HK416 の発展型・派生型のライフルたち

HK416 の発展型・派生型のライフルたち
HK416 の発展型・派生型のライフルたち
 

HK416 の数あるバリエーションの違いとは?発展型・派生型モデルを紹介

HK416のバリエーションは、H&K社のHK416をもとに生まれたモデルの総称です。この記事では、原型のHKM4から、A5やM27 IAR、HK417までを整理します。なお、情報は2019年時点のものです。

実銃における信頼性や採用組織の多さ、特殊部隊などのエリートに使用されているイメージなどから、エアガンにおいても非常に人気の高い HK416 。
その証拠に、電動ガン、ガスブローバック、コンバージョンキットなどあらゆるエアソフト製品にモデルアップされている。

HK416

最初の設計から15年近くが経過した今でも、 HK416 関連のエアガンやパーツ類が数多く企画・リリースされている。
それは実銃においてもいまだに第1線で使用されているライフルであり、進化を遂げ続けているからに他ならない。
2018年はVFCから HK416 A5 がガスブロで登場するなど、最新モデル(といっても2012年に登場したモデルではあるが)のエアガン化も着々と進み、今年2019年には電動ガンでも HK416 A5 が発売予定だ。

HK416のバリエーションが多い理由

HK416 は様々な国・組織によって採用されているため、それぞれの要求によって仕様変更が加えられたり、細かな改良がなされることによって、一口にHK416と言っても様々なバリエーションが存在する。
M4カービンの改修・改良型として誕生したHK416の歴史やモデルについて紹介していこう。

HK416は、採用する国や組織が多いライフルです。そのため、それぞれの要求に合わせて、仕様変更や細かな改良が加えられてきました。つまり、同じHK416でも、納入先や生産時期で細部が異なります。

HK416のバリエーションの要点まとめ

  • HKM4は、米陸軍のM4カービン改修依頼から生まれた原型
  • コルト社の訴訟を受けて、HK416に改称された
  • D、A1~A4、A5、C、N、K、Fなど、仕様や採用国ごとにモデルが分かれる
  • M27 IARは米海兵隊の分隊支援火器で、HK417は7.62mm弾仕様
  • ノルウェー軍が、HK416を正規軍の標準装備として初めて採用した
  • A5は、2012年の米軍次期カービン計画に向けて開発された
  • ドイツ連邦軍は、16.5インチのA5をG38として一部採用した

HK416のバリエーションのモデル比較

モデル 概要 特徴
HKM4 米陸軍のM4改修依頼から生まれた原型 ガスピストン方式を採用。コルト社の訴訟で改称
HK416 改称後の基本モデル レール高を上げ、4面レールのFFRSを採用
HK416 D 公的機関向けのモデル 刻印以外の仕様はHK416と基本的に同じ
HK416A1~A4 納入品ごとの改良の総称 カタログ上のモデル名ではない
HK416 A5 全面改修モデル G28の特徴を取り入れ、操作系統がアンビ仕様
HK416 C sub-Compactの略 バレルは9インチで、リトラクタブルストック
HK416 N ノルウェー軍モデル HK416A2の16.5インチがベース
HK416 K Nの10インチモデル Kort(短いという意味)から命名
HK416 F フランス軍モデル A5がベースで、標準カラーはブラック
M27 IAR 米海兵隊の分隊支援火器 ヘビーバレルと11インチのロングハンドガード
HK417 HK416の7.62mm弾仕様 レシーバーやバレルが大型化し、バッファーを強化

HK416

 

HK416 の原型となったHKM4

HK416 の誕生のきっかけとなったのは、アメリカ陸軍によるH&K社へのM4カービン改修依頼である。
当時、M4カービンはアサルトライフルとしては優秀なものであったが同時に不満の声も多く、オプション装備対応の不便さや過酷な環境での信頼性の問題などが指摘されていた。

依頼を受けたH&K社は、M16で確立されたガス直噴によるボルト作動方式やめ、G36などに使われていたガスピストン方式を採用。これにより耐久性の向上やジャム発生率の低下、砂漠地帯のような砂埃の多い環境下や泥水から取り出した後でも射撃ができるような、チャンバーにとって劣悪な状況でも射撃できる性能を持つなど、作動の安定性が飛躍的に向上したと言われる。

