ダニエル・ディフェンスがPCCカテゴリに参戦! DD PCC を早くもガスブロでモデルアップ!
サバゲープレイヤーであれば、DANIEL DEFENSE(ダニエル・ディフェンス)の名を聞いた事が無いという人はまずいないでしょう。RIS2ハンドガードの開発によりARプラットフォームの機能性を飛躍的に向上させた同社は、近代AR-15の基本形を作り上げた立役者と言えるでしょう。故に主力製品は常にAR-15であり、その姿勢は今でも変わりません。そんなダニエル・ディフェンスが2024年、SHOT SHOWにて突如 DD PCC を発表しました。
この新モデルの登場は「あのダニエルがPCCを作るだと?!」と世界中のファンに衝撃を与えました。その反応は様々で「信頼性が高いメーカーなのだから期待できる」というものから「PCCなのに高すぎる!」というものまで賛否両論。いずれにしても、ダニエル・ディフェンスの意外な新製品に銃業界やガンマニア達にとっては恰好の話題となり、注目を浴びることになったのでした。
そんな衝撃発表から1年と数ヶ月が経ち…、早くもDD PCCがガスブローバックとしてモデルアップされることになりました!製作メーカーは、ここ最近NOVESKE GHETTO BLASTERやN4、SALVO MCX(OEM)のガスブロ化で勢いのあるDouble Eagle Airsoft!そしてEMGによるDD正式ライセンス取得という豪華さ!
果たして、ダニエル・ディフェンスが作るPCCの実態とは?そしてガスブロ化されたDD PCCはどんなモデルなのか?気になるアレコレについて早速調べてみました。
目次
PCC(Pistol Caliber Carbine:ピストルキャリバーカービン)とは?
DD PCCは他のPCCと何が違うのか
DD PCCのディテール
DE Airsoftのディテールとモデル展開
PCC(Pistol Caliber Carbine:ピストルキャリバーカービン)とは?
ピストルキャリバーカービンとは読んで字の如くピストル弾口径のカービンという意味で、一般的にライフルと見なされるプラットフォームでピストル弾(9×19mm、.45ACPなど)を使用する銃器のことを差します。サブマシンガンに近いカテゴリではありますが、明確に異なるのはAR-15など本来ライフル弾を使用する銃をベースとしていることと、民間向けがメイン市場のため長いバレルレングスのモデルも存在する点です。
ボルトやバレルは勿論、ロアもピストルマガジンに対応した物に交換またはカスタムされますが、パッと見ではほとんどライフルに見えるデザインであるのが特徴。DANIEL DEFENSEが製作したDD PCCもこの近年の流れに沿ったモデルの1つです。
ピストルキャリバーカービンはライフルほど高威力でないうえ弾も安価で節約でき、ホームディフェンス用として人気を博しています。汎用性を狙ってグロックマガジンが使用可能なモデルが非常に多く、それもまた人気に拍車を掛けたようですが、2024年頃には一時ほどの盛り上がり程ではなくなっていた様にも思いますし、このタイミングでダニエル・ディフェンスがピストルキャリバーカービンを発表した意図は何だったのでしょうか。
DD PCC は他の PCC と何が違うのか
DD PCCは他メーカーのピストルキャリバーカービンに多いグロックマガジン仕様ではなく、CZスコーピオンのマガジンに対応しています。付属するマガジンはMAGPUL製のPMAG 35 EV9になります。スコーピオンのマガジンは信頼性が高いうえに安価であることが選択の理由として挙げられています。
「グロックマガジンが使える」というのは便利である一方、あまりにも同じようなモデルが乱立したためにシューター界隈では一種の揶揄にも使われる様ですし、ダニエル・ディフェンスはその辺りも考慮したのでは?と勘ぐってしまいます。
ダニエル・ディフェンスと言えば「RIS2ハンドガード」と冒頭では申しましたが、実際は精度の高いバレル製造でも知られています。冷間鍛造機を自力で導入した先駆け銃器メーカーの1つであり、他メーカーのバレル製造もOEMで行うなど精度に対する評価はなかなかのもの。ダニエル・ディフェンスの人気が続くのにはこういった理由もあるのです。DD PCCでもこの贅沢な冷間鍛造バレルが採用されています。
出典:DANIEL DEFENSE Youtube Channnel
ピストルキャリバーカービンには、安価に入手できるAR-15の代替品とか、家に置いておく防犯用品といった、決して誇れるものではないイメージも付きまとう様です。しかしダニエル・ディフェンスは「PCC市場は、競技シューター、法執行機関、銃愛好家からの需要に支えられ活況となっている。」との見解を示し、このカテゴリーに同社の性能基準や信頼性を持ち込むことで新しい市場価値を確立しようとしています。
