【対策】WIDEBOREシリンダーでの給弾不良に関して

【対策】WIDEBOREシリンダーでの給弾不良に関して
【対策】WIDEBOREシリンダーでの給弾不良に関して
 

前回、公開させて頂いた WIDEBOREシリンダー ノズル長についての記事でも記載させて頂きました通り、ご利用頂いているトレポンの殆どが問題なく利用できております。

ですが、チャンバー部分で「弾が噛んでしまう」や「給弾されない時がある」などのお話が若干数ですが御座いました。その中でも特に、SYSTEMAレシーバー+SYSTEMAアウターバレル を利用して不具合が出たというご連絡が数件ありましたので、ORGAの方でも改めてフィッティングの検証を行いました。

これまでも記事に書かせて頂いている通り「同じメーカー + 同じ製品」でも削りの公差が異なることがあり、生産時期が違う場合、削りの寸法が異なる事が多くあります。

同じアウターバレルでも以下の様な現象があります(ご経験ある方も多いと思います)

  • チャンバーが入りやすい物と入り難いものがある
  • 入ったチャンバーが簡単に抜ける物と抜けない物がある
  • アッパーへの差し込みがキツイものと緩めの物がある

これらが「公差」となります。

今回要点になっているのは、アウターバレルのチャンバー挿入部分の公差となります。先にお話しますと、アウターバレルの製品自体が悪いのではなく、挿入部分の公差によってノズル後退時に若干の角度が着いてしまう所にあり、その修正方法を解説します。

 

テスト環境

14.5インチx5本 と10.5インチx5本のSYSTEMAアウターバレルで検証した結果、すんなり給弾され適切に発射できたバレルは8本ありました。使用しているトレポンの個体とマガジン 及びWIDEBOREシリンダーは全て同じです。

 

障害の要因

ダメだった2本とOKのバレルを比較した結果、ダメな物は、挿入したチャンバー若干(0.3mm~0.4mm)程 傾斜がありました。チャンバーをセットして、シリンダーを後方から入れた際にOKな物はシリンダーヘッドの溝にすんなりチャンバーが入りますが、ダメな物はシリンダーヘッドの溝のエッジがチャンバーに当たり、最後に「カコン」という感じでチャンバーが収まる現象が起きます。以下の部分が接触します。

チャンバーに傾斜が付くという事は、ノズル先端のフランジとチャンバー内壁が干渉し、ノズル後退時に角度が着いてしまいます。基本的には、この「角度」が多少ついても問題ないのですが、WIDEBOREで利用しているノズルスプリングの仕様が起因し、完全にノズルが後退しない現象が起きます。

 

WIDEBORE用ノズル スプリング

利用しているノズルスプリングは、両端とも巻いてあり水平を保持する仕様になっています。

正確にノズルが後退する状態であれば問題ありませんが、傾斜がある場合、この巻の部分が「フランジとシリンダーヘッド」の間に挟まる型となり、最後までノズルが後退しません。
極端な画像ですが、以下の感じです。

このフランジとシリンダーヘッドの間に「巻の部分」が挟まる事により以下の現象が起きます。

  • 給弾されない
  • 給弾途中でBB弾が止まりノズルが戻ることで弾が割れる

以下、対策方法を解説します。

 

ノズルの分解

WIDEBOREシリンダーのノズルネジ部分はネジロック(赤)で接着してますので、無理に回すとノズルが破損しますので、必ず ネジロックを溶解させてから分解してください。ネジロックは熱を加えると溶解しますが、簡単な方法は、以下の部分にハンダゴテを当ててノズル表面から熱を浸透させます。
目安はノズルに熱が加わり「熱くなってきた」位でOKです。あまり熱し過ぎるとシリンダーヘッド内部に入っているOリング小が溶けてしまうのでご注意ください。

 

ノズルスプリングのカット

結果を先に述べますと、スプリングの片側の「巻き部分」を半巻カットします。
以下、上から見た画像

巻終わりの対角線の位置でスプリングをカットします。

カットすると以下の様な状態になります(SYSTEMAはこの状態になっています)

カット後 1点注意があります。カットした際に掛かる力で、カット部分が広がる(スプリング径が広くなる)ことがありますので、以下の様にカットした部分をベンチで掴み、内側に少し丸めてください。

上記が済んだらシリンダーヘッドにノズルとスプリングを組み終了となりますが、カットの断面が上を向く(ノズル先端側)様に設置してください。