HK416

試験運用において高評価を得たHKM4であったが、名称においてM4カービンの製造元であるコルト社より商標権の侵害として訴訟問題に発展し、のちに現在の名称であるHK416に改称された。

ガス直噴方式は、燃焼ガスを機関部へ直接吹き込む構造です。一方、ガスピストン方式は、ガスの力をピストンで伝える構造です。そのため、後者は機関部が汚れにくく、作動が安定しやすくなります。

 

HK416

HK416のバリエーションの基本形とFFRS

HKM4 ではレール高はM4などと同じ高さで、ハンドガードも前後リングによって固定するタイプのものが使われていた。ダストカバーもオミットされており、今の HK416 とは少々雰囲気も異なるライフルであった。
HKM4 から HK416 に改称する際、照準器を使用しやすい高さまでレール高を上げた誰しもが知る現在のレシーバー形状となり、それに合わせてFFRS(Free Floating Rail System)と呼ばれる4面レールのハンドガードに変更。オプションパーツなどの拡張性の高さも充分なライフルへと生まれ変わり、今後派生していく HK416 シリーズのベースが完成する。

FFRSは、ハンドガードを銃身から浮かせて固定する、4面レールのシステムです。そのため、ハンドガードがバレルに触れにくく、拡張性の高さと命中精度の両立が期待できます。また、レール高を上げたことで、ドットサイトなどの照準器も使いやすくなりました。

HK416

 

HK416 D

軍や法執行機関など公的機関向けとして、H&Kのアメリカ現地子会社 Heckler&Koch Defence USAによって生産、販売、納入されたモデル。Dは「Defense」の略で、刻印以外の仕様はHK416と基本的に同じである。
刻印の内容は納期や生産拠点によって「GmbH」や「Made in Germany」の刻印が異なる。

D型は、公的機関向けのモデルです。そのため、民間向けとは納入先が異なり、刻印に生産拠点の違いが表れます。ちなみに、刻印以外の仕様は、HK416と基本的に同じです。

HK416

 

HK416A1~A4

納入品ごとによる改良や民間モデルでの仕様をフィードバックしたりと、 HK416 はその生産時期によって細かな違いがある。
これらの改良はカタログ上でのモデル名としては扱われず全て「 HK416 」として販売されていたが、各機関や軍の要求に応える中で仕様が徐々に変わっていったため、それぞれの仕様を表すものであり刻印などで表記されることはなかった。

A1~A4は、カタログ上のモデル名ではありません。そのため、販売時の名称は、すべてHK416でした。つまり、A1~A4は、仕様の移り変わりを表す呼び方です。

 

HK416 A5

HK416のバリエーションで最新のA5

これまでのA1~A4までの改良点を受け継ぎつつ、 HK417 をベースに開発されたDMR、G28の特徴を取り入れた全面改修モデル。
セレクター以外にもマグキャッチやボルトリリースなど各操作系統がアンビ仕様になるなど現代的な改良も取り入れられている。

2012年から行われたアメリカ軍次期カービン計画の応募のために開発され、今までのA1~A4と違い刻印でも「A5」の名が入る。結局のところアメリカ軍次期カービン計画は中止となってしまったが、16.5インチモデルがドイツ連邦軍によって一部採用され「G38」の名称が指定されることになった。
G38は14.5インチがG38K、11インチモデルがG38Cとしてドイツ政府機関でも採用されている。

これまで細かな改修が度々加えられサブタイプを更新してきHK416であるが、A5の名は開発から6年が経過した今でも正式名称として呼称されている。現時点での主流モデルである。

A5は、2012年から行われた米軍の次期カービン計画に向けて開発されました。そのため、操作系統のアンビ化など、現代的な改良が取り入れられています。一方、同計画は中止になりました。ただし、ドイツ連邦軍が、16.5インチをG38として一部採用しました。

HK416

 

HK416 C

HK416のバリエーションのコンパクトモデルC

Cは「sub-Compact」の略で、2009年にアメリカ陸軍特殊部隊やイギリス軍特殊部隊本部の要請を受けて開発されたショートカービンモデル。バレルは9インチにまで短くなり、ストックもワイヤータイプのリトラクタブルストックに換装されている。PDWとして開発されたが、そのコンパクトな形状から各国の警察などでの採用もみられる。

