PTW/トレポン用 HTGベーシック検知基板はシステマと何が違うのか

PTW/トレポン用 HTGベーシック検知基板はシステマと何が違うのか
PTW/トレポン用 HTGベーシック検知基板はシステマと何が違うのか
 

ブラシレスモーター化した従来型ギアボックストレポンの最適解!HTGベーシック検知基板 ETU!

システマ従来型ギアボックス(MAX2)に対応したPTW/トレポン用基板・配線セットが、昨年2025年にHTGベーシックからリリースされていますが、この度ORGA AIRSOFTでも取扱いを開始しました。

HTGベーシック電子トリガーユニットのパッケージは、トレポンの心臓部と言えるSECU(検知基板)のほか、FET(後方基板)スイッチ基板コントロールケーブルも一式セットで16,000円程度と大変お得。しかも、発射モードの変更やプリコック設定(無限ブラシレスモーターのみ対応)も出来るなど機能も満載です。

HTGベーシック 電子トリガーユニット PTW/トレポン用

しかし、ハイエンド機種の中枢を担う電子パーツとしてどれだけの基本性能があるのか、価格だけ見てしまうと少し不安も感じます。何せシステマのユニット一式の約1/6というリーズナブルさですからね~。

実のところ、ORGA AIRSOFTはこのユニットのプロトタイプを製造元より提供されており、実際にスタッフのトレポンに組込んでサバゲーに参加するなど、1年以上に渡りテスト運用を続けてきました。その経験も踏まえ、両者の比較や使用感などショップ目線とユーザー目線の双方からご紹介していきましょう。

本頁ではシステマの基板と入れ替えデフォルト設定で運用した内容を中心に解説します。設定変更方法等は販売元提供のオンラインマニュアルをご覧ください。

目次

パッケージ内容
セクターギアの検知方法
ヒートシンク付きMOSFET
マイクロスイッチが改善されたスイッチ基板
組込の注意点
実際に運用してきた感想

パッケージ内容

「HTGベーシック 電子トリガーユニット PTW/トレポン用」は、トレポンのパーツ通称で言うところの「検知基板」「FET基板」「スイッチ基板」「コントロールケーブル」が一式セットでパッケージされています。(2026年3月現在)具体的な内容物は以下の通りです。

  • ETU(SECU:検知基板)
  • MOSFETモジュール(後方基板)
  • セレクターボード(スイッチ基板)
  • 接続ケーブル(コントロールケーブル)×2本
  • セレクターボード用両面テープ(交換用)

HTGベーシック PTW トレポン 電子トリガーユニット

基本的にはシステマのMAX2ギアボックス、またはHTGベーシックのCNCギアボックス用で、現状システマのユニットを使用しているユーザーは電子パーツ一式を入れ替えることになります。システマ基板と相互の互換性は無いので、検知基板か後方基板のどちらかを入れ替えるという使い方はできません。

また詳細は後述しますが、KUMI490など従来のブラシモーターとの併用もできません。基本的にはブラシレスモーター専用基板となります。

そして今の所、残念ながら各パーツの単品販売はありません。故障時のことを考えると単品販売もあった方が親切だとは思いますが…。

しかし、システマの検知基板や後方基板を単品で購入するよりHTGベーシック一式の方が安いし、ショップ目線で見れば1箇所ずつ付け戻しして故障基板を探るより、一式入れ替えてしまう方が手っ取り早くて安上がりなのが正直な所。

また、初期不良でない限りは当然有料となりますが、オンライン説明書にはMOSFET破損が原因と思われる動作不良については「サポートにご連絡ください。」とあるので、経年で故障しやすいFET基板はメーカー修理または交換等の対応をしてくれる様です。万が一の故障の際は、販売元のミリタリーショップH.T.G.に連絡をしてください。

セクターギアの検知方法

ではまず、要となる検知基板(ETU)の仕様を見ていきましょう。トリガースイッチや残弾ゼロで動作を止めるカットオフスイッチ(ボルトストップ)が載るメイン側とセクター検知センサー側で基板が分かれている構造はシステマと同じです。トリガー操作で物理的にスイッチを押す仕組みも同じ。

HTGベーシック トレポン 検知基板

システマ製ギアボックスで使うことを前提とした製品なので、センサーやスイッチの配置はシステマと全く同じです。ギアボックスにもピッタリ収まります。

HTGベーシックの基板類は全て表面実装※で小型化されているのが良いですね。検知基板については特に大差ありませんが、FETやスイッチ基板は小型化・薄型化によるメリットが多々あります。

