デルタフォースって何?

デルタフォースって何?
デルタフォースって何?
 

デルタフォースって何?

デルタフォースとは、第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊の通称で、主に対テロ作戦を遂行するアメリカ陸軍の特殊部隊だがアメリカ政府は公式にはデルタフォースの存在を認めてはいない。1977年11月19日にイギリス陸軍の特殊部隊SASをモデルにつくられた。 アメリカ陸軍には以前よりグリーンベレーが存在したが、SASで訓練を受けたアメリカ陸軍のチャールズ・アルヴィン・ベックウィズ大佐が国防総省に対テロ部隊の必要性を訴え創設した。

1981年、JSOC、1987年にU.S.SOCOMを設立した。このSOCOMには陸軍・海軍・空軍及び海兵隊の各特殊部隊を統括するに至る。デルタフォースもSOCOMの指揮下に置かれ、その一方、国防総省直轄の組織として機能するようになったが何にせよ全ては秘密のベールに隠され詳細は不明である。

 

デルタフォースの詳細

通常は四人一組で行動し、近接戦闘等のほか現地の語学に精通するなど頭脳面でも高い水準が要求される。演習時には他部隊の一般の兵士に容易に作戦内容を知られぬようにドイツ語やフランス語を使って作戦会議を行うなど、隊員の語学水準は非常に高い。任務の中では民間人に偽装する必要もあるため、頭髪や服装も他の部隊に比べて自由度が高い。

ノースカロライナ州フォートブラッグの陸軍特殊作戦軍団基地の一角に本部があり、部隊の訓練は厳重な秘密の壁に守られている。施設には世界の最先端を行くとされる射撃場、水泳プール、潜水プールがあり、地下鉄や旅客機などあらゆる種類のテロを想定し造られた模擬訓練施設が存在するとされる。市街地での急襲や人質訓練には、「恐怖の館」が使用される。「恐怖の館(House of Horror)」はデルタフォースの訓練施設で、この施設は各種テロ状況を実演できる一連の部屋のことで、人質救出やCQBの訓練に使用される。または、ここで奇襲攻撃戦術を学び、敵と味方、人質の区別を即座に行えるようにする。この恐怖の館はSASの訓練施設である「キリング・ハウス」を手本に造られたものである。

[入隊資格は以下の通りとなる]

・米国籍を保有していること

・志願者であること

・連邦航空身体検査に適合すること

・空挺資格保有、または空挺訓練へ志願できること

・秘密取扱資格保有、またはそれを取得できる見込みがあること

・陸軍一般適性検査で110ポイント以上を記録できること

・陸軍体力テストで、22歳〜26歳標準の225ポイント以上を記録できること(内容は、腕立て伏せと腹筋運動をそれぞれ2分間に55回と62回以上、ランニング2マイル(1.6km)を15分6秒以内に完走)

・レンジャー、 特殊部隊体力テストに合格できること

・軍法会議で有罪になった経歴・軍律違反を繰り返した記録、共にないこと

・身体面で特に弱点が無いこと

加えて、志願者が士官か下士官かで追加条件が変化する。

 

アメリカ陸軍特殊部隊の「デルタフォース」と「グリーンベレー」の違い

陸軍の系統で、同じく特殊部隊…という「デルタフォース」と「グリーンベレー」。

報道でも敵の勢力圏奥深くに浸透し任務を遂行するものが多いが、2つの隊の違いとは?

  • 機密度

1977年の創立から40年近くたった今も、アメリカ政府はこの部隊の正式な名前を公表していない。「デルタフォース」も通称で、CAG(戦闘適応グループ)やACE(陸軍別動エレメント)などと様々な略称があり、海軍特殊部隊SEALsのTeam 6などと合わせてSMUと呼ばれている。メンバーは守秘義務契約書にサインをしていて、これに違反した場合は罪に問われる。こうして極秘のベールに包まれたデルタフォースと違って、グリーンベレーは存在が認められており、時には積極的な広報を行うこともある。今では特殊部隊員全般を指すようになった。「Operators」は元々はデルタフォースのアサルターやスナイパー、その他の戦闘員を指す言葉であった。

  • 任務の内容

グリーンベレーは冷戦真っ只中の50年代に創立。全面核戦争ではなく代理戦争として、低烈度のゲリラ戦が世界各地で戦われると考えた人間が軍の上層部にいた。こうした戦争を有利に戦うため共産主義政権の国に密かに潜入、反政府レジスタンスにあらゆる非正規戦闘技術を伝授しクーデターによって政権を転覆、親アメリカ国家を作り上げる、というのがグリーンベレーの究極の目標である。近年では海外における一般人の救助・脱出などにあたっている。

これに対しデルタフォースは、敵重要人物の捕獲や暗殺、拠点強襲など極少人数・超短時間で強い打撃を与えるための攻撃部隊である。元々対テロ戦争のために作られた部隊であり性格はグリーンベレーとはまったく違うものである。

  • 選抜過程

選抜過程もまったく性質が違うものである。グリーンベレーになるためにはQコースと呼ばれる身体能力試験、そして非正規戦を模した「ロビン・セージ」と呼ばれる模擬戦闘演習を突破しなければならない。合格は容易ではないが内容自体は一般的で分かりやすい。なお制度上は新兵からでも「18X Special Forces Candidate Jobs」として応募が可能である。

対してデルタフォースを志願するにはまず何年かの軍歴と階級が必要である。そしてその選抜テスト「A&S」は尋常ではない体力が求められるのはグリーンベレーやその他の特殊部隊と同様であるが、それ以上に精神力の強さが求められ、評価基準も謎めいている。典型的な内容はウェスト・バージニアの山地を曖昧な指示だけを与えられ、いつゴールできるのかも分からずにハイクさせられるというものだが、その他にも様々な心理テストが行われる。こうしてどんな環境でも一人、あるいは小さなチームで任務を実行できる精神力があるかどうかを試される。

  • 部隊の規模

その人数も大きな違いがでる。アメリカ陸軍特殊作戦コマンドは、サポートする非軍人を含め総勢約3万4千人という大所帯だ。グリーンベレーは7つのグループに分かれ世界中に駐留、各地の紛争に介入し続けている。これに対してデルタフォースは総勢1000人とも1500人とも言われる小さなグループで、全員がフォート・ブラッグ基地にいる。