KWA MP9にNPASを組み込んで初速をデチューン

KWA MP9にNPASを組み込んで初速をデチューン
KWA MP9にNPASを組み込んで初速をデチューン
 

KWA MP9の唯一の弱点?
高すぎる初速をNPASを組み込んでデチューンしてみました

KWA MP9ガスブローバックは、サブマシンガンというカテゴリながら長物のガスブロにも負けない初速と弾道を誇り、SYSTEM7の高い動作性能のおかげもあって非常に人気の高いモデルです。

プライベートのサバゲーでは法執行機関系の装備でフィールドを駆け巡っているワタクシ、ORGAスタッフ阿部は、その性能に惚れ込み個人的にKWA MP9を購入。ゲームに導入すべくチューニングや光学機器の用意など着々と準備を進めております。

KWA MP9 ガスブローバック

しかし、そんなKWA MP9ガスブロには唯一弱点が…それはその高すぎる性能にあります。ガスルートの効率が良すぎるのか初速が規定値ギリギリまで出ちゃいます。

暑い日を想定してマガジンをチンチンに温めて初速を測ったところ…0.25gで84m/s!

MP9の初速

本来ならばガスブロでそこまで初速が出せるのは喜ばしいことなんですが、いかんせんMP9はサブマシンガン。インドアフィールドやCQBエリアで使いたいところですが、レギュレーションでNGだったり至近距離で当てるのは申し訳ない気持ちになったり、箱出しのパワーでは運用が難しいのが実情でした。

そこで純正フローバルブにプラ板貼り付け加工や、フローバルブスプリングのカットなどを行ってみるものの、あまり芳しい効果はありませんでした。おまけに繊細なパーツに手を出してしまったがために初速もバラつくように…

そんな時、RA-TECHからありがたいパーツが登場!なんと、KWA SYSTEM7用のNPASが発売されたんです!

システム7用NPAS

 

NPASとは?

NPASとはガスブロのノズル内のフローティングバルブと置き換えて、ガスの流量調整をして初速を変更できるようにするパーツです。

フローティングバルブは、バレル側に流れたガスがBB弾を押して発射させたあと、バレル側の圧力が下がった際に引っ張られることによってノズルを閉鎖(負圧式バルブ)。その後ガスはシリンダー内のみに流れるため、その圧力を使ってボルトキャリアを後退させます。

フローティングバルブの隙間が大きければ大きい程、負圧で引っ張られにくくなるし弁を閉鎖するまでの時間もかかりますので、結果的にBB弾へ送られるガス流量が増え初速も上がります。このフローティングバルブの隙間の大きさを調整可能にし、初速を落とせるようにしたのがNPASという訳です。

あくまで「初速調整」を目的としたパーツですが構造上純正のフローティングバルブより太くなる場合が多く、バレル側へのガス流量が抑えられるので基本的にNPASを導入すると初速は下がる傾向にあります。

NPASはノズルから専用の調整レンチを突っ込んで回すだけで初速を変えられるので、フィールドに合わせて簡単にガスブロの初速を適正値に合わせることができます。

スプリングを変えるだけで初速を変更できる電動ガンやトレポンと同じ様に、1本のガスブロでアウトドアもインドアもどちらも気軽に使えるようになるという優れものパーツなんです!

 

KWA MP9へのNPAS組み込み手順

MP9の分解はなかなか大変なので、組み込み手順についても解説していきましょう。スプリングが飛んだりしやすいので紛失・怪我に気を付けてくださいね!

①アッパーフロント側のネジを外す
マイナスドライバーで簡単に外せますが、狭いスペースの割りに溝の太いマイナスネジなので微妙に外しにくいです。

MP9 フロントネジ

②アッパーリア側のテイクダウンボタン(リコイルスプリングガイドの後端)を押しながらアッパーを外す
アッパー後端部からリコイルスプリングガイドが飛び出していますので、ここをグッと押し込みながらアッパーを上にゆっくりと引き上げるとテイクダウンできます。リコイルスプリングガイドが飛び出してくるかもしれませんのでご注意ください!