尚、検知基板の交換全般に言える事ですが、新しい検知基板をギアボックスに組み込む際は、トリガーとスイッチが引っ掛からないかよく確認しながら行いましょう。トリガーとスイッチの位置関係が悪いまま無理に基板を押し込むと破損します。

個体差の範疇ではあるとは思いますが、テストで仮組み(プロトタイプではなく製品版の方)したHTGベーシックETUは逆にトリガースイッチの出代がシステマより僅かに少なく(実測値で0.1mm)、トリガーストロークが気持ち長くなりました。ストロークが気になる場合は、アルミテープなどでトリガーのスイッチ押下部の厚みを調整してください。

※表面実装とは:電子部品の足をプリント基板の穴を通してハンダ付けする方式と異なり、実装機で基板表面にハンダ付けする手法。

システマ従来ギアボックスに納まるHTGベーシックのETU

ここからHTGベーシックETUならではの特長を見ていきましょう。ほぼ無調整でシステマギアボックスに納まるHTGベーシックの検知基板ですが、機能的にはシステマSECUとかなり大きな違いがあります。それはセクターギアの検知方法です。トレポンではセクターギアが1周したことを光電センサーで検知してモーターを止めますが、その手法自体はシステマもHTGベーシックも同じです。

しかし、システマではセクターギアに空けた2つの検知穴を光電センサーで読み取っているのに対し、HTGベーシックではセクターギア歯の枚数を読み取ります。

システマとHTGベーシックの光電センサーの差
▲セクターギアの検知穴の位置に光電センサーを合わせているシステマSECU(左)と、ギア歯の位置に合わせているHTGベーシックETU(右)

HTGベーシックではORGAでも取扱中の無限ブラシレスモーターもリリースしています。

ブラシレスモーターは高回転数と高トルクによるセミオートのハイレスポンスが最大のウリですが、停止状態から最大回転数に到達する時間の短さも圧倒的です。それは逆の場合もしかり、回転中のモーターに逆電流ブレーキを掛けて停止するまでの時間も非常に短いものとなります。稼働中に光電センサーがセクターギアを検知すると、従来モーターの約半分の制動距離でギアが止まります。

そのため、セクターギアの穴を検知するシステマの検知基板とブラシレスモーターを併用すると、セクターギアがかなり手前で停止してしまいます。

モーターの種類 センサー検知から停止までの
セクターギア空転量(ギア歯枚数換算)
従来型ブラシモーター
KUMI490など
10~11枚
ブラシレスモーター
無限モーターなど
4~5枚

システマSECUでブラシモーターとブラシレスモーターを使用した時のギア停止位置比較
▲システマSECU+従来モーター(ブラシモーター)のギア停止位置(上)と、システマSECU+ブラシレスモーターのギア停止位置(下)※イメージしやすい様、ギア歯があった場合を想定した仮線(実際は歯が無い)を入れています。

ブラシレスモーターの性能であれば、セクターギアの停止位置差で生じるレスポンスの違いに気付けるプレーヤーさんは極稀でしょう。また、システマ基板+ブラシレスモーターの組み合わせが原因でセクターギアが過消耗したり破損したりといった不具合は今のところありません。

しかし、トリガーを引いてからピストンを引き始めるまでにセクターギア歯5~6枚分のタイムロスがあると考えると、あまり心地の良いものではありませんよね。

かといって、セクターギア検知穴を空け直して物理的に停止位置を調整するのも手間が掛かります。一度弄ると無限ブラシレスモーターの設定(回転数とトルク)変更をしたり、何かしらの理由でブラシモーターに戻す時にまた検知穴の位置を変えなければなりません。

ブラシレスモーター+システマSECUの運用でも問題はありませんが、セクターギアの停止位置が気になる方は、ギアを加工するより検知基板をHTGベーシックに入れ替えてしまうのがオススメです。

このギア歯検知の仕様の恩恵は素晴らしく、セクターギアの停止位置をギア1歯単位で調整できる機能もあります。これがHTGベーシックETUの肝と言える部分。

アクティブブレーキ機能でセクターギア停止位置の微調整から、逆回転防止を搭載した無限ブラシレスモーターとの併用でプリコックセッティングも可能になります。(設定変更機能についてはオンラインマニュアルをご覧ください。)DSG※やセクターカットにも対応します。
※セクターギアの歯数により一部のバースト射撃が使えなくなる場合があります。

