SALVO PRECISION MCXガスブロ の実力検証

SALVO PRECISION MCXガスブロ の実力検証
SALVO PRECISION MCXガスブロ の実力検証
 

SALVO PRECISION MCXガスブロ の実力やいかに。ブローバックや弾速、弾道を検証

前回の記事で外装やモデルアップの元ネタである実銃 SPEAR LT について解説をした SALVO PRECISION MCXガスブロ ですが、今回はいよいよ内部パーツや性能についても検証していきたいと思います。

外装パーツで言えば、MCXはAR-15を原型としながらも数点のパーツを除いて互換性はなく、エアソフトガンとしても0からの設計となるため、プロダクトとしては高価になるイメージです。そしてリコイルスプリングなどブローバック機構をアッパーレシーバー内で完結させる必要があるため、内部パーツの調整にも手が掛かります。

それにも拘わらず、SALVO MCXは6万円台という破格設定。そして東京マルイMWSマガジンが使えるというユーザーフレンドリーな点もナイスですね~♪

良い点ばかりを挙げてもサバゲーやシューティングで使い物にならなければ価値ある製品とは言えませんので、果たしてどれだけの性能を持っているのか、じっくりと見ていくとしましょう。

MCXガスブロ CSAW

目次

SALVO MCX のブローバック機構
・しっかり稼働するリコイルバッファー!
・リコイルスプリングとスプリングガイド
SALVO MCX の初速はどれくらい?
・箱出し+純正マガジンでの初速
・ORGAカスタムを施した場合の初速
・オススメのスペアマガジン
SALVO MCXの弾道
SALVO MCX ORGAコンプリートもやります!

SALVO MCXガスブロ のブローバック機構

銃の構造に詳しい方やガスブロM4をお持ちのサバゲープレイヤーさんならご存じの通り、AR-15(M4/M16)は射撃時に後退するボルトキャリアをはじめ、それを受け止めるバッファーやボルトを押し返すリコイルスプリングなど、ブローバックの機構がバッファーチューブ内にもあります。実銃でもガスブロでも基本設計は同じです。

しかしパッと見で分かる通り、MCXにはバッファーチューブがありません。一体どのようにブローバックを行っているのでしょうか?

MCX のブローバックの仕組み

しっかり稼働するリコイルバッファー!

まず、MCXのボルトキャリアはAR-15とくらべ長さが3/5程度しかありません。アッパーの内部のみでブローバックを完結させるためです。そしてガス圧で後退したボルトキャリアを受け止めるリコイルバッファーは、AR-15ではボルトキャリアとリコイルスプリングの間に配置されていますが、MCXではロアレシーバー内部の後端に設置されています。

バッファー(Buffer)は直訳すると「緩衝」「緩和」といった意味です。その名の通り、勢いよく後退してきたボルトキャリアを受け止め、衝撃を吸収する役割を果たさなければいけません。SALVO MCXではどの様になっているかと言うと…おおっ?!程よい硬さのゴム製バッファーが設置されています。これはしっかりと機能しそうで好印象ですね。そして驚きなのはその構造。

MCXガスブロ バッファー

SALVO製MCXのバッファーはポリマー製の台座にゴム(エラストマー?)製のクッションがあり、ロアレシーバーにボルト留めされています。ボルトは長さに余裕があり、バッファーとロアレシーバーの間にスプリングを配置。これによりバッファーがしっかりと前後稼働し、ボルトキャリアの衝撃を緩和する構造になっています!これは耐久性が高そう!

Salvo Precision MCXガスブロ バッファークッションの構造

MCXガスブロ 可動するバッファー

バッファーのゴムクッションは台座に接着されているだけでなく、ロアレシーバーに固定するボルトの頭も引っ掛ける形(台座と共締め)に成形されており、経年で接着が剥がれたとしても稼働中にポロッと取れてしまうリスクを回避!非常にユーザーのことを考えた設計にいたく感心しました。

リコイルスプリングとスプリングガイド

先程、MCXのボルトキャリア短いと申しましたが、これは実銃でもガスブロでも一緒です。

ただし形状的に異なる点もあり、実銃ではショートストロークガスピストンのプッシュロッドを受けるアームが前方に伸びているのに対し、ガスブロではプッシュロッドが機能する訳でもなければこのエリアにはホップチャンバーやダイヤルが収まるため、前方に伸びるアームはオミットされています。結果として、実銃ではアームに付随していたリコイルスプリング受けがガスブロでは手前に配置され、その分リコイルスプリングが短くなっています。

