フラッシュハイダーとマズルブレーキの違い

フラッシュハイダーとマズルブレーキの違い
フラッシュハイダーとマズルブレーキの違い
 

何となくデザインで選んでるけど…名称で異なるマズルデバイスの役割

エアガン外装の印象に大きく関わるマズルデバイス。気軽にできる外装カスタムの1つですが、商品によってフラッシュハイダーマズルブレーキなど名称に違いがあります。これは何故なんでしょうか。

この2つには、ただの名前の違いだけではない明確に異なる役割があります。エアガンでは飾りやサイレンサー(サプレッサー)のベースパーツに留まりますが(精密射撃においては弾道に影響が無いとは言い切れませんが…)、実銃では効果が大きく異なる両者。この記事ではその違いについて解説します。

フラッシュハイダーとマズルブレーキ

「自分のエアガンにどんなマズルデバイスを付けようか迷っている。」「可能な限り、リアルな要素を取り入れたい。」そんなプレイヤーさんにとっては外装カスタムの方針を決める良い一助になるかもしれません!

目次

フラッシュハイダー
マズルブレーキ
軍や法執行機関でマズルブレーキを使わない理由
エアガンでのマズルデバイスの選び方・楽しみ方

フラッシュハイダー

フラッシュハイダーは、英語を直訳すると用途・目的が分かりやすいです。Flash(閃光)Hide(隠す)、つまり発射時に銃口で発生する発火炎を分散したり抑制するためのものです。

銃は弾薬内の火薬が燃焼し内部の圧力が上がることで弾頭を発射しますが、その時生じた燃焼ガスや着火し切らなかった未燃焼の火薬粉が弾頭に続いて銃口から放出され、酸素に触れることで再度燃焼します。これが銃口から出る発火炎「マズルフラッシュ」のメカニズムです。

軍では近年作戦行動の変化や装備の見直し等で、特に特殊部隊ではアサルトライフルのショート化が進んでいます。バレルが短くなればなるほど、ガスが燃焼し切る前に弾頭が銃口を離れるためマズルフラッシュは大きくなります。

マズルフラッシュ

出典:DVIDS:Photo by Staff Sgt. Christopher Muncy

マズルフラッシュは射手の視界を妨げたり、夜間においては眼の暗順応がリセットされてしまいます。また戦場では敵からこちらの位置が特定されやすくなり危険度が増します。ハッキリ言ってマズルフラッシュには、映画やドラマの演出効果以外、ほとんど良いことがありません。

そんな厄介者のマズルフラッシュをフラッシュハイダーはどの様に抑制・軽減しているのでしょうか。

代表例では、M4A1でよく見られるバードケージ型が有名でしょうか。これはハイダーに開けられた複数の縦長穴でマズルフラッシュを分散させ、射手の視界を確保します。また発光が分散することで明るさを抑え相手からこちらの位置を特定しにくくします。

下の写真はM240Bライトマシンガンを暗視装置で撮影したものですが、全周型のフラッシュハイダーがマズルフラッシュを拡散している様子が分かります。

M240Bのマズルフラッシュ拡散の様子

出典:DVIDS:Photo by Lance Cpl. Andrew Cortez

また、SUREFIREやDEAD AIRでは3Prong4Prongといった、先端が3つ又や4つ又に分かれているものもあります。これもマズルフラッシュを分散させるフラッシュハイダーの一種です。

M16もバードケージ型のハイダーに改良される前は3Prongが採用されていました。マズルフラッシュの抑制や燃焼ガスの前方拡散という点では、この様な先端が開いたハイダーの方が性能は高いと言われています。

ただこのProng形状は植生や装備に引っ掛かけやすい形状が兵士からは大変不評な様で、ベトナム戦争時ジャングルの行軍で問題視されたことがバードケージ型誕生のきっかけと言われています。

SUREFIREがProng型を開発したのはU.S.SOCOMの要求に応えるためで、2010年代当時の戦闘が砂漠や都市部で多く植生も関係ないことから、改めて性能の高いフラッシュハイダーに戻すという選択になったと思われます。

3プロングハイダーと4プリングハイダー
▲こちらはエアソフトパーツの写真です。

また近年では、マズルフラッシュの軽減以外にも、燃焼ガスによる健康被害から兵士を守る動きも活発になってきています。少し話題はズレますが、サイレンサーのお話もしておきましょう。

特殊部隊の装備品としてよく見られるサイレンサー(サプレッサー)は発射音の抑制だけでなく、マズルフラッシュや燃焼ガスの拡散を抑える効果もあります。しかしその反面、マズルから放出し切れなかった燃焼ガスがガスチューブやバレルを通って射手の顔元に戻りやすく、長年従軍した兵士に健康被害が起きるなどのデメリットも生んでいます。

こうした被害を抑えるため、最近では内部の圧力を前方に逃がす低背圧のサイレンサーが主流になってきています。

サイレンサーを装着した場合、フラッシュハイダーは接続用のアダプターとしての機能に留まるケースが多いですが、単体でフラッシュハイダーとして機能しつつも燃焼ガスに回転力を与え、ねじ込み式サイレンサーの緩み防止効果を持つ高機能なものも開発されています。

