フランス軍がスナイパーライフルを更新
FN SCAR-H PRが選ばれる
フランス軍の新しいスナイパーライフルに、SCAR-H PRが選ばれた。FN Herstal社のセミオートモデルだ。ここでは、SCAR-H PRの特徴と選定の背景を整理する。
要点まとめ:フランス軍のSCAR-H PR
- フランス軍の新スナイパーライフルとして、SCAR-H PRを選定
- 納入契約は2620挺で、最初のデリバリーは2020年を予定
- 7.62×51mm弾を使い、有効射程は800mに及ぶ
- これまでのFR-F2ライフルを更新するための選定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選定機関 | DGA(フランス軍備調達機関) |
| モデル | FN Herstal社 SCAR-H PR |
| 使用弾薬 | 7.62×51mm弾 |
| 契約数 | 2620挺 |
| 初回納入 | 2020年を予定 |
| 選定の開始 | 2018年8月 |
| バレル長 | 16インチと20インチがあり、20インチを採用した模様 |
| 重量 | 6750g(スコープやバイポッド、20発マガジン装着時) |
| 更新対象 | FR-F2ライフル |
なお、内容は発表時点の情報だ。納入の進み方は、その後に変わっている可能性がある。
SCAR-H PRが選定された概要
フランス政府の軍備調達機関であるDGA(Direction Générale de l’Armement)がこのほど、フランス軍の新たなスナイパーライフルとしてFN Herstal社のセミオートスナイパーライフルである「SCAR-H PR」を選択したことを発表した。
これまでのライフルが古くなり、更新が必要になった。そのため、選定の背景を知ると、今回の発表を理解しやすい。
フランス語でFPSA(Fusil deprécisionsemi-automatique)と呼ばれるこのスナイパーライフルは、これまでフランス軍で使用されてきたFR-F2ライフルを更新するため、昼光対応の光学機器を備えた7.62×51mm弾を使用するセミオートの狙撃兵用ライフルという条件で2018年8月から選定をはじめたもの。FR-F2は1980年代から使用されてきたスナイパーライフルだが、1930年代に開発・採用されたMAS36をベースとしており老朽化してきていることは否めず、今回の更新へと至ったようだ。
FR-F2は、長く使われてきたライフルだ。つまり、今回の選定は、世代交代の始まりと言える。
納入契約とHK417が選ばれなかった理由
SCAR-H PRは2620挺を納入される契約となっており、最初のデリバリーは2020年に行われる予定であるという。
フランス軍では一部のユニットにおいてHK417が採用されているため、FPSAとしてもHK417が選択されることが予測されていたが、H&K(Heckler & Koch)社は既にフランス軍とFAMASライフルをHK416Fへと更新していく巨大プロジェクトが進行中であり、今回のFPSA選定プログラムへの参加を見送ったとみられる。
他のメーカーの動きも、選定には影響したようだ。ただし、見送った理由は、あくまで推測にとどまる。
FN SCAR-H PRとは?
ここでは、SCAR-H PRの仕様を確認する。そのため、ベースのSCARとの違いにも触れておく。
FN Herstal社が製造するセミオートスナイパーライフル「SCAR-H PR」は、ご存知SCARをベースとした精密ライフルだ。Hの名が示す通り7.62×51mm弾を使用し有効射程は800mにも及ぶ。またベースがSCARであることから分かる通り、アサルトライフルとしての性能も高く近距離と長距離の両方に対応できるライフルであり、フランス軍でもマークスマンライフルとしての性能を期待されたモデルであると思われる。
近距離と長距離の両方に対応できる点が、強みだ。つまり、フランス軍が求めた条件に合う設計と言える。
ストックとトリガーの特徴
ストックは標準的なSCAR同様、長さ調整と折り畳みが可能なものとなっているが、アッパーレシーバーは長いバレルに合わせ延長されたロングタイプのトップレールとなっている。トリガーは精密ライフルらしく2ステージトリガーとなっている。
長いバレルに合わせた設計のため、精度への配慮がうかがえる。また、2ステージトリガーも、精密射撃向けの装備だ。
バレル長とセットアップ
SCAR-H PRにはバレル長が16インチと20インチの2モデルが存在するが、DGAは20インチモデルを採用した模様。FPSAとしてのセットアップにはスコープやバイポッドも含まれており、20ラウンドのマガジンを装着すると重量は6750gになるという。ミッションによってはOIP Sensor Systems社のクリップオンサーマルサイトを装着する。
サーマルサイトを使える点は、任務の幅を広げる。そのため、夜間や悪条件での運用も見据えた構成だ。
軍事力という点では世界有数の兵力を誇るフランス軍だが、長年に渡ってFAMASなど自国製小火器を使用するなど兵士の装備更新の遅れが目立っていた。ここ数年でアサルトライフルをはじめとした各種小火器類の更新が一斉に決まり、2020年代にはフランス軍の射撃における効率性・優位性が急速に現代化されるものと思われる。
装備の更新が続けば、フランス軍の戦い方も変わる。つまり、今回の選定は、その流れの一つと言える。
SCAR-H PRに関するよくある質問(Q&A)
Q. フランス軍の新スナイパーライフルは何ですか?
FN Herstal社のセミオートスナイパーライフル、SCAR-H PRだ。DGAが選定したと発表した。
Q. SCAR-H PRはいくつ納入されますか?
2620挺を納入する契約だ。また、最初のデリバリーは、2020年に行われる予定とされていた。
Q. SCAR-H PRはどんな弾薬を使いますか?
7.62×51mm弾だ。また、有効射程は800mに及ぶとされる。
Q. SCAR-H PRは何を更新するために選ばれましたか?
これまで使われてきた、FR-F2ライフルだ。1980年代から使われ、老朽化が目立っていた。
Q. SCAR-H PRのバレル長は何インチですか?
16インチと20インチの2モデルがある。ただし、DGAは20インチを採用した模様だ。
Q. SCAR-H PRのトリガーは?
精密ライフルらしく、2ステージトリガーだ。また、ストックは長さ調整と折り畳みが可能だ。
Q. なぜHK417は選ばれなかったのですか?
HK417は一部のユニットで使われている。ただし、H&K社は他の大型プロジェクトを進めており、参加を見送ったとみられる。
Q. SCAR-H PRにサーマルサイトは付けられますか?
任務によっては、OIP Sensor Systems社のクリップオンサーマルサイトを装着する。








