Force Recon(フォース・リーコン)とは?

Force Recon(フォース・リーコン)とは?
Force Recon(フォース・リーコン)とは?
 

戦う偵察部隊?アメリカ海兵隊フォース・リーコン

Force Recon(フォース・リーコン)とは、アメリカ海兵隊武装偵察部隊(United States Marine Corps Force Reconnaissance)の通称で、偵察や情報収集を主任務とする海兵隊所属の特殊作戦能力保有部隊(Special operations capable:SOC)である。

いわゆる「斥候」に特化した部隊でありながら、偵察を主任務としながらも高い戦闘能力を持つことで知られている。
海兵隊本隊とは別同部隊として行動し選抜された隊員で構成されるエリート部隊であるが、特殊部隊としては公式に認められておらず、アメリカ特殊作戦軍(SOCOM)隷下ではなく海兵隊によって直接指揮・管轄が行われている。

 

フォース・リーコンの任務とは

偵察部隊の名の通り、本隊の進行前に斥候として、想定される作戦地域の偵察及び敵の警戒を行い、本隊の移動・上陸地点を選定するための情報収集を行う。
あらゆる作戦状況下においても「偵察」は必須の任務であることからフォース・リーコンは陸・海・空の全てにおいて作戦行動できる能力を持つため、本隊展開後も海兵隊唯一の空挺可能部隊として空中機動部隊として参戦し、航空機による敵地潜入も行う。

敵陣営奥地まで潜入し敵戦力の偵察などを行う少数精鋭の作戦を行うため、Navy SEALsの様な特殊部隊と同等の戦闘能力を持つと言われるが、直接的な攻撃や対象の殺害などを主目的とする実動部隊などとは違い、フォースリーコンはあくまで偵察や情報収集をすることに徹する。

 

フォース・リーコンの持つ能力

主な任務を偵察とするものの、戦略的に有益である状況下においては襲撃や破壊などの任務を行うこともあり、CQBや射撃、爆破などの戦闘能力に長け、先述の通り特殊部隊並みの戦闘能力を持つとされている。そのため選抜のための訓練やテストも非常に過酷なものとなっている。訓練時には歩兵戦術だけでなく、ロッククライミング、空挺、ダイビング、雪山サバイバルの他、衛星通信やモールス信号、破壊工作、医療と非常に幅広い技術・知識を身につける。

あらゆる能力を身につけた隊員で構成されるフォース・リーコンは、交戦を余儀なくされた場合艦砲射撃や航空機での援護攻撃を受ける権限を与えられるほか、敵陣破壊や人質救出などの強襲任務を行うこともある。

部隊の航空戦力としては、敵地潜入や航空機戦闘・攻撃も行えるよう、中量重量級のヘリや攻撃ヘリ、攻撃機などの混成飛行隊を有する。

 

フォース・リーコン創設の流れや歴史

前身となる偵察部隊は第二次世界大戦中に創設され、太平洋戦争や朝鮮戦争で上陸作戦の主力部隊として活躍した。1954年には実験部隊としての活動を経て、3年後の1957年に正式にフォース・リーコンとして創設。ベトナム戦争でも活躍を見せるがその後1974年に一時休止する。

1982年から再度部隊としての活動を再開させ、アメリカの数々の近代戦闘おいて多くの戦果を残すが、2006年のアメリカ海兵隊特殊作戦コマンド(Marine Corps Forces Special Operations Command:MARSOC、現略称Marine Raiders)の創設に伴い再編成を受け、隊員は一時的に任務を解除され新設された特殊作戦大隊選抜チームや偵察大隊隷下の中隊などに散り散りとなる。

創設から長い歴史を持つ部隊ではあるが、休止や再編成に度々さらされてきたフォース・リーコン。だが、2008年には海兵隊司令官の指示により偵察大隊隷下の中隊がフォース・リーコンとして再任命され復活を遂げている。