SUREFIRE SOCOM-RC3

出典:SUREFIRE

最近の高機能なサイレンサーのおかげで、兵士の生存確率上昇や、現役、退役後の健康被害軽減などメリットが大きくなったことから、一般兵にもサイレンサー(サプレッサー)の支給が広がってきているそうです。

こうしたサイレンサーのエアソフト用レプリカへのモデルアップも進んでいます。最新アクセサリーで揃えるなら下記がオススメです。

SUREFIRE SOCOM556-RC3タイプ ダミーサイレンサー

KAC MCQ/CRSタイプ ダミーサイレンサー

マズルブレーキ

フラッシュハイダーが視覚的な効果を主目的としているのに対し、マズルブレーキはリコイルの軽減を目的としたデバイスになります。

マズルから排出される燃焼ガスを後方へ流すことで銃に前方向の力を与え、発射時に後方に掛かるリコイル(反動)を軽減させます。

分かりやすい例で言うと、BARRETT M82のV字の箱型マズルブレーキがその特長を良く表しています。

バレットM82

出典:DVIDS:Photo by Sgt. Mike MacLeod

M82は重機関銃と同じ12.7x99mm弾を使用するため、そこから生じる燃焼ガスの量や勢いも半端ではありません。この燃焼ガスの爆風を斜め後方に流すため、射撃環境によっては砂埃で大変な事になりますが、マズルブレーキのお陰でリコイルそのものは想像以上に小さくなっています。

またフラッシュハイダーは主にアサルトライフルやライトマシンガン用であることが多いですが、マズルブレーキについてはライフルに限らず戦車や高射砲など大砲クラスのものでも利用されています。

M119榴弾砲

出典:DVIDS:Photo by Sgt. Jose Lora

アサルトライフルのマズルブレーキも、やはり後方や横方向へ燃焼ガスを流してリコイルを逃がす構造がデザインとして見られます。

特長としては、弾頭が通る射線上の穴は小さく、それ以外の部分は真横に大きく穴を貫通させたり無数の小穴を開けるなどして、燃焼ガスの流れを作っています。

SUREFIREのマズルブレーキ

出典:SUREFIRE YouTube

また、マズルブレーキと似た性能を持つものでコンペンセイターと呼ばれるものもあります。これは燃焼ガスを上方に流すことでマズルライズ(銃口の跳ねあがり)を軽減するもの。ハンドガンなどリコイル制御が難しい銃で採用されることが多く、同じ目的で銃身に穴が空けられているものはポーテッドバレルと呼ばれます。

しかし近年では、それぞれ1つの性能のみに特化したマズルデバイスは少なく、上記画像のSUREFIRE SOCOM Muzzle Brakeも上方向に開けられたポートによりコンペンセイターとしての役割も果たしています。

また、下記の様にフラッシュハイダーを主としながらも、コンペンセイターの性能も持たせたモデルもあります。

フラッシュハイダーとコンペンセイターの機能を併せ持つWARCOMPシリーズ

出典:SUREFIRE

軍や法執行機関でマズルブレーキを使わない理由

マズルブレーキにはリコイルやマズルライズを軽減する効果があるため、2発目以降の照準ズレを軽減したり心理的にフリンチ(ガク引き:反動を意識して銃口を下に向けようとしてしまうこと)を予防したり、一見するとミリタリーライフルでも有効な様に思えます。しかし、先述の通り軍ではフラッシュハイダーの方が主流です。

その理由は、敵からの視認性を下げる以外にも、隊列を組むなど兵士が隣接した状態で射撃を行うことが挙げられます。

サバゲーをしているだけでは想像しづらいですが、ライフルから放出される燃焼ガスにはかなりのパワーがあります。射手1人で見れば効果的なマズルブレーキでも、隊列を組んで一斉に射撃した場合、隣のアサルトライフルから浴びせられる燃焼ガスは射手の集中力を阻害し、部隊全体の攻撃力に悪影響を与えます。法執行機関で多用されないのも同じ理由からです。

また、放出ガスによって巻き上げられた砂埃は射手の視界も奪います。その影響の大きさは、マズルブレーキの項で最初に挙げたM82の写真からも明らかでしょう。アサルトライフルはもっと小口径になるとはいえ、これが何人も集まるとなるとその影響は無視できません。

ちなみに、バードケージ型をはじめ下半分が閉じられているフラッシュハイダーが存在するのは、プローン(伏せ撃ち)時に燃焼ガスの風圧で砂を巻き上げることを防止するためです。

バートケージ型フラッシュハイダー

では軍用ライフルにおいてはマズルブレーキは一切使われないのでしょうか。その答えはNOです。

精密射撃の一助となることから、マークスマンが使用するセミオートライフル等でよく見られます。こういったライフルでは部隊にとっての脅威を排除することが優先されますし、モデルによっては口径が大きくリコイルも増加するのでマズルブレーキの使用は有効な手段と言えるでしょう。