MCXの実物ボルトキャリア

↑実銃のMCXボルトキャリア 出典:Blog FDRA

MCXガスブロ リコイルバッファー

↑SALVO MCX のボルトキャリア

MCXのリコイルスプリングはアッパー内部の限られた位置に配置するため、AR-15と比べると直径も線径も細く反発力は弱め。それを補うためデュアルスプリングになっています。これは実銃でも同じ構成です。

SALVO MCXではこの辺りのバランスがうまく調整されており、よく作り込んであるなと改めて感心させられます。JPバージョンでは、日本のガス圧に適した弱めのリコイルスプリングがセットされるためバランスが崩れてはいないかと心配しましたが、日本代理店を通しているだけあって心配は無用でした。

MCXガスブロ リコイルスプリング

懸念点を挙げるとすれば、カスタムをしようにも反発力の異なるリコイルスプリングの入手が困難な事でしょうか。外径が細く全長が長いという特殊形状であるため汎用規格には適合せず、エアソフトでも流用できるスプリングはありません。メーカーによる提供はリペアパーツとして同じ強度のスプリングしか期待できませんし、サードパーティー製の登場を待つほかなさそうです。

リコイルスプリング交換はガスブロでは割と広く行われるカスタム・調整ですし、季節に合わせて交換したり、経年でヘタってきたら新しくしたりと、何かしら手を入れることも多いポイントです。バランスが崩れると、フルオートシアのハンマー解放タイミングが遅れフルオートがうまく動作しなくなる恐れもあります。

ORGAでは反発力を高めることはできないかと検証を行いましたが、手っ取り早いのはスペーサーの設置でした。外径6mm 内径4.1mmのパイプを用意し、長さ9mmまでであればスペーサーとして設置が可能です。リコイルを強めたい時や、経年や個体差でフルオートが安定しない場合などにお試しください。ご自身でカスタムが難しい場合は是非ご相談ください。

MCX リコイルスプリング スペーサー

SALVO MCXの初速はどれくらい?

さてお次は初速について見ていきましょう!マガジンが東京マルイMWSと共通なだけあって期待は高まりますが、果たしていかほどか!

箱出し+純正マガジンでの初速

ORGA AIRSOFTではガスブロ本体を販売する際、特に海外製品においては動作性や初速、マガジンのガス漏れなど気になる点も多いため、必ず試射も含めた検品を行います。今回はその試射時の初速結果を発表しましょう。結果は以下の通り。

測定環境:0.25g BB弾使用 室内気温 25℃

MCX SPEAR LT 11.5inch:平均初速 72m/s
(最低個体平均:71m/s 最高個体平均:73m/s)

MCX SPEAR LT 10.5inch CSAW GBBR:平均初速 71.5m/s
(最低個体平均:71m/s 最高個体平均:72m/s)

ん?ん~、んん?微妙に低くない?真夏の屋外ならもっと高い値が出るとは予測されますが、思いのほか低いですねぇ…。ちなみに敢えて2モデル分けて測定結果を載せてはいますが、どちらもインナーバレルは150mmと同じで、初速平均値も誤差の範囲でしょう。

これは改善の余地あり!という訳で早速、東京マルイMWSで培ったORGAのカスタムを施していきます!

ORGAカスタムを施した場合の初速

ORGAではこれまで数えきれないほどのMWSカスタムを行ってきましたので、SALVO製MCXくらい完成度の高いガスブロであれば初速の調整などお茶の子さいさい。

と言いますか、初速についてはシンプルに純正インナーバレルが短すぎるのでは?と思い、弊社のORGA LEX05バレル 内径6.05mm マルイM4MWS用を使用することにしました。10.5インチ用の250mmも、11.5インチ用の280mmも、どちらもラインナップがございます!今回は SPEAR LT 11.5inch をLEX05バレル 280mmでカスタムしてみましょう。

また折角カスタムするのであればということで、ORGAカスタムでは定番のPDI Wホールドチャンバーパッキンや、ORGA WIDE HOPテンショナーもセット。MCXは内部パーツがMWSと全く同じという訳でもないので「マガジンに互換性あり」という表現に留めてはいますが、基本構造は共通です。なのでインナーバレル、チャンバーパッキン、ノズルなどはMWS用パーツをご使用頂けます!

