HK416の発展型・派生型のライフルたち

HK416の発展型・派生型のライフルたち
HK416の発展型・派生型のライフルたち
 

HK416の数あるバリエーションの違いとは?発展型・派生型モデルを紹介

実銃における信頼性や採用組織の多さ、特殊部隊などのエリートに使用されているイメージなどから、エアガンにおいても非常に人気の高いHK416。
その証拠に、電動ガン、ガスブローバック、コンバージョンキットなどあらゆるエアソフト製品にモデルアップされている。

最初の設計から15年近くが経過した今でも、HK416関連のエアガンやパーツ類が数多く企画・リリースされている。
それは実銃においてもいまだに第1線で使用されているライフルであり、進化を遂げ続けているからに他ならない。
2018年はVFCからHK416A5がガスブロで登場するなど、最新モデル(といっても2012年に登場したモデルではあるが)のエアガン化も着々と進み、今年2019年には電動ガンでもHK416A5が発売予定だ。

HK416は様々な国・組織によって採用されているため、それぞれの要求によって仕様変更が加えられたり、細かな改良がなされることによって、一口にHK416と言っても様々なバリエーションが存在する。
M4カービンの改修・改良型として誕生したHK416の歴史やモデルについて紹介していこう。

 

HK416の原型となったHKM4

HK416の誕生のきっかけとなったのは、アメリカ陸軍によるH&K社へのM4カービン改修依頼である。
当時、M4カービンはアサルトライフルとしては優秀なものであったが同時に不満の声も多く、オプション装備対応の不便さや過酷な環境での信頼性の問題などが指摘されていた。

依頼を受けたH&K社は、M16で確立されたガス直噴によるボルト作動方式やめ、G36などに使われていたガスピストン方式を採用。これにより耐久性の向上やジャム発生率の低下、砂漠地帯のような砂埃の多い環境下や泥水から取り出した後でも射撃ができるような、チャンバーにとって劣悪な状況でも射撃できる性能を持つなど、作動の安定性が飛躍的に向上したと言われる。

試験運用において高評価を得たHKM4であったが、名称においてM4カービンの製造元であるコルト社より商標権の侵害として訴訟問題に発展し、のちに現在の名称であるHK416に改称された。

 

HK416

HKM4ではレール高はM4などと同じ高さで、ハンドガードも前後リングによって固定するタイプのものが使われていた。ダストカバーもオミットされており、今のHK416とは少々雰囲気も異なるライフルであった。
HKM4からHK416に改称する際、照準器を使用しやすい高さまでレール高を上げた誰しもが知る現在のレシーバー形状となり、それに合わせてFFRS(Free Floating Rail System)と呼ばれる4面レールのハンドガードに変更。オプションパーツなどの拡張性の高さも充分なライフルへと生まれ変わり、今後派生していくHK416シリーズのベースが完成する。

 

HK416D

軍や法執行機関など公的機関向けとして、H&Kのアメリカ現地子会社 Heckler&Koch Defence USAによって生産、販売、納入されたモデル。Dは「Defense」の略で、刻印以外の仕様はHK416と基本的に同じである。
刻印の内容は納期や生産拠点によって「GmbH」や「Made in Germany」の刻印が異なる。

 

HK416A1~A4

納入品ごとによる改良や民間モデルでの仕様をフィードバックしたりと、HK416はその生産時期によって細かな違いがある。
これらの改良はカタログ上でのモデル名としては扱われず全て「HK416」として販売されていたが、各機関や軍の要求に応える中で仕様が徐々に変わっていったため、それぞれの仕様を表すものであり刻印などで表記されることはなかった。

 

HK416A5

これまでのA1~A4までの改良点を受け継ぎつつ、HK417をベースに開発されたDMR、G28の特徴を取り入れた全面改修モデル。
セレクター以外にもマグキャッチやボルトリリースなど各操作系統がアンビ仕様になるなど現代的な改良も取り入れられている。

2012年から行われたアメリカ軍次期カービン計画の応募のために開発され、今までのA1~A4と違い刻印でも「A5」の名が入る。結局のところアメリカ軍次期カービン計画は中止となってしまったが、16.5インチモデルがドイツ連邦軍によって一部採用され「G38」の名称が指定されることになった。
G38は14.5インチがG38K、11インチモデルがG38Cとしてドイツ政府機関でも採用されている。

