ベレッタ92(Beretta 92)について

ベレッタ92(Beretta 92)について
ベレッタ92(Beretta 92)について
 

ベレッタ92(Beretta 92)について

ベレッタ 92(Beretta 92)は、イタリアのベレッタ社が1975年に、ベレッタM1951をベースに後継機として開発した自動拳銃である。

ワルサー P38からの流れを引き継いだ、プロップアップによるショートリコイル。スライドとの結合にロッキングブロックを用いる構造で、銃身がストレートに前後することから、銃身が上下に揺動する一般的なティルトバレル方式と比べ命中精度に優れる。上部が大きく切り欠かれた特徴的なスライドは、排莢不良が起きづらく作動的な信頼性が高い。

ベレッタ-92

ベレッタ-m9-拳銃

ベレッタ 92の評価を決定付けたのが、アメリカ軍で行われた次期制式拳銃トライアルである。1978年より開始されたトライアルでM1911A1変わる制式拳銃として、92は作動不良が少なく低価格な事が評価され、SIG SAUER P226を含む多くの対抗機を抑え、1985年に『M9』の名前で制式採用された。

このアメリカ軍制式となった意味は大きく、イタリア軍やカラビニエリが92Fや92SB、フランス陸軍が92G(PAMAS G1)、韓国軍が陸軍特殊部隊用として92FSを採用している。また、アメリカ軍採用以前よりライセンスを取得していたタウルス社でも、(ライセンスの関係から)旧型モデルをベースとした独自モデルを生産している。南アフリカ、台湾などのデッドコピーも含め、世界各国で生産・配備され数多くのM9が採用されている。

ベレッタ-m9a3

ベレッタ-m9m3-銃

2014年12月には、米陸軍の次期制式ピストルのトライアル「MHS(モジュラー・ハンドガン・システム)」への参加の為、M9改修モデル「M9A3」を発表した。M9からの変更点は、全面アーストーン仕上げ・サプレッサー装着用のネジ付きバレル・樹脂製のリコイルスプリング・ガイドロッド・トリジコン社製トリチウム発光アイアンサイト(脱着可能)・スライドのセラコート仕上げ・Fタイプ(セーフティ兼デコック)とGタイプ(デコックのみ)両用スライド・3スロットピカティニーレール(横溝の数がA1の1本から3本へ)・マガジンリリースボタンの大型化・2種類のグリップオプション(素のままでバーテックタイプの細身グリップ・グリップを包み込む形のグリップパネルの追加で従来型の太身グリップに変更可能)・防塵17連マガジン(PVD処理済み)である。

また、民間向けにも2015年11月からM9A3の発売を開始した。

ベレッターm9-アメリカ

ベレッタ-m9-銃

バリエーションモデル

92

最初の量産型。上記の経緯から、ステップ・スライド型とフラット・スライド型がある。写真の92FSとの違いは、安全装置がフレームについていること、マガジンキャッチがグリップ底部についていること、トリガーガード前方に指掛けがないこと、マガジン底が薄いことである。

92S

イタリア内務省の要請に応じ、92の安全装置をスライドに移したモデル。

92SB

92Sのマガジンキャッチを、グリップのトリガーガード付け根に移したモデル。米軍の初期トライアルに提出された92S-1に準じたものである。

92F

92SBのトリガーガード前方に指掛けを追加し、マガジン底を分厚くしたもの。当初は92SB-Fと称されていた。アメリカ軍でM9として制式化された。

92FS

92Fをもとにハンマーピンの頭を大型化し、スライドの加工形状を修正したもの。M9で発生したスライド破損事故を受けた措置であり、同種の事故が発生してもスライド後半が後方へ脱落しそうになった際には、ハンマーピンの頭が食い止める構造になっている。

92D

92FSをもとに、トリガーをダブルアクションオンリーとし、デホーンド・ハンマーとしたモデル。トリガープルが重いために手動セイフティは省かれているが、復活させた92DSもある。警察用として1990年に発表された。

92G

92FSをもとに、手動セイフティにデコッキング機能を付与したモデル。1985年よりPAMAS G1として サン=テティエンヌ造兵廠MAS)でライセンス生産され、フランス軍に採用された。

92A1

92FSをもとに、フレーム下面にレールを設置したモデル。ウェポンライトなどを装着できるようになった。

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