ただし、従来のブラシモーターを使用している場合はHTGベーシックETUは使用できません。原理的に動作はしますが、セクターギア歯を検知する方式ではブラシモーターのブレーキが遅く停止位置がかなり後方になります。検知穴のような物理的な調整もできませんので、本製品はあくまでブラシレスモーター込みで交換するものとお考え下さい。

ヒートシンク付きMOSFET

モーターへの通電を電気的にスイッチングするMOSFET。これが後方基板として分離されている仕様はシステマ製と同じで、ケースの寸法もほぼ同じです。

ただしHTGベーシックはケースがヒートシンクになっている点で優れています。表面実装で薄型化した恩恵ですね。MOSFETは熱を持ちやすいのでこれは最適な設計でしょう!

HTGベーシック PTW MOSFET

システマ製FETとの分かりやすい違いは、HTGベーシックには交換可能なブレードヒューズがないこと。そのためバッテリーの逆接続にはご注意を!

HTGベーシックではデフォルトでディーンズコネクターとなっておりその危険性は少ないですが、システマが過去標準採用していたミニTコネクタに交換する場合、うっかりすると逆接続しちゃいます。

使用バッテリーにもよりますが、小型かつ逆接続防止設計で導電も悪くないXT30に交換してしまうのがオススメ。

ORGAでは有料ですがコネクター交換も承ります。ご購入時に下記メニューもカートに入れ、ご決済時にご希望のコネクターをお問合せ欄にご記入ください。

バッテリー端子交換費用

ブレードヒューズレス仕様のHTGベーシックMOSFET

回路図は公開されていないので詳細は不明ですが、FETモジュールにブレードヒューズがないのは表面実装ヒューズが配置されているのかもしれません。

少なくともダイオードらしきものも見えますし、ショート等の人為的・電気的トラブルが起きた場合は、後方基板自体を飛ばしてETUを守る設計である可能性があります。

システマが採用するブレードヒューズも含め全般的に言えることですが、こういった電子的な予防策はお守り程度のものであり、確実に検知基板を保護できるものではありません。組み立て時の配線やフィールドでのバッテリー接続は細心の注意を払って行いましょう。

逆接続等のトラブルで動かなくなった場合にMOSFETの交換で復帰する可能性はありますが、ETUも無事ではないかも知れませんし、価格やメーカー修理の手間を考えると前後の基板一式交換してしまうのが得策です。

マイクロスイッチが改善されたスイッチ基板

トレポンはセレクターのセーフ、セミオート、フルオートを電気的に切り替える仕組みで、それを担うのがスイッチ基板です。2つのON/OFFスイッチで信号を切り替えるだけのシンプルなもので、ギアボックスの側面に設置するため薄くコンパクトに作られています。

システマがセレクター基板に採用しているマイクロスイッチは電動ガンでもお馴染みのオムロンタイプですが、非常にストロークが小さいうえ「カチッ」というまで押し込まないと通電しません。

スイッチを押す役割のセレクタープレート(下記画像のシルバーのパーツ)を、セレクターがよりスムーズに動くようにとヤスリ掛けしてしまうと、最悪の場合スイッチを押し込み切れなくなったりするので注意が必要です。

システマ製セレクター基板

その点、HTGベーシックではスイッチ基板にも独自の工夫が見られます。システマより更に小型のマイクロスイッチを採用していますが、大きさに反してボタンストロークは大きく、トリガーの様な軸回転の動きをするボタンのため、スライドするセレクタープレートとの相性も良い仕様となっています。「カチッ」という物理的抵抗も無く、セレクターレバーのスムーズな動きに僅かながら寄与してくれます。

HTGベーシックのスイッチ基板

このマイクロスイッチも表面実装用で薄くなっているため、スイッチが基板上にしっかり固定されています。ギアボックスのスイッチスペースに基板が丸々収まることも重要なポイントです。

システマのマイクロスイッチは厚くスペースの余裕がないため基板上に配置できず、接点のみで連結しています。スイッチ基板をギアボックスから外す時にここがグニャッと曲がりそうになるのでヒヤヒヤします。