これまで細かな改修が度々加えられサブタイプを更新してきHK416であるが、A5の名は開発から6年が経過した今でも正式名称として呼称されている。現時点での主流モデルである。

 

HK416C

Cは「sub-Compact」の略で、2009年にアメリカ陸軍特殊部隊やイギリス軍特殊部隊本部の要請を受けて開発されたショートカービンモデル。バレルは9インチにまで短くなり、ストックもワイヤータイプのリトラクタブルストックに換装されている。PDWとして開発されたが、そのコンパクトな形状から各国の警察などでの採用もみられる。

 

アメリカ軍、ドイツ連邦軍以外のモデル

アメリカ軍においては特殊部隊などにおける採用はありつつも、結局は標準装備として制式採用はされなかったHK416。制式採用されたドイツ軍においても一部採用のみで大型受注には至っていない。
しかし、ノルウェー軍、フランス軍では標準装備としての制式採用を勝ち取っており、それぞれにモデル名が存在する。

HK416Nとなったノルウェー軍モデルはHK416A2の16.5インチモデルをベースとしており、対浸水機能を省き安全装置の変更、ガスレギュレーターの装着などの改修が施されている。ノルウェー軍に合わせた銃剣装着部が備わる。HK416としては初の正規軍標準採用となった。
なお、HK416Nの10インチモデルは、ノルウェー語のKort(短いという意味)からHK416Kという名称になっている。

フランス軍での制式採用は、標準採用としては一番最新のモデルとなりHK416A5をベースとして仕様変更されている。
名称をHK416Fとし、アイアンサイトの形状や銃剣装着部が独自形状となっている。
HK416A5では標準カラーをRAL-8000というDE系カラーとしているが、フランス軍仕様ではブラックが標準カラーとして採用され、RAL-8000は一部導入されている形となる。まだ導入は始まったばかりで、10年近くをかけてFA-MASと入れ替えていく計画とされている。

 

M27 IAR

アメリカ海兵隊によって、M249軽機関銃ミニミの後継機として採用した分隊支援火器。
基本的な仕様は16.5インチのHK416とほとんど一緒であるが、分隊支援火器としての使用に耐えられるようヘビーバレル化され、11インチのロングハンドガードが備わる。
対テロ戦争の増加に伴い、それまでの分隊支援火器の在り方が問われる中で開発・採用されたモデルで、弾をバラ撒くよりも、射撃精度を上げて取り回しよくした歩兵用ライフルが求められ誕生した。

HK416ではアメリカ軍に大規模な発注がなかったが、M27はアメリカ海兵隊におよそ6500丁が購入されたという。
また、2016年からは歩兵用制式ライフルとしての配備が計画されている。

 

HK417

砂漠地帯など開けた場所における戦闘で7.62mm弾の有用性が評価されたことを受けて開発された、HK416の7.62mm弾仕様。
弾薬の大口径化に合わせ、レシーバーやバレルの大型化やバッファーが強化されている以外、基本的な構造はHK416と同じである。

HK416同様、様々な国の軍や機関での採用に合わせ様々な仕様が存在する。
バトルライフルやDMR(マークスマンライフル)としての評価は厳しく、軍での全面的な制式採用に至った例は少ないが、使用国は徐々に広がってきている。

HK417の民間セミオート仕様であるMR308(MR762)をベースに開発された狙撃銃G28 DMRは、ドイツ連邦軍やアメリカ陸軍によって採用され、アメリカ陸軍においては2019年現在、さらに改良を加えたものを新型のマークスマンライフルSDM-R(Squad Designated Marksman Rifle)としてM110A1のモデル名で試験中である。

ここまで色々なHK416を紹介してきたが、他にも民間仕様やクローンモデル(HK416自体M4のクローンではあるが)など様々なモデルが存在するHK416。
なかなかM4に取って代わるアサルトライフルとはなれないものの、その耐久性の高さやH&Kが常に関係機関の要求に応えながら改良を加え続けたこともあり、世界中の特殊部隊や法執行機関で存在感を増しているのは事実である。

バリエーションもアサルトライフルからPDW、マークスマンライフルと幅広く、M4カービンのクローンから始まったHK416も既にM4と並ぶ名銃と呼べる地位を確立していると言えるだろう。

エアソフト業界においても、ミリタリー・LE系の装備ではM4と人気を二分しているエアガンであり、今後も現役かつ最新ライフルとして進化していくHK416から目が離せない。

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