RECCE Rifle(レシーライフル):SEALsが生んだ偵察用ライフル

RECCE Rifle(レシーライフル):SEALsが生んだ偵察用ライフル
RECCE Rifle(レシーライフル):SEALsが生んだ偵察用ライフル
 

RECCE Rifle(レシーライフル)
NAVY SEALsが生んだ偵察用ライフルとその概念

M4/M16には使用する部隊ごとに様々なモデルが存在し、仕様や部隊によって名称も多様であることはよくご存知だろう。エアガンではライセンスなどの問題により実銃オリジナルのモデル名を使えない場合も多く、トイガンメーカーによっては独自の名称を付けることも多い。一方でライセンスホルダーと提携したり直接ガンメーカーと契約して、エアガンにもベースモデルの実銃と同じ名称を付ける努力をしていることも同様に多い。そういったトイガンメーカーの製品を通してライフルの名称が広く知られるようになったケースはよくあることだ。

エアガンで幅広い層に様々なライフルの派生モデルやその概念を提示してきたトイガンメーカーであるが、各社が再現をして人気が高まった軍用ライフルの1つがRECCE Rifle(レシーライフル)だ。アメリカ海軍特殊部隊SEALsが使用する偵察ライフルで、特に東京マルイの次世代電動ガンでモデルアップされた際は大きな話題となり、ミリタリーに詳しくない人にもその名が知れ渡ることとなった。

RECCE RIFLE

レシーライフルは本来「SEAL Recon Rifle」という名称が正式で、SEALsの偵察任務向けにSEALチームの兵器課とアメリカ海軍海上戦闘センター(NSWC-Crane)が開発した。標準的なM4カービンよりも精度や致死性の高いスナイパーライフルとしての性能を持ちつつ、偵察任務のために携帯性にも優れたライフルとして誕生した。弾薬は5.56×45mm弾を使用しバレルは16インチとカービンより少々長いだけだが、レシーライフルのプロジェクトをベースに開発されたSPR Mk12とあわせて開発された精密射撃用弾薬である77グレイン弾を使用することで、精密性と威力を維持しつつ7.62mmライフルよりも多くの弾薬数を確保できるようになっている。

敵地へ潜入し偵察任務を行うために誕生したレシーライフルは、決して「射撃」そのものをミッションの本筋としないながらも、いざという時は狙撃も近距離での交戦も可能なマルチな性能を持つライフルとして特殊部隊の隊員たちを支えてきたのだ。

RECCE

その後、先述のSPR Mk12が開発されることによってSEALs以外にもレシーライフルのコンセプトを持つM16がアメリカ陸軍特殊部隊、レンジャー部隊に採用されるが、SEALs隊員からのMk12の評価は高くなく結局は元の16インチバレル仕様のカービンを選択する傾向が高いという。Mk12を使用しないSEAL隊員が多かったためその後もレシーライフルの開発は続くが、使用する隊員の好みによってパーツの組み合わせも様々で仕様が一定ではない。そんなこともあり、レシーライフルという呼称は現在では概念的な要素が強い。

軍用レシーライフルでは16インチバレルにフリーフロートタイプのハンドガード、スコープを搭載するなどして偵察任務に適する仕様にされることが基本であるが、搭載するスコープや装着ストック・ハンドガードなど、様々なタイプのものが実際に使用されている。仕様によってはバレル長も異なる場合もある。また初期型HK417の16インチ仕様にRECCEという名称が付けられるなど、コンセプトがある程度定まっていればレシーと呼称してしまうのも今や一般的になってきている。

SEAL Recon

レシーライフルという概念は今では法執行機関などでも有効なライフルの選択肢と考えられているため、近年では軍用ライフル以外でも民間ライフルメーカーがレシーライフルという名称を用いた製品開発を行っている。法執行機関では人質事件などの案件の際に特に有用性が高いと考えられており、正確性と戦闘性能を両立したライフルの存在は重要なものであるようだ。

また、民間でのAR-15においてもライフルをビルドする際のコンセプトとして精度と取り回し性能を両立するこの考え方は定着しており、スポーツとしての射撃とホームディフェンスを兼ねる銃愛好家たちの間でもレシーライフルのクローンとも言えるAR-15が定番のモデルとして存在する。SEALsの生み出したレシーライフルとその概念は、AR-15をベースとするライフルにとって1つの到達点とも言える、ライフルのあるべき姿を体現しているとも言えるのである。

 
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