアームの突起をカットし、φ3の半円の窪みを作ります。そして、フラットHOPを貼り付けて、前後をカットします。
Q. 初速はどう調整しましたか?
インナーバレル長260mmで調整しました。また、最後にロングレンジで弾道をチェックします。