MCXガスブロ ORGAカスタム

一通りORGAカスタムを行ったところで、改めて初速を計測してみましょう。すると結果は…

測定環境:0.25g BB弾使用 室内気温 25℃

MCX SPEAR LT 10.5inch CSAW GBBR ORGAカスタム:平均初速 87m/s
(最低初速:86m/s 最高初速:88m/s)

………!?アカン!ギリギリや!wwww

凄いじゃあないですか、SALVO(笑) これではお外で使えないと判断しまして、ORGA FRAノズルASSYをセット。FRAノズルはNPASの様にガス流量を可変できるノズルですが、基本的には気温が低い環境下でも安定したブローバックのためにピストン側へのガス流量を増やせるようにするもの。初速が高すぎる個体にも、ノズル側へのガス流量を絞ることで初速を下げ、動作も安定化させることができます。

FRAノズルをセットすることで初速は82m/s前後と扱いやすい数値にできました。う~ん、検証と言いながら良い結果となるカスタムの方向性が見えてきましたね。

MCXガスブロ カスタム後の初速

オススメのスペアマガジン

今回の検証ではマガジンの互換性についても確認を行いました。結論から申しますと、付属マガジンと同型のDouble Eagle製マガジンが最もオススメです。

東京マルイMWSとの互換性がセールスポイントの1つではありますが、マルイ製MWSマガジンの場合、リップの位置が若干低くなるためフルオートで弾噛みし、ガスを吹いてしまう現象が散見されました。MCXはトリガーボックスの構造自体はMWSに準拠していますが、ボルトキャリアの短さ故にディスコネクタをアームパーツで前方に延長しており、ボルトキャリアがアッパー内部で全体的に上がりやすい影響もあるのかもしれません。

MCXのトリガーボックス

個体差もあるかもしれませんが、MCXの内部パーツバランスはMWSよりもシビアな様子。調整如何でマルイ製マガジンや社外MWS準拠マガジンも使えそうではありますが、箱出しではDE製マガジンを使用するのが無難かと思います。

DE Airsoft MWS用 35連 ガスマガジン はこちら
Double Eagle Airsoft MWSマガジン

SALVO MCXガスブロ の弾道

SALVO MCXの動作性や初速について見てきましたが、最後は肝心の弾道についてみていきましょう。ちなみに、ホップチャンバーやダイヤルはMWSとほぼ同形状で、前述の通りパッキンや押しゴム、インナーバレルはMWS用のカスタムパーツが使えます。

ORGAのシューティングレンジ(と言ってもだたの通路)は7.5mしかないためあまり参考にはならないかもしれませんが、予めゼロインしたドットサイトでターゲットの中心を10発依託撃ちした結果が下の画像です。

SALVO MCX 命中精度 7.5m

ターゲットはA4用紙に印刷したもので、弾痕の中心点で計測した着弾の範囲は左右20mm、上下40mmとなりました。10発と言いながら赤丸が8個しかありませんが、中央×印の下は縦に大きく穴が開いているので同じ個所に着弾したものと思われます。尚、これは初速計測時にカスタムを行った個体での結果となります。

箱出しの別個体でも同様の弾道チェックを行いましたが、結果は左右25mm、上下43mmと誤差の範囲。あまり代わり映えしないのでターゲット画像は割愛しますが、ガスブロとしては思った以上の結果に正直驚いています。

もちろん、遠方の着弾まで確認できていないため100%断言することはできませんが、30m前後でも概ね上半身にはまとまる程度の弾道にはなると思います。初速の底上げを目的とした内部カスタム以外は必要なさそう。

機会があれば、ロングレンジでのターゲットシューティングも行いたいと思います!

SALVO MCXガスブロ ORGAコンプリートもやります!

SALVO PRECISION、もといDoubl〇 Eagle Airsoft MCXの性能について見てきましたが如何でしたでしょうか。DEAは既存商品のNOVESKE GHETTO BLASTERの完成度からも分かる通り、ゲームユースで充分な性能を発揮するガスブロメーカーとしても当店も太鼓判を押す存在。SIG MCX という少々難儀なモデルであっても、そつなくこなしている印象を持ちました。

そしてやっぱりこの価格ですよね…。円安や物価高騰が続く中、サバゲープレイヤーにとって本格派のガスブロライフルが6万円台で買えるというのは非常に手を伸ばしやすいと言えます!

さて、ここからは宣伝となりますが、今回の検証で組んだ MCX SPEAR LT 11.5inch GBBR ガスブローバックライフル Black (JP Ver./RealMarking)は動作も良く初速の底上げもバッチリ出来たということで、このままコンプリートとして販売したいと思います!

また、今回のカスタムや検証の結果を踏まえ、SALVO MCX専用のカスタムメニューも販売することに致しました。

箱出しでも充分に楽しめる本製品ですが、よりゲームユースに適したカスタムをご希望でしたら、本体と併せて是非ご注文ください!よろしくお願いします!

【ORGAコンプリート】Salvo Precision MCX SPEAR LT 11.5inch GBBR ガスブローバックライフル Black

Salvo Precision MCX ガスブロシリーズ 内部コンプリートカスタム

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