また、役割的にアサルトチームから少し離れた位置にいる事が多く、マズルブレーキが周囲の仲間に与える影響が少ないという理由もあります。

Mk12Mod1 SPR

尚、民間の射撃場でもマズルブレーキは敬遠される様です。シューティングレンジは1レーンのスペースが広くないことも多く、隣のレーンとのトラブルを避けるためなんだとか。

マズルブレーキは燃焼ガスだけでなく、横や後ろに響く銃声も大きくなるため、レンジ内の騒音を減らす意味でもブレーキの単体使用は避けられている様です。そのため民間でのサイレンサー人気が高まっているとかいないとか。

しかし実際に民間での人気がサイレンサー性能の向上に一役買ったのか、近年では民間市場向けだったサプレッサーメーカーが老舗を差し置いて軍用や法執行機関用で採用される例が増え、市場の活性化に繋がっている様な気がします。

ただしサイレンサーは米国で規制対象となっており、民間人の使用は原則禁止となっている州もあります。その様な場合は、ブラストディフューザーブラストシールドが用いられます。

ブラストディフューザーには銃声を抑える効果を持たせる事はできませんが、燃焼ガスや銃声を前方に集中させ拡散を抑える効果があります。

ブラストディフューザー/シールド タイプの商品はこちら

また、NOVESKE KX3SLR Synergy Linear Hybrid Compの様なコーン型構造を持つマズルデバイスもあります。これらはフラッシュサプレッサーやコンペンセイターとの名称は付けられているものの、マズルデバイスそのものにブラストシールド効果を持たせています。

フラッシュハイダーとは逆にマズルフラッシュを前方のみに集中させ、視界確保や聴覚保護を行います。ブレーキ機能はないので、どちらかといえばフラッシュハイダーに近いと言えます。

エアガンでのマズルデバイスの選び方・楽しみ方

フラッシュハイダーとマズルブレーキ、2大マズルデバイスの違いは大体こんな所です。如何でしたでしょうか。2者の違いが明確になってくると、ご自身のエアガンに付けるマズルデバイスにも方向性が見えてくるのではないでしょうか。

ただエアガンショップでマズルデバイスを更に細かく「この商品はフラッシュハイダー」「こっちはマズルブレーキ」とカテゴリー分けしていることは稀です。(ORGAでも「フラッシュハイダー」でまとめちゃってます…💦)

そういった点も踏まえ、ご自身で商品を選択する時のマズルデバイスの見分け方と、どんなタイプのライフルに使用すると違和感がないかを簡単にまとめてみました。

①フラッシュハイダー

見分け方
・マズルデバイスに縦長、もしくは縦並びの小穴が、全周~半周程度に分散して配置されている。
・マズルデバイス先端が複数に分かれている。
・穴やスリットの角度が垂直~前向きになっている。

使用されるライフルのタイプ
軍や法執行機関などプロオペレーターが使用する汎用アサルトライフルや特殊部隊向けライフルで一般的。弾幕を張るライトマシンガン(軽機関銃)でも用いられる。民間仕様でもOK。

②マズルブレーキ

見分け方
・マズルデバイスに左右を貫通する穴が開いている。

使用されるライフルのタイプ
軍用であれば中~大口径のセミオートスナイパーライフル(マークスマンライフル)。民間系ライフルもOK。ボルトアクションライフル(スナイパーライフル)でも使用例が多い。ライトマシンガンでも見られるが例は少ないイメージ。

③複合マズルデバイス

見分け方
・ハイダーとブレーキ、それぞれの特徴を併せ持っている。
・手前にブレーキ構造、先端がハイダー構造と穴を分けて配置している。
・独自の設計で両方の機能を併せ持つホール成形をしている場合もある。
・ハイダーとコンペンセイターの組み合わせの場合もある。

使用されるライフルのタイプ
基本的に民間系が中心。ただしマズルブレーキの効果が無ければ軍用ライフルで用いられる場合もある。主機能がハイダーであれば①と同じ、ブレーキであれば②という分け方に準ずればOK。

④その他/分類不可

見分け方
・NOVESKE KX3などコーン型のフラッシュサプレッサー。
・①~③に当てはまらないもの。

使用されるライフルのタイプ
ほとんどが民間系と見て間違いないが、特定の軍用モデル専用品の場合もある。

 

ザックリと分類してみましたが、上記の通り分類されないケースもありますので悪しからず。

また、これらはあくまで「実銃」をベースとした話なので、正直サバゲーにおいては自分が気に入ったデザインや装着したいサプレッサーに合わせる、ということを優先するのが一番だとは思います。もしそこに「リアルさ」というエッセンスが欲しいのであれば、実銃の例を参考にすると分かりやすくなりますよ、というお話でした。

こういった情報も参考に外装カスタムを楽しんで、ご自身のエアガンにより愛着を持って頂けると嬉しいです。

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