C型は、バレルを9インチまで短縮したモデルです。そのため、全長が短く、PDWとして取り回しやすい形状になっています。さらに、リトラクタブルストックに換装されているため、収納時の大きさも抑えられます。

HK416

 

アメリカ軍、ドイツ連邦軍以外のモデル

HK416のバリエーションを採用した国々

アメリカ軍においては特殊部隊などにおける採用はありつつも、結局は標準装備として制式採用はされなかったHK416。制式採用されたドイツ軍においても一部採用のみで大型受注には至っていない。
しかし、ノルウェー軍、フランス軍では標準装備としての制式採用を勝ち取っており、それぞれにモデル名が存在する。

アメリカ軍では、特殊部隊などで採用されたものの、標準装備にはなりませんでした。一方、ノルウェー軍とフランス軍は、標準装備として制式採用しています。そのため、この2か国には、それぞれ専用のモデル名があります。

軍 採用の状況
アメリカ軍 特殊部隊などで採用されたが、標準装備にはならなかった
ドイツ連邦軍 16.5インチのA5をG38として一部採用。G38Kは14.5インチ、G38Cは11インチ
ノルウェー軍 HK416 Nを採用。HK416として初の正規軍標準採用
フランス軍 HK416 Fを採用。FA-MASと入れ替える計画

ノルウェー軍モデルのNとK

HK416 Nとなったノルウェー軍モデルはHK416A2の16.5インチモデルをベースとしており、対浸水機能を省き安全装置の変更、ガスレギュレーターの装着などの改修が施されている。ノルウェー軍に合わせた銃剣装着部が備わる。 HK416 としては初の正規軍標準採用となった。
なお、 HK416 N の10インチモデルは、ノルウェー語のKort(短いという意味)から HK416 K という名称になっている。

N型は、対浸水機能を省いた点が特徴です。また、ガスレギュレーターを装着し、安全装置も変更されています。つまり、ノルウェー軍の運用に合わせて、細かく仕様が見直されたモデルです。

HK416

フランス軍モデルのF

フランス軍での制式採用は、標準採用としては一番最新のモデルとなり HK416 A5をベースとして仕様変更されている。名称を HK416 F とし、アイアンサイトの形状や銃剣装着部が独自形状となっている。
HK416 A5 では標準カラーをRAL-8000というDE系カラーとしているが、フランス軍仕様ではブラックが標準カラーとして採用され、RAL-8000は一部導入されている形となる。まだ導入は始まったばかりで、10年近くをかけてFA-MASと入れ替えていく計画とされている。

F型は、HK416 A5をベースにしたフランス軍モデルです。そのため、アイアンサイトや銃剣装着部が、独自の形状になっています。ちなみに、フランス軍は、10年近くをかけて、FA-MASと入れ替える計画です。

HK416

 

M27 IAR

HK416のバリエーションから生まれたM27 IAR

アメリカ海兵隊によって、M249軽機関銃ミニミの後継機として採用した分隊支援火器。
基本的な仕様は16.5インチのHK416とほとんど一緒であるが、分隊支援火器としての使用に耐えられるようヘビーバレル化され、11インチのロングハンドガードが備わる。
対テロ戦争の増加に伴い、それまでの分隊支援火器の在り方が問われる中で開発・採用されたモデルで、弾をバラ撒くよりも、射撃精度を上げて取り回しよくした歩兵用ライフルが求められ誕生した。

HK416 ではアメリカ軍に大規模な発注がなかったが、M27はアメリカ海兵隊におよそ6500丁が購入されたという。
また、2016年からは歩兵用制式ライフルとしての配備が計画されている。

M27 IARは、ミニミの後継として採用されました。そのため、連射で弾をばらまくより、射撃精度を重視した設計です。また、アメリカ海兵隊は、およそ6500丁を購入したとされます。

HK416のバリエーションであるM27 IARを構えて射撃するアメリカ海兵隊員

 

HK417

HK416のバリエーションの7.62mm版HK417

砂漠地帯など開けた場所における戦闘で7.62mm弾の有用性が評価されたことを受けて開発された、 HK416 の7.62mm弾仕様。
弾薬の大口径化に合わせ、レシーバーやバレルの大型化やバッファーが強化されている以外、基本的な構造はHK416と同じである。

