【素材解説】ORGA WIDEBOREシリンダートレポン用 SUS304 TPSC

【素材解説】ORGA WIDEBOREシリンダートレポン用 SUS304 TPSC
【素材解説】ORGA WIDEBOREシリンダートレポン用 SUS304 TPSC
 

ORGA WIDEBOREシリンダートレポン用
構成素材の解説

オルガ トレポンシリンダー最大の特徴は、従来のトレポンシリンダーよりも内径が広くなったことによるシリンダー内部の容積UPとなります。今回発表する ORGA WIDEBOREシリンダートレポン用を開発するに辺り、一番苦戦した部分がシリンダー管の肉厚です。
シリンダー管の外径は従来通りのΦ25.4mmのままで、如何にシリンダーの肉厚を薄く出来るか?がポイントでした。もうお気づきの通り、肉厚を薄くするということは、管自体の強度が低下し、衝撃や日々の運用で管自体に歪みが発生してしまいトレポン利用時に適正な気密が取れなくなってしまいます。
それを回避する為に、選定する素材と工程を見直し、従来のトレポンシリンダー管よりも肉厚が薄く 強度がある管を生産する事に成功しました。

通常、この様なシリンダー管は「引抜き」という製法を利用しますが、真鍮や鉄などの製造を主にしている加工業者だと、オルガで指定する「ステンレス」「肉厚」「管内壁の滑らかさ」「強度」に対応できる業者は残念ながらいませんでした。
そこで、同じ引抜管製造でも「より高度で特異な業者がいるはず」ということで、0から業者探しを始め、行き着いたのが、日本に2社しかいない(できない)国内・外の原発で利用されるシームレス管(繋ぎ目の無い内引抜管)を製造している業者でした。
正直、通常の町工場などでの引き抜き管と違い、掛かるコストも高いものでしたが「実現」させる為、生産に踏み切り 完成したシリンダー管となります。

素材は、SUS304 TPSCシームレスコールド冷間引抜き という呼び名で、SUS304は工程の最終で焼入れをするのですが、管自体の強度と設計公差に変化が生じてしまう為、この工程を省いてあります。その事で通常「ステンレスは磁石につかない」素材ですが、オルガのSUS304管は僅かですが磁石に着きます。
この工程を取った最大の理由が「シリンダー管の強度」を確保する為で、肉厚が薄いこと 及び シリンダーヘッド用のネジ(シリンダー側に切るメスネジ)の強度を保つ為です。
上記の素材と工法があったからこそ「容積UPさせたトレポン用シリンダーの開発」を実現させることが出来ました。