PCC市場で最高の銃という名声を得ることで、更なる信頼や新たなユーザー層の獲得といった目論見もあるのでしょう。
筆者の勝手な妄想ではありますが、民間向けとは思えないSBRモデルが存在する辺りも、ワンチャン軍や法執行機関などサブマシンガンやPDWカテゴリの受注を狙う意図もあるのだと思います。
実際、DD PCCの開発にあたってはシューターや法執行機関のオペレーターからのヒアリングも行っているそうで、ハイエンドなピストルキャリバーカービンとなったのは従来のPCC市場以上の層に向けた製品であることが要因のようです。
DD PCCのディテール
DD PCCには16インチバレルの916 RIFLEと8.3インチバレルのSBR、SBRのストックをアームブレース化したPISTOLの3バージョンが存在しますが、どのモデルも共通した新規デザインのPCC専用レシーバーが与えられています。安価な他社PCCではAR-15レシーバーをそのまま流用することも少なくないなか、高級品のダニエル・ディフェンスはやはり違いますね。
新造パーツでありながら、セレクターやマガジンリリースボタン、ボルトリリースレバーやチャージングハンドルに至るまで、配置は全てAR-15と同じでアンビ仕様にもなっています。
ハンドガードも新造モデルとなるDD4が装着されています。MFRとほぼ同じ様なデザインですが、各面のM-LOK配置が揃えられている事と、先端部下面を伸ばしていないという違いがあります。
現行ではハンドガード単体での販売はなく、PCC専用の様です。少しでもDD PCCにプレミア感を持ってもらう配慮なのでしょうか。レシーバーの前後のパーツ接続もAR-15プラットフォームとして共通化はされているため、別のハンドガードへの交換も可能とのこと。
下の写真ではDD4ではなくRIS IIIが取り付けられていますね。
グリップやストックはダニエル・ディフェンスお馴染みの物が付きますが、トリガーガードはレシーバーと一体成型のためグリップはNo Trigger Guardバージョン。PISTOLモデルのみ社外品のSB Tactical SBA3がストック替わりに装着されています。
外装面の解説がメインになってしまいましたが、分かりにくい部分で言うとトリガーもAR-15と共通で好みに応じて交換が可能。レシーバー自体はAR-15より5/8インチ短くなるものの「ミラーコントロール」を謳っており、違和感のない操作感によりAR-15のトレーニング用途としても使えるとのこと。
DE Airsoft ガスブロモデルのディテールとモデル展開
さて、肝心のDouble Eagle Airsoftからリリース予定のガスブロモデルですが、流石はライセンス取得製品なだけあってほぼ完ぺきにディテールを再現しています。
モデル展開についても実銃と同じく3タイプになりますが現行のPISTOLモデルは無く、代わりに2024年のDD PCC発表時にあったSBRワイヤーストック仕様をPDWとしてラインナップ。
どうしてもDD PCC PISTOLにしたければSBRモデルを選んでSBA3タイプ スタビブレースに交換するのもあり?ただし、実銃は5ポジションストックになるので完全再現は難しそうですね。
レシーバーやハンドガードの刻印などは勿論、メーカーによっては無視されそうなセレクター形状までしっかり再現できているのはポイント高いです。ボルトリリースレバー基部は残念ながらモールド再現ですが、6万円台という価格を考えれば許容範囲でしょう。というか、新規でここまで作り込めるのは中々のことだと思います。
ガスブロと言うからには内部機構も気になるところですが、DE AirsoftですのでZ-システムに近いトリガーボックスではないかと予想されますが……そもそもがスコーピオンタイプのマガジンとなるため互換性も何もないですし、ひとまずはオリジナルと考えておきますか…。テイクダウンした写真などもまだ公開されていないため、製品の到着が待たれます。マガジンは実銃同様PMAG35 EV9タイプとなるのが嬉しい。
これまでの製品実績から見ても動作性や弾道、質感については高いレベルでまとまっていると思われます。何よりこの、他メーカーが手を付けないギリギリのメジャーどころを攻めるあたりが憎いですな。
本体のみで見ると「えー?ただのPCCじゃん~」という声が聞こえそうですが、DANIEL DEFENSEのSNSを見るとかなりカッコ良いセットアップも多数見られ、中々にそそられます…。
ダニエル・ディフェンスのファンにとっては非常に気になるDD PCCガスブロですが、2025年10月中に入荷予定となりORGA AIRSOFTでは現在日本最安値(2025年10月現在)にてご予約受付中となります。916/SBR/PDWの3モデルとスペアマガジンそれぞれ、商品ページも公開しておりますのでチェックをお願い致します。