ヘルメットとヘッドセット姿でスコープ付きのHK417を構える兵士

HK416 同様、様々な国の軍や機関での採用に合わせ様々な仕様が存在する。
バトルライフルやDMR(マークスマンライフル)としての評価は厳しく、軍での全面的な制式採用に至った例は少ないが、使用国は徐々に広がってきている。

HK417は、7.62mm弾を使うため、HK416よりも大型です。そのため、レシーバーやバレルが大きくなり、バッファーも強化されています。一方、構造の基本は、HK416と同じです。

HK416のバリエーションの狙撃型G28とM110A1

HK417 の民間セミオート仕様であるMR308(MR762)をベースに開発された狙撃銃G28 DMRは、ドイツ連邦軍やアメリカ陸軍によって採用され、アメリカ陸軍においては2019年現在、さらに改良を加えたものを新型のマークスマンライフルSDM-R(Squad Designated Marksman Rifle)としてM110A1のモデル名で試験中である。

DMRは、マークスマンライフルの一種です。マークスマンライフルは、通常の歩兵より遠くの目標を狙うための銃です。そのため、アサルトライフルよりも、射撃精度が重視されます。

バイポッドを立てて置かれたスコープ付きのM110A1

HK416のバリエーションのまとめと今後

ここまで色々な HK416 を紹介してきたが、他にも民間仕様やクローンモデル(HK416自体M4のクローンではあるが)など様々なモデルが存在するHK416。
なかなかM4に取って代わるアサルトライフルとはなれないものの、その耐久性の高さやH&Kが常に関係機関の要求に応えながら改良を加え続けたこともあり、世界中の特殊部隊や法執行機関で存在感を増しているのは事実である。

バリエーションもアサルトライフルからPDW、マークスマンライフルと幅広く、M4カービンのクローンから始まったHK416 も既にM4と並ぶ名銃と呼べる地位を確立していると言えるだろう。

エアソフト業界においても、ミリタリー・LE系の装備ではM4と人気を二分しているエアガンであり、今後も現役かつ最新ライフルとして進化していくHK416から目が離せない。

HK416は、M4に代わる存在とはなっていません。ただし、耐久性の高さと継続的な改良により、特殊部隊や法執行機関での存在感が増しています。つまり、HK416のバリエーションは、今後も進化を続ける現役の系統です。

水辺でHK416のバリエーションを構えるダイバー装備の特殊部隊員

 

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HK416のバリエーションのエアガンは、電動ガンとガスブロの両方で展開されています。そのため、気になるモデルは、記事一覧や商品一覧で確認できます。

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HK416のバリエーションに関するよくある質問(Q&A)

Q. HK416のバリエーションとは何ですか?

H&K社のHK416をもとに、用途や採用国に合わせて生まれたモデルの総称です。そのため、D、A5、C、N、K、Fなど、さまざまな型があります。

Q. HK416のバリエーションの原型は何ですか?

HKM4です。ただし、コルト社の商標権をめぐる訴訟を受けて、HK416に改称されました。

Q. HK416のバリエーションのD型とは何ですか?

Dは「Defense」の略で、公的機関向けのモデルです。そのため、刻印以外の仕様は、HK416と基本的に同じです。

Q. HK416 A5の特徴は何ですか?

HK417をベースに開発されたDMR、G28の特徴を取り入れた全面改修モデルです。また、各操作系統がアンビ仕様になっています。

Q. HK416 Cの特徴は何ですか?

sub-Compactの略で、バレルが9インチのショートカービンです。そのため、PDWとして開発されながら、各国の警察での採用もみられます。

Q. HK416のバリエーションのN、K、Fの違いは何ですか?

Nはノルウェー軍、KはNの10インチ、Fはフランス軍のモデルです。そのため、国ごとに名称と仕様が異なります。

Q. M27 IARとは何ですか?

アメリカ海兵隊が、M249の後継として採用した分隊支援火器です。また、ヘビーバレルと11インチのロングハンドガードが特徴です。

Q. 各国の軍は、どのモデルを採用していますか?

ノルウェー軍はN、フランス軍はFを採用しています。また、ドイツ連邦軍は、A5の一部をG38として採用し、アメリカ軍は標準装備にしていません。

Q. HK417とHK416の違いは何ですか?

HK417は、7.62mm弾仕様のモデルです。そのため、レシーバーやバレルが大型で、バッファーも強化されています。

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