Honey Badger( ハニーバジャー )とは?

Honey Badger( ハニーバジャー )とは?
Honey Badger( ハニーバジャー )とは?
 

Honey Badger( ハニーバジャー )とは?
悲運な運命を辿った名銃

Honey Badger( ハニーバジャー )は、ミリタリーファンやサバゲーマーのみならず、FPSゲーマーなど幅広く知られた銃の名前ではないだろうか。日本でその知名度を上げるきっかけとなったのは、数年前にCall of Duty:Ghostsで登場したことが挙げられるだろう。大きなサプレッサーを持ちつつもハンドガードに内包されているため銃身は短く抑えられ、リトラクタブルストックによって小型に抑えられたPDWは、その見た目のカッコよさや能力の高さから注目を集め、エアガンにおいてもARESから電動ガン化されたことで話題を集めた。

 

ハニーバジャー はMP5SDを超えるために開発された新規格のPDW

ハニーバジャー は、サプレッサーの開発・製造で有名なAAC(Advanced Armament Corporation)によって2011年に発表され、同時期に同社とレミントンの協力によって開発された新弾薬「.300 BLK弾」を使用することを前提とした新しいコンセプトのライフルだ。のちに、U.S.SOCOMなどが提唱する LVAW(Low Visibility Assault Weapon:低視認性突撃銃)の元となったとも言える、静粛性と携行性、火力を兼ね備えた銃となっている。

既にSMG(サブマシンガン)やPDW(パーソナルディフェンスウェポン)用途として世界的なシェアを誇っているH&K社のMP5のサプレッサー仕様「MP5SD」の代替を狙って開発され、亜音速弾(初速を抑えることによって音量を下げた弾)の静粛性と、5.56mm弾と共通のボルトやマガジンが使用できる汎用性を兼ね備えた設計とされ、MP5SDの様に特殊部隊などで運用されるのに有効な性能を持っていると言われている。

.300 BLK弾とサプレッサーの組み合わせによって、AR15の使いやすさとMP5SDの静粛性の両方を兼ね備えたライフルを目指していたのが ハニーバジャー の目的であった。

ハニーバジャー

 

.300 BLK弾とは?

.300 BLK弾(.300ブラックアウト)はAACがレミントン・ディフェンス社の協力を得て開発した7.62×35mmサイズの弾薬で、AK-47でお馴染みの7.62×39mm弾を意識して作られた。アメリカのアサルトライフルでは一般的な5.56mm弾よりも威力が高く、CQBでも遠距離でも火力のある汎用性を持っている。高い貫通性能を持っており、ボディーアーマーにも有効であるとされている。

デフォルトでサプレッサーを装備した ハニーバジャー 向けに、弾頭質量220グレイン(約14g)の亜音速弾仕様であればかなり発射音を抑えることができるという。他に125グレイン(約8g)の超音速弾も存在する。

薬莢のリム径や弾薬の全長が5.56mm弾と同じであるため、ライフルのボルトはM4系のものがそのまま使用できマガジンも共通で装弾数も減ることがない利点がある。ただし、当然ながら弾頭は大きくライフルのバレルを変更する必要があるので、5.56mm弾と混在しないよう注意する必要がある。

.300BLK
↑左3つが.300 BLK弾。右から2つ目が5.56×45mm弾。一番右が7.62×39mm弾。

 

プロジェクトの保留から新会社設立の経緯まで

発表された2011年当時 ハニーバジャー は、新しいPDWとして軍や法執行機関から大きな注目を集めたものの、2013年にはAACはサプレッサーの製造に注力しライフル製造からは脱却する方針であったため、開発者であるケビン・ブリティンガムがAACを去りプロジェクトそのものが保留されてしまう。

その後、ブリティンガムはSIG Sauerに異動しMCXの開発に携わるなどした。
MCXはAR15の構造や操作系を持ちながらパーツを入れ替えることで様々な弾薬を撃つことができるモジュラーライフル。AACの親会社であるレミントンは、2015年に法執行機関向けLVAW ハニーバジャー として保留していたプロジェクトを形にはしていたが、MCXは.300 BLK弾も撃つことができたことや性能面での評価が高く、SOCOMなどによるLVAWの採用の動きに関しては結果的にMCXに軍配が上がった。MP5SDの代替を狙っていた ハニーバジャー は、同じ開発者が携わった別のライフルに負ける形となってしまった(実際、ブリティンガムは開発中であったMCXを手にした際、 ハニーバジャー より優れていると確信したようだ)。

レミントン ハニーバジャー
レミントンが発表したLVAW ハニーバジャー 。
 
結果的に、発表当時からかなり多くのファンを獲得していた ハニーバジャー であったが、開発当時の体制が維持されなかったことによる開発への影響も大きく、AACやレミントンへの大型受注には至らなかった。
ブリティンガムは2016年には自ら新会社「Q」を立ち上げ、新しい設計の ハニーバジャー を鋭意開発、現在では発表するまでに至っている。

Q LLC ハニーバジャー

Q LLC ハニーバジャー PISTOL

 
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