MP9 リコイルスプリングガイド

③ガイドロックを押しながらロックピンを抜く
ここが最初の難関かもしれません。ガイドロックはかなり固いですが、切り欠き部分が一致するところまで頑張って押し込んでください。その状態でロックピンを引き抜きます。

MP9 ロック部分

④リセスを下げながらボルトキャリアを前進させレールから外す
リセスを下げることでボルトキャリアがギリギリまで前進させられ、ボルトキャリアに引っ掛かっている後端部の爪から外すことができます。フルオートコネクター(ロア側のパーツ)が引っかかる場合は細いドライバーなどで押してやってください。

MP9 リセス

MP9 ボルトキャリアレール
↑この写真は、まだボルトキャリアがレールに引っ掛かっている状態です。

⑤ガイドロックを再度押しながらバレル&ボルトキャリアアッセンブリーを引き上げて抜く
再度ガイドロック押し込みながらユニット全体を引き上げることでバレルやボルトキャリアをロアから外すことができます。

ガイドロックにテンションを掛けているスプリングは吹っ飛びやすいので、怪我や紛失に要注意です。

MP9 ボルトアッセンブリー

⑥ボルトキャリア後端のピン3本を抜きシリンダーユニットを取り外す
ユニットを取り出すとそれぞれのパーツがバラバラにできますので、ここからはボルトキャリアのみを見て行きます。後端部分にシリンダーユニットを固定しているピンが3本ありますのでピンポンチで抜いていきます。

ここが次の難関で、ピンはかなり固いのでハンマーの振り下ろし方に気を付けながら思い切りピンポンチを叩いてください。ボルトキャリアをバイス(万力)などで固定しないと難しいかもしれません。

上のピンは向きがありますので裏側(刻印が無い方)からピンポンチを当ててください。

MP9ボルトキャリアピン

⑦シリンダーのピンを抜くとフローバルブが取り出せる
シリンダーユニットが取り出せたらあとは慎重にスプリングを外し、カップも外してください。シリンダーを横に貫通しているピンによってフローバルブが抜けないようになっていますので、ピンを抜いてフローバルブを取り出します。

MP9 シリンダー
↑ノズルスプリングがおかしなことになっています…そう…作業中にグシャッとやってしまったのです(涙)かなり変形しやすいパーツなので取り扱い要注意!

 

純正フローバルブとSYSTEM7用NPASの比較

取り出した純正フローバルブですが、3枚羽根の金属製のものが入っています。ノズルへガスが流れやすい設計のおかげで、高い初速値を出しているわけですね。写真ではデチューンのためにバルブにかさ増しのプラ板を貼ったりスプリングをカットしていますが、これでもそんなに初速が落とせなかったのと、初速のバラつきが見られあまり良い結果は出ませんでした。

MP9純正フローバルブ

一方SYSTEM7用NPASですが、こちらは後端部分にネジによって稼働する円盤がつけられており、長さを調整することで初速を変更することができるようになっています。付属する専用レンチ(グレーのレンチでNPASを固定、シルバーのレンチで円盤を回転させて長さを調整)を使えば組み込んだあとでも外部から調整可能です。

RA-TECH SYSTEM7 NPAS

NPASは構造上の理由もあって太めに設計されており、これがガスの流れを制限していることもあって純正と入れ替えるだけでかなり初速を落とすことができます。

初速値を測ったら室温27℃、0.25gで67.6m/sと一般的なガスブロSMG並みの値に落ち着きました。バラつきも少なくいい感じです。レンチで調整してさらに初速を下げられますが、基本的には一番高い状態でどこのフィールドでも運用しやすい値かと思います。

MP9 NPAS導入後の初速

さて、NPASを使用したMP9のデチューンについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

実は2020年9月以降の販売分には既にこのNPASが組み込まれていますが、以前のモデルをご購入されたユーザー様で初速値を下げたいと考えている方には、別途SYSTEM7用NPASを導入してみていただければと思います。

ご参考になれば幸いです。

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