西側諸国の軍需を支える LMT
LMT (Lewis Machine & Tool Company) とは、1980年に創業されたアメリカ合衆国の銃器メーカーでアイオワ州に拠点を置いています。現在は米軍をはじめ、イギリス軍、ニュージーランド軍、エストニア軍など西側各国への納入実績を持ちますが、元々はDS Armsが製造するFN FAL用の鍛造レシーバーを製造していました。その後はAR-15やそれに準拠した各パーツの製造をメインとしており、アイアンサイトやクレーンストックについてはご存じの方も多いのではないかと思います。
ライフル製造については現在、アッパーレシーバーとハンドガードを一体化したモノリシック・レール・プラットフォーム(MRP)及びそれらを使用したライフル完成品が主力商品となっています。特に、MARS-Lはニュージーランドとエストニアで主力小銃となっており、軍需企業として重要な役割を果たす存在となっています。
モノリシック・レール・プラットフォーム(MRP)を採用するMARS RIFLEとは?
MARSとはMODULAR AMBIDEXTROUS RIFLE SYSTEMの略で、モジュール性能と、射手の利き手を選ばない両利き性能を持つ設計のライフルとなっています。そして、モジュラーライフルであること以上に特徴的なのは、モノリシックアッパーを採用していること。序章でも触れましたが、ハンドガードとアッパーレシーバーが一体成形されており、設計理論的にはフリーフロート・ハンドガードを採用したアッパーよりも更にバレルへの影響を少なくできることが期待されます。
MARSは現在、LMTのフラッグシップとして様々な弾薬に対応したモデルが存在しますが、ニュージーランド軍が主力小銃として選択したのは5.56×45mm仕様のMARS-L 5.56 Quad。ハンドガード4面にピカティニーレールを配置したクアッドレールと、そこから大きく飛び出した16インチバレルが特徴です。STEYR AUG バリアントモデルの F88 から徐々に切り替えが進んでいるようです。
LMTではベースガンのMARS-L 5.56 Quadとは別にNew Zealand Reference Rifleというライフルを民間向けに商品展開していますが、ベースモデルとの違いはアイアンサイトやバヨネットラグ(着剣機構)の有無、フラッシュハイダーなどでしょうか。
出典:LMT DEFENSE New Zealand Reference Rifle
エストニア軍でもMARS-Lが採用されていますが、こちらは14.5インチのMARS-L 5.56 Pistonがベースになります。他モデルと違い、作動方式にHK416の様なショートストロークのガスピストンを採用しているのが特徴。ハンドガードはM-LOKに対応。R20 RAHEの名で運用されています。
納入モデルにちなんだ民間モデルがやはり存在し、バヨネットラグ付きピストンブロック、サプレッサー対応のフラッシュハイダー、MAGPUL SL-Kストックなどに交換されています。14.5インチでは民間への販売が制限されるため、ハイダーをピン留めして16インチにしています。
出典:LMT DEFENSE R20 RAHE Reference Rifle
イギリス軍が採用した L129A1 とは?
LMTは、MARSと同じくMRPを採用しつつミルスペックロアを組み合わせたDEFENDERシリーズも展開。アンビ性能はありませんが軍事使用に耐えうる高耐久性を誇ります。
イギリス軍では7.62×51mm弾仕様のDEFENSER H 7.62(LM308MWS)をL129A1として採用。歩兵部隊に1人配属されるシャープシューター(狙撃兵)用のDMR(マークスマンライフル)として配備されています。ほかにも、狙撃チームの支援火器としても導入されています。
イギリス軍と言えばアサルトライフルではCOLT CANADAのL119A2も有名ですが、本当にモノリシックアッパーが好きですよね…。
出典:LMT DEFENSE L129A1 Reference Rifle
ちなみにL129A1が採用されたのは2009年なので結構な時間が経っています。DEFENDERシリーズは軍需的な理由で残っているように見受けられますが、やはりアンビ対応のMARSが今後の主力になっていくことは間違いなさそう。その証拠に、イギリス海兵隊ではMARS-HをベースとしたL129A2が2023年に採用されており、DEFENDERシリーズは縮小傾向にあります。
L129A2は6.5mm クリードモア弾を使用し、ストックにはLMTの.308 DMR バットストックを採用。民間モデルとは異なり全体をダークアースに変更しハンドガードも延長。HUXWRX QD サプレッサーが装着されます。
LMT スタンダード Patrol モデル
モノリシックアッパーばかり紹介してきましたが、LMTではスタンダードなAR15モデルも健在。LMTは40年以上に渡って軍需産業に関わり、OEM生産も数多く携わってきただけありその実績は数知れず、メジャー中のメジャーと言っても過言ではない存在です。その割にはサバゲーではストックやアイアンサイト以外、マイナーの枠に押し込められているのが勿体ない。
通常のM4系レシーバーの生産にも未だに欠かせない存在であり、自社刻印のAR15はPatrol シリーズとして展開。何ともオールドスクールなセットアップで販売されています。
出典:LMT DEFENSE Standard Patrol Models
LMTと言えばSOPMODストックを思い浮かべる方も多いと思いますが、樹脂パーツのOEM生産にも強いのがLMT。PatrolモデルにはOEM品でLMTの刻印が入ったブッシュマスターストックやERGOグリップを装着。M4A1の製造に深く関わってきた実績を物語る製品となっています。販売することよりPRを主目的としているようにも見えますね(笑)
ちなみにDEFENDERシリーズの5.56モデルでもこのスタンダードなAR15ロアを採用しています。
出典:LMT DEFENSE Defender-L 5.56
さて、そんな軍需産業に不可欠な存在であるLMT DEFENSEですが、ORGA AIRSOFTで予約受付中の実物80%レシーバー使用 東京マルイMWS用レシーバーでもLMT刻印をお選びいただけるようになっています。現行コンプリートモデルの刻印詳細が不明なため、ストリップドロアとして販売されているDEFENDER 2000の刻印を再現。ハンドガードやストックなどメーカーに統一性がないセットアップでレシーバー刻印に迷う場合や、ミリタリーセットアップを民間仕様で再現したAR15にしたい場合など、LMT刻印であれば違和感のない形で仕上げられるかと思います。
実物80%レシーバー/7075 東京マルイMWSガスブロ用レシーバー
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刻印の指定など面倒な場合は、完成品としてお届けするタイプもございますのでこちらもどうぞ!
LMT DEFENDER 2000 完成品 7075MWSレシーバー 東京マルイ MWS用
MWS用 実物80%レシーバーについては、2月中旬頃の入荷として予約を受け付けておりますが生産が遅れております。2月末現在、最終工程には入っているとのことですが、入荷まで今しばらくお待ちいただければと思います。
また、商品ページにも予め記載させていただいておりますが、刻印やセラコートについてはレシーバーの入荷後、日本国内(鈴友コーティング社)にて行いますので、最終的な納期は2025年春頃となります。ご注文の刻印内容によりお届けの順番が前後することもございますので予めご了承ください。