その点、HTGベーシックのスイッチ基板は全体で1枚の基板になっているので、取り外しが非常に楽です。

また、基板の配線の部分は切り欠きが設けてあり、ギアボックスとの段差で断線しにくくなっているのも良く考えられています。

HTGベーシック スイッチ基板

セレクター基板だけは唯一システマSECUと互換性があります。配線はシステマと同じ3芯でコネクターも共通。ギアボックス取り付け用の4つ穴の配置も同じです。現在、この基板のみでの販売はないため現実的な話ではありませんが、相互入れ替えても問題ありません。

組込の注意点

HTGベーシック基板の組込については基本的にポン付けが可能ですが、先述の通りETUのトリガーとスイッチと当たりが無いかよくご確認ください。

かといって、検知基板をギアボックスに押し込む際に引っ掛かるからと言って、安易にトリガーを削るのも時期尚早。ボルトストップのスイッチなど、トリガー以外の部分に当たりがある可能性もあります。

どこが引っ掛かりを生んでいるのか各部を確認しながら慎重にセットしていきましょう。

そして、その前に気を付けたいのが接続ケーブル(コントロールケーブル:SECUとFETを繋ぐ信号線)。このユニットは多機能であるが故に、ケーブルはシステマの4芯ではなく7芯の専用品となっており、1芯の信号線が非常に細く断線しやすい構造です。

いまのところプロトタイプを弄っていて断線したことはありませんが、システマのコントロールケーブルで断線してしまった経験がある方はより一層のご注意を!芯線保護のために熱収縮チューブがセットされていますが過信は禁物。

予備ケーブルが1本同梱されているのは非常に親切ですが、予備があるとはいえコネクターの脱着やロアレシーバー内の配線取り回しはくれぐれも慎重に。

システマとHTGベーシックのコントロールケーブル端子比較
▲小さいのでそれぞれ別撮りし、画像加工で端子の大きさの比率を合わせています。信号線の直径はシステマが1mm(左)に対し、HTGベーシックは何と半分以下の0.4mm!(右)

実際に運用してみての感想

筆者のトレポンにはS.COMのREBORNブラシレスモーター(Ver.1)を、当店での取扱い前にテスト運用的に導入し、現在でもその仕様のまま快調に動作しています。

組込み当時からシステマSECUとの組み合わせに大きな不満はなかったものの、セクターギアの停止位置について少し気にはなっていました。セクターギアに加工をするか悩んでいた所で本製品のプロトタイプの提供があったため、SECUとFETを入れ替えるだけでブラシレスモーター運用が最適化されたのはシンプルに喜びと安心感があります。

REBORNブラシレスモーター

初期型REBORNブラシレスモーターには逆回転防止機構がないためプリコックには対応していませんし、元よりプリコックの必要性を感じないほどブラシレスモーターの性能に満足しているため、私と同じタイプのユーザーさんにとってはHTGベーシックの基板導入はあまり恩恵がないと感じるかもしれません。

ただしこれは、あくまで実売価格を考えない前提でのお話。

約1年に及ぶ運用では、月2~3回程度のサバゲー参加で使用頻度も標準的ながらトラブルは皆無。勿論ブラシレスモーターの性能を落とすこともなく動作も燃費も相変わらず良好なうえ、セクターギア停止位置の最適化が精神衛生上の安定剤となります笑。

射撃モードやアクティブブレーキ(プリコック)の追加機能、スイッチ基板の完成度も含めて、丸々一式で16,000円前後という価格に、本製品の大きな価値があります。

HTGベーシック PTW トレポン 電子トリガーユニット

システマについてはバリューキット3の供給も終了となったいま、従来型ギアボックスでトラブルが起きた際にサポートがしづらくなってきております。そういった意味でも、HTGベーシックの無限ブラシレスモーターPTW用電子トリガーユニットは従来型の未来を残してくれたありがた~い存在です。

発射モードの変更やプリコックなどの分かりやすいアップグレードに目が行きがちですが、サードパーティー製ながら基本性能が非常にしっかりしているため、ノーマルセッティングでの運用においてもオススメです。

従来ギアボックスでブラシレスモーターを導入済みの方、これからブラシレスモーター化をご希望の方はもちろん、将来的にシステマ従来パーツが故障した際にも、モーターとセットでのHTGベーシック導入を是非ご検討ください!

HTGベーシック 電子トリガーユニット PTW/トレポン用

HTGベーシック MUGEN 無限 ブラシレスモーター PTW/トレポン用

 
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