L1A1は、イギリスで採用されたFALの派生型で、SLRの名でも知られる。この記事は、ARES製電動ガンのMagnusチューンの記録だ。分解からバレルとHOPの調整までを、順に解説している。
L1A1 SLRのMagnusチューンの要点まとめ
- ARES製L1A1 SLRは、バッテリーをストック内部に収納する
- メカボックスは、マイクロスイッチを内蔵した専用のVer.3タイプ
- ギア、シリンダー、ピストン、スプリング、モーターを一新する
- ピストンは0.7mmの差があり、J-Armament製に変更した
- インナーバレルは長さ195mmで、初速を調整した
| 部位 | 使用したパーツ |
|---|---|
| 軸受け | ORGA SUS420 7mm軸受け |
| ギア | J-Armament製18:1強化ギア、セクターチップ |
| シリンダー | MagnusシリンダーセットVer2~Ver6 |
| ピストン | J-Armament製14歯メタルTeethピストン |
| スプリング | ORGA MAGNUSスプリング 従来電動ガン用 |
| モーター | 東京マルイ サマリウムコバルトモーター、SBD |
| バレルとHOP | Magnusバレル、ORGA DIMENSION フラットHOP |
ARES L1A1 SLR Magnusチューン

今回はARES製電動ガンのL1A1 SLR Magnusチューンのご紹介です。
実銃としてのL1A1 セルフローディングライフル(L1A1 Self-Loading Rifle)は、英連邦諸国向けにライセンス生産されたFAL自動小銃です。
また「C1」、「SLR」、「インチパターンFAL(”inch pattern” FAL)」などの名称でも知られています。
L1A1は、ベルギーのFN FALを、イギリス向けにインチ規格へ改めた銃だ。イギリスとオーストラリアは、1954年に採用した。口径は7.62×51mm NATOで、支給時はセミオート専用だった。
その後、イギリス軍はSA80へ更新し、1994年までにL1A1を退役させた。一方で、英連邦諸国では長く使われ、カナダではC1の名で配備された。

バッテリーはストック内部に収納します。
パッドを引きながら回転させるとアクセス出来ます。
海外販売店は、7.4Vのリポスティックバッテリーを案内している。そのため、購入前にバッテリーの寸法を確認したい。また、この電動ガンはセミオート専用と案内されている。
L1A1 SLRの分解とアッパー・ロアの分離

それでは分解をしていきます。
アッパーとロアを固定しているトリガー前部のナットを左右とも外します。
マガジンリリースレバーのピンも外します。
分解では、外したネジの位置を写真に残すと安心だ。例えば、ストックやグリップのネジは長さが異なる場合がある。そのため、小皿に分けて保管し、組む順にもどせるようにしたい。

次にストック内の奥にあるストック固定ネジを長いマイナスドライバーで外します。

次はグリップエンドを外します。
ネジの位置は底に1本と前面に1本です。
L1A1 SLRのグリップとモーターの取り外し

グリップエンドを外したらモーターの配線の通し方をチェック!
マイナス(黒)は前側から、プラス(赤)は後方からそれぞれ立ち上げています。
組む時に配線は同じ通し方をしないとグリップエンドが上手くはまらない事があります。
配線の通し方を覚えておくと、組み上げが速い。通し方を間違えると、グリップエンドが浮いたり、配線を挟んだりしやすい。さらに、被覆を傷めると、ショートの原因になる。
L1A1 SLRのメカボックスの取り出し

メカボックス後部にレシーバーに固定しているネジがあるので六角レンチで緩めメカボックスを取り出します。

このネジを緩めました。
完全に外さなくても緩めれば取り出せます。

メカボックスはVer.3タイプですがマイクロスイッチが組み込まれていて専用品です。
専用品のため、一般的なVer.3用のパーツが合うとは限らない。そのため、パーツを選ぶときは、形状と干渉を確認したい。

スプリングはメカボックスを開けなくても後方から取り出せるQDタイプのスプリングガイドです。
QDタイプのスプリングガイドは、メカボックスを開けずにスプリングを交換できる。そのため、初速を調整するときに手間が少ない。ただし、交換後は必ず初速を計測したい。
L1A1 SLRの軸受けとギアの組み込み

