【設計解説】ORGA WIDEBOREシリンダー トレポン用

【設計解説】ORGA WIDEBOREシリンダー トレポン用
【設計解説】ORGA WIDEBOREシリンダー トレポン用
 

ORGA WIDEBOREシリンダー トレポン用を構成する全てのパーツは、トレポン用 WIDE BORE(ボアップ)シリンダーが遂に登場!ページでも解説している通り、全てのパーツを0から作っています。
シリンダー管の話にもある通り、従来のシリンダーよりも内径が広い管を利用していますので、殆どのパーツの設計は「その管」に合わせた規格で生産してあります。
ネジ部分があったり、衝撃がある部分など「耐久性が重視される」パーツに関しては全てステンレス材を利用し加工自体も日本国内でやっています。特にネジピッチは精巧に出来ており、海外で加工した物より格段にネジ同士の噛合が良く、頑丈に仕上がっています。

シリンダーヘッドに付属するノズルも設計を見直してあります。
一般的なノズル(ノズル胴:B)の立ち上がりの長さを従来の物より0.2mm長くしてあり、この事で WIDEBORE用のノズルは、チャンバーにセットした際に他社のノズルより0.2mm後退した位置でセットできます(チャンバー内のノズル先端位置は変わりません)

これによりピストンヘッド内の「シリコンOリングに刺さる」動作に対して、今までよりもしっかりと刺さりますので、トレポン運用にで稀に起こる”シリコンOリング摩耗による給弾不良”(ノズルを早く離してしまう)を回避できます。
ノズル先端は、HEX(六角レンチ)を差し込める様になっていますので、メンテンナスや交換が楽に行えます。

WIDEBOREシリンダーは、「シリンダー管」と「ピストンレールが付帯した内部パーツ」の2ピース構造となっていて出荷時には接着をしています。画像の通り専用の上部からピンで止めて最終の固定をしていますが、ピンにM2のネジ穴が空いており、長めのネジを使い引きピンを抜く事ができます(要:温め)

これは、メンテナンス性とアフターサポートを考えた上での対策となります。頻繁にトレポンユーザーご自身で初速調整やメンテナンスでシリンダーを分解する場合、後方のシリンダーエンドを何度も取り外ししている内にネジ山が甘くなって、しっかり締め込む事ができなくなるという問題がありました。その場合、殆どのトレポンユーザーは、シリンダーの買い直しが発生していましたが、「この部分」を個別に分解~新しいパーツへ差し替えできる様にした事で、無駄な費用を掛けずトレポンシリンダーの運用を続ける事ができます。

ORGA WIDEBOREシリンダー トレポン用に利用しているピストンヘッドも専用設計となります(ピストンとシリコンOリング、ピストンヘッドOリングは他社流用可能)。
内径が広いシリンダー管の為、ピストンヘッドの外径も大きく設計しております。画像の通り、左がORGA WIDRBORE、右がSYSTEMA製のシリンダーですが、SYSTEMAの方にはWIDEBORE用のピストンヘッドが入りません。
※SYSTEMA製のシリンダーの中には生産時の公差でプラス公差の物については、かなりキツイですが入る物もありました。

ピストンヘッド外径は、極限までシリンダー内径とのクリアランスを詰めていて、ピストンレール位置出しもキッチリしておりますので、駆動時にピストンを完全水平後方運動させることができます。
社外のトレポンシリンダーを利用した際に「赤い削り片」や「黒い削り片」が出るよね!と耳にする事がありますが、これは、ピストンヘッドと管壁のクリアランスが有りすぎる事により、ピストンが水平後退出来ていない事でピストンがピストンレールのエッジで削れてしまっている為です。
「削れる」事自体は問題にはなりませんが、「削り片」が何処かに挟まってしまうと、適正なパフォーマンスが出なくなってしまいますので、見逃せない部分として設計を調整しました。