自衛隊が制式化した89式5.56mm小銃:東京マルイが代名詞

自衛隊が制式化した89式5.56mm小銃:東京マルイが代名詞
自衛隊が制式化した89式5.56mm小銃:東京マルイが代名詞
 

89式というと自衛隊が利用している銃というイメ―ジを持つサバゲーユーザーも多いと思います。サバイバルゲーム界では、ご存知の通り、東京マルイ(東京都足立区綾瀬4-16-16)のライセンス管理の下、電動ガンとして製造を続け、現在でも根強いユーザーに愛用されている。2018年は陸上自衛隊制式採用 ガスブローバック89式5.56㎜小銃(固定銃床モデル)の販売が予定されていて、話題となっている。
特に、M4MWSやBlock1など東京マルイのガスブロ-バックライフルは、性能が良く安心して利用できるという面から、今回発表予定の89式ガスブローバックにも期待が大きい。

89式について

89式5.56mm小銃とは、自衛隊が制式化した自動小銃で、1990年以降は陸上自衛隊の主力小銃となっている。1989年に自衛隊、自衛隊、海上保安庁、警察の特殊部隊(SAT)において制式採用されている。開発製造は豊和工業が担当し、武器輸出三原則により納入先が自衛隊など日本政府機関のみに制限されていて生産数が伸びず、1丁の納入単価は25万~34万円(調達数によって変動)と現役の主力小銃としてやや高価な部類に入る。
広報向けの一般公募愛称は「バディー」となったが、部隊内では単に「ハチキュウ」とよばれている。配備が始まって十数年が経過したが、いまだ50%程度の配備率となっている。

豊和工業株式会社(ほうわこうぎょう)は、愛知県清須市に本社を置く機械メーカー。東証一部上場。工作機械、油圧機器、特殊車両や銃器などを製造。自動小銃や迫撃砲をはじめとする自衛隊の装備も製造している。

89式とは

陸上自衛隊の主力小銃89式

89式で使用している弾は5.56x45mm NATO弾とSTANAG 4179に準じていて、必要があれば在日米軍などの同盟軍とそれらを共用できるようになっている。5.56mm機関銃MINIMIとも弾薬互換性を持つ。さらに、特別な器具無しで06式小銃てき弾を装着でき、全ての89式で火力支援と限定的な対戦車戦闘が行える仕様となっている。

陸上自衛隊の主力小銃

89式の設計と性能

当時は世界的に小口径・高初速弾が一般化し自衛隊も同コンセプトで新たな小銃を独自に開発した。それが89式小銃。日本人の平均的な体格に適した設計がなされているて銃身長420mmというカービン(短縮小銃)に近い長さでありながら、大型の消炎制退器の銃口制退機能によって高い制動性がある。また、取り外し可能な二脚となってて展開し接地することで安定した射撃ができる。銃床は固定式だけでなく、折りたためる折曲銃床式が空挺隊員や車両搭乗隊員向けに配備されている。材質や製造方法は、大量生産ができるようになっていて銃床、銃把、被筒には強化プラスチックを採用し、金属部分はプレス加工を多用している。銃を構成する部品数が64式から大幅に減り、生産性や整備性が向上している。
銃口部のフラッシュハイダーはやや特異な形状となっているが、優れた消炎効果を発揮するといわれる。

89式の設計と性能1

発射形式は突撃銃には珍しいセミ、フル、3点バーストの三種類。セレクターレバーの表示は、64式小銃から受け継いだ「ア/タ/レ(安全/単発/連射)」に「3」を追加したものとなっている。セレクターシステムはユニット式になっていて、取り外すことでセミオートもしくはフルオートのみとすることも可能。このセレクターレバーは匍匐前進の際に誤って解除されないよう右側についており、操作するときはグリップから一旦離した右手でレバーを保持するよう指導や訓練がされている。なおイラク派遣においては左側にもセレクターレバーが追加されていた。この機構は帰国すると元に戻されたといわれるが、隊員からの要望で、2007年度から左セレクターレバーの標準化が決定し、順次装備が施されている。

冷戦末期に設計された89式は、海外派遣やゲリコマ対策など新たな課題に向けて、各部の改修・改良が実施されている。進捗は部隊によって異なるが、左側切換レバー設置や光学式照準器の装着などが進められている。現在は本銃を試作原型とした「先進軽量化小銃」が開発中。

89式の設計と性能2

「シン・ゴジラ」等のゴジラシリーズなど自衛隊が登場する作品には決まって登場する。魔法少女や図書館の司書さんが使用していたりと二次元での運用は非常に広い。実際の戦場にて使用された事が無いのでその実力ははっきり言って未知数である。しかしイラク派遣前に米国で行われた実戦訓練にて使用された際、経験豊富な米軍兵士から命中精度の高さや耐久性、バイポッドの取り回しの良さを高く評価されている。

89式エアガン

2006年より、東京マルイが固定銃床式の販売を開始した。
後に折曲銃床式(左方切換レバー非対応)の販売も始め、現在もこの2種類を販売している。こちらは防衛庁より詳細な寸法データが提供されたため、一部の部品を除いて再現度は高いものとなり自衛隊にも閉所戦闘訓練用教材として納入されている。
配色も閉所戦闘訓練用教材とは異なり、実銃に基づいた色合いとなった。折曲銃床式はアルミ系素材を多用することで剛性を確保しつつ、前後の重量バランスを補正している。
東京マルイは89式の販売に合わせ、実物と同様に残弾確認孔が付いた89式用マガジンや専用のマウントベースなどの販売も行っている。なお、東京マルイではそれまで樹脂などで再現していた電動ガンのレシーバーを、89式以降は金属製へと改めている。
この他に海外では、中国のJing Gong(JG)社が「TYPE 89」、TERCEL社が「89 MODEL RIFLE」を販売しているが、どちらも東京マルイ製のコピー品となる。

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