メカボックスも洗浄したら軸受けの組込みです。
軸受けはORGA SUS420 7mm軸受けを使用ます。
軸受けを差し込むメカボの穴は接着剤カスやグリス、鉄粉など残らない様に綺麗に落としてください。
接着剤カスが硬い場合は小さなマイナスドライバー等でガリガリ削り落としましょう。
これをしないと軸受けが奥までしっかり入らなかったり斜めになってしまいます。
軸受けは奥まで水平に押し込み接着します。
軸受けが斜めに入ると、ギアが傾き、回転が重くなる。また、異音や摩耗の原因にもなる。そのため、穴の清掃は丁寧に行いたい。

ギアはJ-Armament製18:1強化ギアと給弾不良対策としてセクターチップを使用します。
ギアの材質はスチール製で耐久性があり、精度も良くコストパフォーマンスに優れたパーツです。
ギア比が小さいほど連射速度が上がり、大きいほどトルクを重視した設定になる。今回の18:1は、扱いやすい標準的な比率だ。さらに、セクターチップは、給弾不良の対策に役立つ。
L1A1 SLRのシム調整とグリスアップ

続いてシム調整を行います。スパーの下がメカボに擦らない程度に薄めの物を選択し、セクターとベベルの下はスパーに擦らない物を選択します。
上のシムはメカボを閉じてネジを数本絞めてクリアランスをチェックします。
ギアのクリアランスは0.05~0.1mm程度を目安にして下さい。
メカボを閉じてネジを数本絞めて指でセクターを回した時に抵抗無くカラカラと回るのが理想です。
シム調整が終わったらギアのグリスアップを行います。
グリスは、塗りすぎないことが大切だ。余分なグリスは、回転抵抗を増やす。そのため、筆で薄く塗り延ばすのが基本になる。
少量をギアの歯や軸部分に塗布し筆などで薄く塗り延ばして下さい。
L1A1 SLRにMagnusシリンダーを組み込む

シリンダ-は飛距離アップ効果のあるボアアップタイプのMagnusシリンダーセットVer2~Ver6を組込ます。
メカボの種類によっては少し長さが長い場合がございます。その際はリューター等で削って長さを調整して下さい。
シリンダーヘッドの組込みですがMagnusシリンダーには既存のシリンダーヘッドを使用します。
シリンダーヘッドの周りにシールテープを4~5巻きしシリンダーに押し込みます。
はみ出たシールテープはカッター等で切り落として下さい。
ボアアップシリンダーは、内径を広げて空気の量を増やしたタイプだ。弾道の安定や飛距離アップを狙える。ただし、パワーアップ目的の改造は、法規に注意が必要だ。
L1A1 SLRのピストン干渉とJ-Armament製への変更

次にピストンです。
ピストンはメタル歯だったのでそのまま流用・・・。
と思ってチェックをしていましたらピストンがリリースされる前にピストン後部がメカボックスに干渉する事が判明!
ピストン後部が当たる状態では、作動が止まるおそれがある。そのため、組み込み前に、必ず干渉の確認をしたい。

そこでいつものJ-Armament製14歯メタルTeethピストンと全長を比べてみたら、やはりARES製のピストンの方が0.7mm長いです。

と言う訳でJ-Armament製14歯メタルTeethピストンでピストンリリース前に後部が当たらないかチェック。
このピストンなら大丈夫でした。
たった0.7mmですがこの差は大きいです。
0.7mmの差でも、ピストンの動きに影響が出る。このように、パーツは組み込む前に実物を確認することが重要だ。
という訳で今回はJ-Armament製14歯メタルTeethピストンに変更します。
L1A1 SLRのシリンダー周りの組み上げ

シリンダーヘッド、ノズル、タペットプレートは純正品を使用してシリンダー周りを組み上げます。
シリンダー内とノズルの内側にグリスを薄く塗り伸ばし、グリスアップには「BREAKTROUGH(ブレイクスロウ) BATTLE BORN ガングリス」を使用します。
その際ノズルの先端を指で押さえピストンを前後させて気密漏れがないかチェックします。
L1A1 SLRの潤滑とスプリングの組み込み

メカボ内の外したパーツを組んで、ギア周りとシリンダー周りも組込ます。
摩擦が発生する部分には、潤滑材を欠かさず塗る。例えば、ピストンレールやタペットプレート周りだ。ただし、塗りすぎは、動作不良につながる。
ピストンレール、タペットプレート周りなど摩擦が発生する部分には必ず潤滑材を塗りましょう。

メカボックスを閉じてORGA MAGNUSスプリング 従来電動ガン用を組込みます。
L1A1 SLRのモーターとSBDの組み込み

メカボックスをロアレシーバーに組込みグリップも取り付けます。
最近はカスタムの定番となってきました東京マルイサマリウムコバルトモーターとスイッチ接点保護を手軽に可能にしたSBDの組込みを行います。
サマリウムコバルトモーターを組み込めばハイレートスプリング使用時でもトリガーレスポンスを損なうことなく使用出来ます。
SBDは、モーターの逆起電力を吸収する部品だ。そのため、スイッチの接点を保護できる。さらに、トリガーレスポンスの維持にも役立つ。

ですがロングモーターは使えないのでショート化加工が必要です。
ショート化加工方法は以前にブログにてご紹介しておりますのでロングモーターのショート・ミドル化加工からご覧下さい。
ロングモーターは、グリップ内に収まらない。そのため、ショート化の加工が必要になる。加工は慎重に行い、自信がなければ専門店に任せたい。

モーターを組込んだらテストドライブです。
これでロア周りのチューンは終了です。
L1A1 SLRのフロント周りのチューン

次にフロント周りのチューンです。
まずトップカバーを外します。
後方にスライドさせれば外せますがすごく硬い個体もあります。

次にコッキングレバーを後方にスライドさせてチャンバーを固定しているステーのネジを外すのですが
ダミーボルトが戻ってきてしまうので何かを挟んでおいた方が作業がしやすいです。
ちなみに私はノギスをストッパーとして利用しました。
ダミーボルトが戻ると、作業の邪魔になる。そのため、何かを挟んで固定する方法が有効だ。道具は、傷をつけにくい物を選びたい。

これでチャンバー部分が取り外せました。
インナーバレル固定クリップを外しインナーバレルを取り出し、HOPダイヤル裏面のネジを外しHOPアームも取り出します。
L1A1 SLRのMagnusバレルとHOPラバー

インナーバレルはMagnusチューンの定番Magnusバレルを使用します。
ワイドボアのバレルは内壁にBB弾が当たり回転を乱す事を最小限に抑え、それにより弾道が安定します。
またORGA製インナーバレル全てチャンバーパッキンを回転させて装着できる様にサイドにも溝が掘ってあるので面HOP仕様も楽に行います。
インナーバレルは、長ければ良いわけではない。シリンダー容量とのバランスが大切だ。さらに、ワイドボアは、BB弾が内壁に当たりにくく、弾道が安定しやすい。

HOPラバーはORGA DIMENSION フラットHOPを使用します。
この機種はチャンバーのHOP窓が小さいので大きさに合わせてカットが必要です。
DIMENSIONフラットHOPは必ずHOPアームに接着しましょう。
L1A1 SLRの初速調整と試射
チャンバーにインナーバレルとHOPを組込み、ノズルが入る部分から覗き込みHOPを下してきてHOPが水平に降りてきてるかチェックして下さい。
フロント周りをアッパーに組み込んでロアと組み上げ初速の調整を行います。
初速の調整はインナーバレル長で行い、基本的にはインナーバレルが短いと初速は低く、長いと高くなります。
今回はバレル長195mmで調整しました。
初速は、国内の基準である0.989J未満に収める必要がある。そのため、調整後は必ず弾速計で確認したい。取り付けは自己責任か、専門店での作業をすすめる。
初速調整が終わったら室内での作業は終了となります。
ロングレンジでの試射を行い弾道や飛距離のチェックをし作業は完了となります。
L1A1 SLRのMagnusチューンに関するよくある質問(Q&A)
Q. L1A1とは何ですか?
ベルギーのFN FALを、イギリス向けにインチ規格へ改めた銃だ。また、SLRやC1の名でも知られる。
Q. ARES製L1A1のバッテリーはどこですか?
ストック内部だ。また、パッドを引きながら回すと、収納部にアクセスできる。
Q. メカボックスは何タイプですか?
Ver.3タイプだが、マイクロスイッチを内蔵した専用品だ。そのため、パーツ選びには注意したい。
Q. ギアは何を使いましたか?
J-Armament製の18:1強化ギアだ。さらに、給弾不良の対策としてセクターチップを使った。
Q. ピストンはなぜ交換しましたか?
ARES製が、J-Armament製より0.7mm長いからだ。そのため、後部がメカボックスに干渉した。
Q. モーターはそのまま使えますか?
ロングモーターは使えない。そのため、ショート化の加工が必要になる。
Q. インナーバレルの長さは?
今回は195mmで調整した。また、バレルが短いと初速は低く、長いと高くなる。
Q. 初速の上限はありますか?
国内では0.989J未満が基準だ。そのため、調整後は弾速計で確認したい。











